魚住直子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジェンダーのバイアスがうまく表現されていると思った。
普段の生活の中に、男だから、女だからという役割分担が未だに存在して、生きにくさを感じる人は多いと思う。生きにくさまでは感じないけれど、もやもやを感じているのは、まさに自分もその一人。
ここでは、女性の役割として家事全般が多く挙げられているけれど、男性だってきっとそういったものにがんじがらめにされて苦しく思っている人は意外と多いと思う。
でも、颯太やおじいちゃんのようにそういった固定概念を意識せずに相手に求めたり相手を傷つける言動を、私も知らないうちにしているかもしれない。
気をつけなくちゃ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
2023/2/24-25
半年くらい前に『考えたことなかった』を読んでいて、その前作にあたる本作をようやく読めた。
前巻の記憶がだいぶ薄れているためかもしれないが、こっちのほうが面白かったかな~~。
女性に家事労働を押し付ける差別的なジェンダー規範がメインテーマかと思っていたが、「親(母)の抑圧に対する子ども(娘)の反発」が主題だった。
主人公の陽菜子は小6で、中学受験(のための塾通い)が大きく取り上げられる。いちおう自分も中受経験者ではあるが、塾に通わなかったのもあって、ほぼ他人事として「中学受験を親の意向で強制させられて塾にいやいや行かされる子どもたちはなんて可哀そうなんだ……やはり -
Posted by ブクログ
祖父母の家の近くで猫に「わたしは、未来のお前なのにょー」と話しかけられ、困惑する颯太。
勉強や野球部の自分のこともあるのに
家では働きだした母と中学受験を控える妹と
家事を一緒に共有するようになり、ますます大変さが増す颯太。
祖父母の家に行くたびに出会うしゃべる猫。
少し下がってしまった成績、後輩に先を越された部活。
家事をこなす祖母と、何もしない祖父の喧嘩に巻き込まれ
男だからジュースをおごるとか、ボタン付けはお母さんの役目とか
植え付けられた価値観に惑わされながらも
しゃべる猫の正体は、実は未来の孤独な祖父だとわかり、祖父母を巻き込んで颯太が考えをまとめて納得していく様子。
少しず -
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「なんで私ばっかり」「親なんて」そう思っている子供たちだけじゃなく、子供が思い通りにならなくてもどかしい親たちにも勧めたい本です。
いわゆる思春期。私自身は、概ねうまくやり過ごしたと思う。しかし、親に真正面から反抗しても勝ち目がないから取り繕っていただけで、別に納得していたわけじゃなかった。
この本は、その「納得できないけどはっきり言語化できない感情」に、少し形を与えてくれた。ああ、あの頃の気持ちはこういう言葉にしたらよかったんだな、と。
子供は親の気持ちはわからないし、親だって子供の気持ちはわからない。だけど、自分の思いは分かってほしい。そりゃそうだ。
だったら、この本を読んで親子で「お -
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ネタバレ小6の陽菜子は、お母さんから家事も勉強もやるように言われていた。
洗濯物をキレイにたたんだり、食器洗いや料理の手伝い。
勉強して、塾に行って中学受験も予定していること。
だけどお兄ちゃんだけは家事をやらないでいいことになっている。
自分だけ家事手伝いをやらなくちゃいけない疑問と
友達と遊びたいけど塾に行くから時間もないという不満。
お母さんに伝えようとしても、言い返されてうまく自分の気持ちを言うことができずにいた陽菜子の前に現れた
不思議な女の子のスージーと古い手帳。
わたしは、親に支配されたくない。
わたしは、わたしの道を行きたい。
お母さんが子供の時に手帳に書き込んでいた言葉。