夏井いつきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
俳人の夏井いつき先生と、実の妹であるローゼン千津さんの本、第二弾。
この、パンデミックのご時世であり、夏井先生の夫・加根兼光(かね けんこう)さんも交えての、Zoomでの対談となった。
兼光さんはほとんどの場面、黙って見守り(口を出す隙がないとも言う)、なにか訊かれれば即座に回答し、ぱっと資料を取り出すという、完璧なサポートぶりである。
あまり食べ物に興味がない、と冒頭から書いている夏井先生に対し、千津さんの食べ物に対する情熱と知識量、経験値はものすごい。
語彙力表現力、ユーモア力も半端なく、ややもすると、千津さんが滔々と語り、夏井先生が合いの手を入れる、みたいな流れになっている。
食べ物の俳句は、草間時彦氏の本で語られ尽くしたかと思っていたが、まだまだそんな物ではなかった。
千津さんの食べ物経験値が豊富なのは、夫のナサニエル・ローゼン(通称ニック)氏がアメリカ人の著名なチェリストという事もあるだろう。
NY在住期間もあるので、そこの食文化も知り、そして、ニック氏はユダヤ系なので、ユダヤのしきたりも大切にしている。
また、ダーリンが外国人系の、「生卵を食べられない」的なネタにも事欠かないのだ。
対して、夏井先生は、漂泊の俳人タイプだ。
俳句さえあれば何もいらない的なストイックさ。
兼光さんが随分と夏井先生に温かい場所を提供しているのではないかと感じた。
そして、夏井ファミリーの凄さを感じる。
夏井先生がその中心で、ゴッドファーザーのようだ。
カンノーリは置いて行け!
前作も良かったが、その数倍おもしろかった。
第1章 日常の食卓
第2章 旅の食卓
第3章 大勢で囲む食卓
第4章 祝いの食卓
第5章 思い出の食卓 -
Posted by ブクログ
《頭のなかで「比喩」「見立て」「擬人化」「感想」などに置き換えないで、「観察から得た発見」だけで成立しているでしょ。これが"純粋"な「一物仕立て」の特徴です。まぁ、「小さき」という表現は、ヘタだけどね(笑)》
《「一物仕立て」において、この「類想類句」を避けて、「おっ!」と思わせる句を作るためには、①観察力、②根気、③描写力、この三つの力が必要になります。季語と向き合うなかで、この三つの力がそろうと、リアリティーとオリジナリティーを獲得することができて、いい「一物仕立て」の句になるの。》
・季語の「本意」をつかむ
・意味の重複を避ける
・五感+第六感(連想)を複数盛り込む
《柔道や剣道のように型があり、職人さんが弟子に伝えていくように技法を学ぶのが俳句という文芸。まずは先達のいうことを聞いて、その通りに素直にやってみる。長年培ってきた定石や技術を謙虚に知ろうとする。その学びが俳人としての土台となり地力となっていくのだと、あらためて認識しました。》 -
Posted by ブクログ
読んでタイトルの通り、今にも絶滅しそうな俳句の季語を紹介する本。
懐かしき日本の日常風景や伝統行事がたくさん載っていそうだな、と読んだ通りであった。
特に「正月」の項には個人的に惹かれる物多し。
しかし、中には珍妙なものも、先生も内心「いらんわい」と思っているだろうものもあり、そこはかとなくおかしい。
とはいえ、「ああ、はかなく消え去りゆく古き良き日本、やまとしうるわし…」と詠嘆するのが目的ではなく、役目を終えて引退しようとしている季語の尻を叩いて働かせるための本である。
『絶滅寸前季語保存委員会』を結成し、ネットやラジオで、絶滅危惧種の季語を使った俳句の投稿を募り、夏井先生自身も必ず一句詠む。
下手も上手いも並ぶのが面白く、エッセイ部分の知識の豊富さ、語りの面白さも、読み応え十分!
なお、これは続編。
自分は古い人間故、それ知ってる!というものも結構あるが、若い人たちの反応も知りたいものだ。 -
Posted by ブクログ
数年前から「プレバト」というテレビ番組を観ている。
楽しみにしているのは、夏井いつき先生の、俳句の添削コーナー。
見始めた頃はこわい先生だと思っていたのだけれど、今では辛口のユーモアも癖になり。
私には、そう悪くはないなと思われる俳句も、先生に添削されて、アヒルの子が美しい白鳥に変わって飛び立って行くのを見ると心が晴れる。
私は散文人間なのか、俳句の潔さは憧れではあるけれど手が出せない。
読み解き方も分からない。
ただ、響や、目の前にぱっと広がったイメージで好きな句というのは幾つかあるのだが…
そう言ったわけで、俳句集を読むことはなかったのだけれど、365日すべてに違う季語で選ばれた正岡子規の俳句に、夏井先生の短いエッセイが添えられたこの本は、先生に手を引かれて子規の宇宙を旅するがごとく。
風景は、俳人が立ち、あるいは病臥のまま読めば、夏井先生が、さっと美しい書き割りを描いて見せてくれるもの。
時々顔を出すお酒好きの一面にも親しみが湧く。
散文人間ゆえ、長文ご容赦、呵呵。 -
Posted by ブクログ
前作だけでも、へんてこ季語にお腹いっぱいと思ったのに、まだあったのか、こんな季語と呼んでいいのかわからない季語!
この文庫版が出版されてからしばらく経つ。
その間に生まれ、ほどんと日の目を見ること無く忘れ去られた「一発屋季語」もあるはずだ。
ぜひそれらも蘇生させてください、と夏井いつき氏にお願いしたい。
しかし、この夏井氏の文章、占星術ライターの石井ゆかり氏に似ている。
え~っと、同じ出版社で、同じ編集さんが、同時期に夏井氏と石井氏の企画を進めていて、その最中に夏井氏の書いた文章に石井氏の著者名が付き、石井氏の書いた文章に夏井氏の著者名が付き、入れ替わったまま本屋に並んでも、だれも気づかないとか。
は…、さすがにそれはないか。(笑)