夏井いつきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
《頭のなかで「比喩」「見立て」「擬人化」「感想」などに置き換えないで、「観察から得た発見」だけで成立しているでしょ。これが"純粋"な「一物仕立て」の特徴です。まぁ、「小さき」という表現は、ヘタだけどね(笑)》
《「一物仕立て」において、この「類想類句」を避けて、「おっ!」と思わせる句を作るためには、①観察力、②根気、③描写力、この三つの力が必要になります。季語と向き合うなかで、この三つの力がそろうと、リアリティーとオリジナリティーを獲得することができて、いい「一物仕立て」の句になるの。》
・季語の「本意」をつかむ
・意味の重複を避ける
・五感+第六感(連想)を複数盛り込 -
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読んでタイトルの通り、今にも絶滅しそうな俳句の季語を紹介する本。
懐かしき日本の日常風景や伝統行事がたくさん載っていそうだな、と読んだ通りであった。
特に「正月」の項には個人的に惹かれる物多し。
しかし、中には珍妙なものも、先生も内心「いらんわい」と思っているだろうものもあり、そこはかとなくおかしい。
とはいえ、「ああ、はかなく消え去りゆく古き良き日本、やまとしうるわし…」と詠嘆するのが目的ではなく、役目を終えて引退しようとしている季語の尻を叩いて働かせるための本である。
『絶滅寸前季語保存委員会』を結成し、ネットやラジオで、絶滅危惧種の季語を使った俳句の投稿を募り、夏井先生自身も必ず一句詠 -
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数年前から「プレバト」というテレビ番組を観ている。
楽しみにしているのは、夏井いつき先生の、俳句の添削コーナー。
見始めた頃はこわい先生だと思っていたのだけれど、今では辛口のユーモアも癖になり。
私には、そう悪くはないなと思われる俳句も、先生に添削されて、アヒルの子が美しい白鳥に変わって飛び立って行くのを見ると心が晴れる。
私は散文人間なのか、俳句の潔さは憧れではあるけれど手が出せない。
読み解き方も分からない。
ただ、響や、目の前にぱっと広がったイメージで好きな句というのは幾つかあるのだが…
そう言ったわけで、俳句集を読むことはなかったのだけれど、365日すべてに違う季語で選ばれた正岡子 -
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前作だけでも、へんてこ季語にお腹いっぱいと思ったのに、まだあったのか、こんな季語と呼んでいいのかわからない季語!
この文庫版が出版されてからしばらく経つ。
その間に生まれ、ほどんと日の目を見ること無く忘れ去られた「一発屋季語」もあるはずだ。
ぜひそれらも蘇生させてください、と夏井いつき氏にお願いしたい。
しかし、この夏井氏の文章、占星術ライターの石井ゆかり氏に似ている。
え~っと、同じ出版社で、同じ編集さんが、同時期に夏井氏と石井氏の企画を進めていて、その最中に夏井氏の書いた文章に石井氏の著者名が付き、石井氏の書いた文章に夏井氏の著者名が付き、入れ替わったまま本屋に並んでも、だれも気 -
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テレビ番組『プレバト!』でおなじみの俳人夏井いつき先生の俳句指南書。
夏井先生が出演された『NHK俳句』に投句された視聴者の俳句を「ボン」「半ボン」「脱ボン」と分け、「ボン」の発想から自由になるために書かれている。
「ボン」は平凡、凡人の「ボン」。
けっして悪くはないけれど、できれば人をあっと言わせたい、と思うのが、詠む人の人情。
いわゆる「アルアル」を集め、仕分け、分析し、つぎつぎ並べられた句に、やはり自分は凡人だと、しょんぼりする人もいるかもしれない。
しかし、憂うべからず。
「アルアル」を避け、「発想を飛ばす」ことで、もしかしたら「脱ボン」になれるかもしれない。
「発想を飛ばす -
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「プレバト!!」でおなじみで俳句に興味を持ち始めた「チーム裾野」への「俳句の種まき」運動を続けてきている夏井いつき氏と、夏井氏から「ハカセ」と呼ばれる岸本尚毅氏の掛け合い問答により進行し、俳句の「型」を学ぶ10のレッスンと、ステップを踏んで実際に句作に向けた練習をするための30のドリルで構成される俳句の入門書。高濱虚子選の『ホトトギス雑詠選集』からの豊富な作例を素材としている。
「型」に着目したドリル形式の俳句入門書というのは、これまでにないもので、俳句初心者が句作を磨いていくのにもってこいのものだと感じた。季語の穴埋めなど、なかなか難しかったが、勉強になった。