倉本聰のレビュー一覧
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花言葉にしては、妙に刺さることばたち。
なるほど、倉本聰先生がドラマの舞台となった風のガーデンに咲く365種類の花用にと考案されたのか。さすが人間描写のプロ。
風のガーデンの近くで犬のさんぽをしていたら(従兄弟の柴ちゃん)、倉本先生も超高級そうなわんこを連れられていて、一言二言、世間ばなしをさせていただいた記憶が。
先にこの本を読んでいたら、「”ダイアンサス・ナッピー(しのぶ恋ほどばれやすい)が倉本作品っぽくて好きです!」って、ブックトークできたのに!
恵庭の道の駅内「スターバックスコーヒーはなふる恵庭店」にて。ちなみに本書は「サンガーデン」土谷美紀さん。こちらもさすがの選書です。 -
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倉本聰の脚本の魅力はどこにあるのか、その創作の原点が明らかにされる。本書において、倉本聰は「書くというより、創るということをしている」と述べており、ニンゲンは自らのドラマを創り出していると言える。
「創るということは遊ぶことであり、創るということは狂うことであり、創るということは生きることである。」これが倉本聰の生きる極意である。物事を深く極め、本質を捉え、自らの境地と熟練した技術を発揮する。倉本聰の『脚本力』は、単に物語を紡ぐ技術にとどまらず、その背後にある人間の感情や社会の構造を深く考察し、それを作品に反映させる力を指している。
倉本聰は「快感にはね、暴力があり、殺戮があり、残虐 -
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タイトルから名言集を想像していたが違っていた。どちらかと言えば名場面集。
読み込む前にパラパラめくってみたが、巻頭と巻末に編者の解説がある以外、本編はスカスカな印象を受けた。
ひたすらセリフのやり取りだけで、シーンが変わるところで2行程度の注釈が入るだけ。
それがずっと続く。
ただ、その間が良いんだな。少しづつドラマの場面を思い出していく。
五郎さんは自分の父と、自分は純たちと同世代。妹一人も一緒。
読み進めながらドラマを思い出すと共に自分らの人生を追って重ねてしまう。
同時代を生きた者だからこそ共感できる部分がある。
不覚にも泣いてしまった。
ファンにはたまらない一冊。ぜひ読んでほしい。 -
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▼70年代からつい先日の「やすらぎの里」シリーズまで、大活躍の脚本家・倉本聰さんの、まあ自伝的エッセイでしょうか。タイミング的には「やすらぎの里」の続編放送の頃に出たみたいです。
▼何かで別の倉本さんのエッセイを読んだのか?と思うくらい、作劇法とかエピソードはけっこう既知のものもありましたが、するすると読みやすく。個人的には倉本作品って、ちゃんと味わったのって・・・・「あにき(高倉健唯一の連続テレビドラマ)」 「北の国から(のうちの、スペシャルになってからの数編)」「駅」「海へ」などの高倉健映画… だけなんぢゃないかと考え、意外と見てないなあ…と思いました。
▼70年代80年代、テレビの黄 -
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『北の国から』の倉本聰さんの脚本力
一人一人の登場人物の生い立ち、人間関係、住んでいたところまで細かく設定する。だからこそ、登場人物同士が繋がったり、化学反応が起きたりする。
大きな樹木のねっこの部分が、登場人物だという。
登場人物の血液型や親子、兄弟関係、通っていた学校や近くのスーパーまで想像上で明確だからこそ、新たなドラマが導き出せる。北の国からで言えば、純や螢が住んでいた街は新大久保だという。
登場人物や構成がイメージできてしまえば、シナリオはあっという間に書けてしまう。
やはり倉本聰さんは凄すぎる。リアリティをもたせるためのこだわりが。
中嶋朋子さんと糸井重里さんのトークショーでも、黒 -
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ネタバレ『北の国から』などで知られる名脚本家、倉本聰のシナリオ執筆のプロセスがプロットから完成稿まで記されている。
自分も脚本を書いており、書くたびにシナリオ制作の一連の流れに躓くことが多いので勉強になった。
キャラクターのバックグラウンドを住んでる町や、そこでの生活まで考えるというやり方は岸川真の『だれでも書けるシナリオ教室』にも載っていた。
だがこのプロセスを自分は面倒臭くて飛ばしていたのだが、やはりここまでやらないと生きたキャラクターを生み出すのは難しいな、と改めて感じた。
ただ完成稿のドラマは今の感覚だとちょっとどうなんだろう、という面もある。
例えば美麗な女性に対して昔使っていたであろう -
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ネタバレわたしが純と歳が近いせいか、どうしてもこどもの想いで当時の映像は観ていました。この本はわたしが親になったせいか、はじめて父親の五郎の立場で考えることができました。
一番印象的だったのは、純が東京でだれかに危害を与えてしまったことを五郎に伝えるシーン。泥の付いたお札は五郎の血と汗と涙の結晶であり、そんじょそこらのお札とは訳が違う。そのお札を取られたからとは言わなかった純は、知らないあいだに五郎の愛が伝わっていたと思われるシーンです。五郎は理由は聞かなかったが、こんなにも人を愛し愛され、本当の意味で人間らしく生きている姿がここにあるように思われました。高級な住宅、高級な車、贅沢な食事をどんなに手に -
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これまでも、エッセイ、テレビで知ってる話もあるが、それ以外の話もあって興味深い。フランクに書かれてると思う。山田太一が倒れたことは知らなかった。この年代で一人気を吐いている。
『2018年12月から、テレビの4K、8K放送が始まりました。いったいどれほどの視聴者が画素数で番組を見るというのでしょう。せいぜい家電業界や、関連するシステムやサービスを提供する会社が潤うだけです。国はテレビのハード面にばかり力を入れて、ソフト面をないがしろにし過ぎたと思います。俳優や演出家の質を上げることにいくら金をかけても、直接的な経済効果に結びつかないからでしょう。だから、テレビをテレビ文化として真剣に育てよう -
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ネタバレ倉本聰ほど伝説?や話題の多い脚本家も珍しい。
思い浮かぶものを羅列しても「国民的ドラマの大ヒットメーカー」「NHK大河ドラマの降板」「富良野への移住」「台本の一字一句にも拘り修正を許さない」「キャスティングに口を出す」「80歳を超えてからのシルバータイムドラマの創出(やすらぎの郷)」・・・等々
その倉本聰へ碓井広義が行った計9回のインタビューを纏めたものが本著である。
インタビューなので読みやすく、倉本聰の考え方やそれぞれのドラマの舞台裏など面白い話がわんさかと詰め込まれており、その時代その時代に果敢にチャレンジしてドラマの可能性を広げてきたことが分かる。
具体例を挙げると、2017年