あらすじ
この本では「がんのひみつ」、つまり「知られていていいのに、ほとんどの日本人が知らないがんの常識」を解説する。
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Posted by ブクログ
がんについての必要なことをまとめた、小冊子的な本。
著者は東大病院放射線科准教授。
ガンがDNAのコピーとして発生する仕組みと自己からできたので、免疫機構がそれを発見できないこと、生活習慣などで改善できることを述べている。
治療には、全体に行う化学療法と、部分の手術や放射線治療があることを述べいている。
がんの検査も、「腫瘍マーカー」、「画像診断」(X線、CT,MRI)、PET(陽電子放射断層撮影)などもある)「病理検査」がある。
癌治療の「根治」(完治)、「延命」、「症状緩和」を目的として3種類を混ぜた「集学的治療」もある。
がん全体のことを知るには良書である。小さいが話は詰まっている。
Posted by ブクログ
がんとその治療法をわかりやすく解説した本。タイトルから伝わるイメージはこんなところだろうが、本書はそれだけにとどまらない。山積する医療問題から日本人の死生観まで言及している。
世界一のがん大国と言われるのに日本国民のがん治療のリテラシーは低い。著者はその原因を日本人の死生観の変化、すなわち、日本人は死ぬことなく永遠に生きる感覚に陥っているため、がんから目を逸らしているのではないかと指摘する。
「死=悪」、あってはいけないものと考え、医療に完全性を求める患者たちが医療訴訟を増加させ、過酷な勤務医、特に産科と小児科の減少に拍車をかける。昨今の健康食品、アンチエイジングブームも日本人の死生観の変化が影響しているという。
「がんもそんなに悪くない」「死ぬならがんがいい」と主張する著者は、がんの解説を通じ私たちに死について再考するきっかけを提供したかったのではないだろうか。
Posted by ブクログ
中川恵一氏はがん関連のわかりやすい本を何冊も書いています。これも、がんの基礎知識がコンパクトにまとまった一冊。がんの知識から死生観までわかりやすく書いてあります。
本書の中で二度出てくる「がんが治っても人間の死亡率は100%」という言葉は緩和ケアの医師らしい言葉。闘病中の方だけでなく、中高生や一般の方が「どう生き、どう死ぬか」を考える入口に最適の書。
Posted by ブクログ
『人間の死亡率は100%』
『死ぬならガンがいい』
本の中ではっとしました。
余命の宣告があれば、ある程度の治療方法、緩和ケアがあるガンなら…自分の生きていた事の後始末というか仕上げが自分のこの手でできるのかな…と。
片手でもて、文字数も多くなく、専門用語も多用されていないので読みやすかったです。
Posted by ブクログ
こちら、筆者がかかれてましたが、確かに学校教育(もちろん義務教育)で取り上げた方がいいかも、と思うような内容でした。
日本は長寿国だから、二人に一人はガンで死ぬ現実。なのに、日本人はガンについて知らなすぎるし、知ろうともしないと。
今の日本には、戦争もないし、飢餓もないし、「死」ということがあまりにも現実感がなくて、下手をしたら「死なないんじゃあないかな?」なんて本気で思えそうな世界ですが、事実、人間は死ぬ。それも、二人に一人はガンで、という現実。
ガンについての基礎知識が、この本には分かりやすく書かれていて、知人や親類や自分自身がガンと関係なくても、一度くらいは読んでおいて損はないと思いました。
なにせ、ガンは自分の細胞なんですから。ガンにかからなかったら、それはただ運が良かった、それだけなんですから。
Posted by ブクログ
『「死に方上手」こそが「生き方上手」なのだとほんとうにそう思います。』『がんは人生の縮図』/
部位によって検査から治療の方法も異なるので、自分できちんと調べましょう、とあるのは納得。日本の医療費はとても少なく、勤務医の給料も外国に比べると低いそうです。ふーむ。そう言われてもな…。
一時間ほどでさくっと読めた。がんの概要を知るにはちょうどいい本。