魚住直子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ小6の陽菜子は、お母さんから家事も勉強もやるように言われていた。
洗濯物をキレイにたたんだり、食器洗いや料理の手伝い。
勉強して、塾に行って中学受験も予定していること。
だけどお兄ちゃんだけは家事をやらないでいいことになっている。
自分だけ家事手伝いをやらなくちゃいけない疑問と
友達と遊びたいけど塾に行くから時間もないという不満。
お母さんに伝えようとしても、言い返されてうまく自分の気持ちを言うことができずにいた陽菜子の前に現れた
不思議な女の子のスージーと古い手帳。
わたしは、親に支配されたくない。
わたしは、わたしの道を行きたい。
お母さんが子供の時に手帳に書き込んでいた言葉。
子供の頃感じた気持ちは
忘れないって思っていても大人になると薄れていくわけで。
忘れたくない気持ちを思い出させてくれたなあ。
中学生の頃に読んだ非バランスとか超ハーモニー、好きだった。
大人になって読んだ魚住さんのこの話、じわじわ迫ってくるものに夜に読んで泣いた。
母と娘の関係。
私には息子しかいないけど、子供をコントロールしようだなんて思っちゃいけない。肝に銘じる。 -
Posted by ブクログ
ふとした切っ掛けで小学生の頃いじめられていた私は、中学に入った時に「クールに生きていく」、「友だちはつくらない」と決めた。ある夜出会った不思議な女性に、何故か私は「タスケテ」と口にしていた。
小学校卒業のタイミングで引っ越しで隣の学区に移り、知る人のいない中学校で新たな自分になり仕切り直しをしようとする私。作り上げたキャラクターこそを自分と思い込むことで、小学生時代の嫌なことを振り切ろうとする。
そうやって心をしっかりと武装するも、ひずみができて心が揺らいでくる。
タイトルの「非・バランス」が持つ力が、作品全体に響いています。
いじめられていた記憶に縛られて悪夢を見て、無意識に加害者に無言電話を繰り返してしまう私。
理想の大人だと思い自分をさらけ出せる相手だと思っていたサラさんにも、違う顔があることを知る。
クラスで目立つグループにいる子にも、教室で見せない顔がある。
そんな様々な自分をバランス良くコントロールすることが「いいこと」なのか? バランスを崩し穴に落ちてしまったら、もうどうしようもないのか。(登場人物のひとりが3階の窓から落ちるのは象徴的だ)
バランスを崩して落ちたと思った地に、もしかすると自分の居場所があるかもしれない。
それぞれの人物が一歩踏み出すためにバランスを崩す。踏み出す先はどこに向いているのかはわからない。それでも一歩踏み出したこと。そこに希望を見出している。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ寓話のような短編集。
動物達の姿を通して「生きること」のしんどさを思うと同時に、「生きること」について深く考えさせられる。
どのお話も文体はとても優しいのに内容は生と死に関するもので切ない。けれどラストは気持ちを軽やかにさせてくれるものが多い。
特に『アメンボリース』『朝の花火』が好き。
飛ぶことを諦めた鳥もいれば、人間に憧れるサルだっている。
生き物を殺すことに快感を覚える「ころしや」のアオダイショウだって温かな気持ちを知る瞬間に出会い、腹を空かせて死にそうだったライオンも生きる勇気を貰う。
「死んでるみたいに生きるんだったら、意味がない」
怖がりの子グマが一生懸命考えて出した答えが心に残る。
「生きること」の意味を穏やかに問われた作品集だった。