夏井いつきのレビュー一覧
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①季語の六角成分図②似て非なる季語たち③音で楽しむ季語④添削道場⑤類想を超える秘策の5章からなる季語の解説本といっていいかな。
季語の六角成分図というのは、視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚、連想力の6つの成分で季語を分析して、六角形の図形で表そうというもの。よくスポーツのチームなんかを評価するときにこういうのを使うよね。
似て非なる季語というのは、例えば「陽炎」と「逃水」、「草の芽」と「ものの芽」などのように似た季語を六角成分図や例句をもとに徹底検証するというもの。
どの章も、季語が持っている伝統の奥深さ、イメージ力というものを気づかせてくれて面白かった。例句がたくさんあって、詳しく解説してくれる -
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ネタバレ俳句とは奥が深いなと思った。
今まで難しい言葉や昔の言葉を使い堅い印象だったけど、この本を読んで考え方が変わった。
「俳句の種蒔き」を続けている限り、これからも色んな場所から芽が出るに違いない。
俳句は、子供たちの言葉を育てる力を持っている。言葉には、心を育てる力がある。
荒れていく言葉は、心の荒野をさらに空虚にする。言葉と心が育ちきらない子供が増えている現状。その子供たちが大人となり、未発達の言葉と心をもって子育てを始める近未来。
俳句の種を蒔く活動は、百年をかけて豊かな言葉の森を造っていく志でもあるのだ。
俳句は自分のために作るものだ。そこに人生の豊かさがあり、心の実りがある。
昨今 -
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四季それぞれ俳句を集めた、俳句の読み解き方を楽しむ本。いつき節はかなり抑えめに、この句はこのように感じられる、このように楽しめるのではと短い文章で綴られている。
良い句を読む、良い句を楽しむ事が良い句を作る一つの道であるのだと強く感じる。
読むだけでは、ああそうねとか、何を言いたい?などと思うけれどそれを少し紐解いて貰うと、自分の中に映像がぼんやりとだが絵を結ぶ。
作者が自分の外を見て書いた句が、自分の中で絵になる時受け手にも楽しむだけの下地が必要なのだと感じる。俳句を作るための自然を楽しむ目は俳句を読んで楽しむ目と同じなのだろう。
好きな句は
高々と蝶こゆる谷の深さかな
あるけばかっこういそ -
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「プレバト!!!」の俳句解説でおなじみの著者と脳科学者・茂木健一郎氏との対談、「仕事」をテーマに募集した俳句の著者による添削実例をもとにした実作上のテクニック指南、その応募句の中から著者が選んだ秀句の選評という3部構成。
タイトルから著者による俳句入門書を想像していたが、ちょっと肩透かしを食らうような内容だった。特に、第1部の茂木健一郎氏との対談はあまり要らなかったように思う。
ただ、対談中の「夏井いつきの俳句ゼミ」はまさにタイトルどおりの内容で、俳句を作るに当たり、参考になった。もうちょっとこのコラムを深めてくれてもよかったと思う。
第2部の添削実例は、著者がどういう観点で俳句を添削している -
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選ばれた季語や、解説はとてもよかった。総ルビなのも良い。
残念なのは、本が大きすぎるのと、堅牢すぎて重い。そして高い(4500円+税)。同じ内容で、数冊買える、または買い直せる1,500円以下の20センチ位の本が良かったです。
また、夏井先生の解説で「俳句を作ろう」として1ページのみ載っています。ここが、もう少し小学生にも見やすく載っていると良かったです。例えば、小学生が読んですぐわかるような俳句を幾つか季節ごとに載せるとか。あとは、小中学生が使いやすい季語のところに、わかりやすい俳句が欲しかった。
予算に余裕あるなら良い本だと思います。 -
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松山出身なので、今や故郷を代表する名士となった夏井いつきさんの書かれた本は関心が向いてしまう。(プレバトもいつしか毎週見るようになってるし笑)
今回は奥田瑛二との対談。奥田瑛二という人、ダンディさを全面に出してケレン味たっぷり、私の苦手とするタイプなのだが、意外や意外、俳句になかなかどうして造詣が深い。夏井さんと対等に渡り合っているのに驚いた。
でもまあ、子規の俳句が二人の間にあるからこそかもしれない。
改めて子規の句を読んだが、やっぱりよいですね。
俳句、やってみたいといつも思う。
夏井さんが俳句をハリーポッターの少しだけ動く絵に例えていたのが、俳句というものの捉え方としてなるほどと思っ