魚住直子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【本の内容】
1つ、クールに生きていく。
2つ、友だちはつくらない。
そう心に決めていた中学生の私の前に、不思議な一人の女性があらわれた。
彼女こそ、理想の大人だと思う私の毎日は少しずつ変わっていくが…。
少女と大人―傷つきやすい2つのハートが出会った、ある夏の物語。
第36回講談社児童文学新人賞受賞。
[ 目次 ]
[ POP ]
危うい心理状態。
大人でも子供でも、些細な事がきっかけで、こころのバランスを崩す。
傷ついている二つのハートが出会った。
同情なのか、友情なのか。
氷解するこころ。
さらりと読めるのに、こころにしみじみ残る作品。
「タスケテ」思いがけず出た言葉。ずっと隠していた、気付かない振りをしていた。
噂のミドリノオバサンと勘違いした、私。
些細な事が原因で、苛められた小学時代。
引っ越し先の中学校で強くなるために、心に決めたこと。
一つ、クールに生きていく。
二つ、友達は作らない。
挫折が有るから強くなれると言うけれど、挫折など一生無ければ、その方が良いに決まっている。
必要に駆られ、身に付ける強さは本当に必要なのだろうか?
自信が無いから群れる子供達。
標的は弱者に決まっている。
醜く歪んだこころ。
追いつめられた袋小路から抜け出すきっかけも、また些細な事なのだろう。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
【本の内容】
有名中学に合格して、響の人生はうまくいっているはずだった。
でも、このごろ何をする気も起きない。
そんなときふしぎなメロディーが、すっと心に流れ込んできた。
そして、家出をしていた兄ちゃんが、「女」になって帰ってきた!
親子、兄弟、友達…みんながギクシャク。
この世は不協和音でいっぱいだ。
[ 目次 ]
[ POP ]
同じ著者の作品で、6月の課題図書にもなった「非・バランス」もよかったが、この「超・ハーモニー」はさらに気に入った。
主人公の兄である将樹の造形がいい。
「家出していた兄ちゃんが『女』になって帰ってきた!」と、帯にある。
しかしすでに3人の息子の母親となった私にとってありうべき現実は、“息子が女性になって帰ってくる”というものだろう。
あるいは、主人公響が陥ったように“息子が無気力になり自分の殻に閉じこもろうとしている”もありうる。
息子の心は女性であることをどうしても受け入れられない父親、理解を示すふりをしながら考えることさえ拒絶する母親。
自分だってそうなるかもしれない、響と将樹の両親を責められない。
でも、たとえ家族が自分の期待とは違う道を選んだとしても、この家族のように少しずつでもわかり合おうとできたらいいなと思う。
歩み寄ることすらできないのだったら、せっかく家族になった意味がないもの。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
小学校時代のいじめを機に、中学では「1つ、クールに生きていく。2つ、友だちはつくらない。」というルールのもとで生きていこうとする女の子のはなし。
「私には友達がいないのじゃない、自分から友達を作らないことを選んだということ。」という文章は、じぶんにも思い当たる節があって、なんかちょっと懐かしさがこみあげてくる。「はしゃぎすぎてしまう」からつけこまれるというのも、なんかわかるんだなー。
やっぱり、サラさんの会社にいって、「私」がデザイナーと勘違いしてたところがいっとう怖いな。怖いけど、おもしろい。あるある、というか。「私」から見てサラさんは唯一まともな大人で助力者でもあって、なくてはならない存在だけど、サラさんだって中学生の「私」と同じものを抱えているという視点。それから緑のおばさんの話が、サラさんのつくった緑の雨合羽によって収斂していく。
「私」が雨合羽を着てユカリの家に突撃する場面が好きだ。水かけられるのも。「今の話よ。あんたにとっては昔のことかもしれない。だけど、私はあれからずっと続いてるのよっ。ずっとずっと、続いているのよっ」
けっこう好きダナ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに関しては、初めて読んだ時に「なんじゃこりゃ?」となったものの、最後まで読み切ると本当にしっくりくるタイトルになっていて感心した。
主人公たち3人の中2男子の個性がばっちり噛みあったタイトルで、しかもコンビ名でもあるという魚住さんのセンスに惚れる。
漫才に挑戦する学生というとあさのあつこさんのMANZAIがどうしても浮かんでしまうが、個人的にはこちらの方がよりリアルな10代男子の等身大の姿を描けているのではないかと思う。
「よーん」という語尾をつけて喋る豆男という非現実的な存在が出てくるのも小技がきいていて、主人公の江藤くんの秘めた切実な願いをこぼしたり、傍観者として彼らの滑稽な姿を浮き彫りにしてみたりと、そういった表現が読んでいて楽しかった。