江口泰子のレビュー一覧
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ブレグジット関係の本、日本人が書いているものもありますが、やはり英国人、しかもキャメロン首相の側近が書いた本と言うことで、本書を手に取りましたが期待以上に面白かったです。著者がキャメロン側の人間というバイアスはありながらも、登場人物のキャラクター描写など非常に興味深く読みました。シェークスピアが生きていたら絶対戯曲化していたと思います(現代の誰かが劇にしてシェークスピア劇場でやってほしいです)。現首相のテリーザ・メイがいかに狡猾で国民投票前は表舞台にほとんど出ないという作戦をとっていたことや、ボリス・ジョンソンという道化師の存在、そして本書の中では真の悪役としてのマイケル・ゴーブがいます。また
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サイバー戦争が起こっているとは知っていたが、内情がこれほどのものとはと驚愕。ゼロデイ(その存在が公表されていないバグ)、エクスプロイト(脆弱性を使って攻撃するソフト)という単語も初めて知った。
著者はニューヨークタイムズで業界暴露記事を何本も書いているが、日本のマスコミで解説を聞いた覚えがない。統一教会よりも もっと騒ぐべき話題だと思うのだが、どうだろうか?
・大手ソフト会社のバグを探して公表する活動はオタクの趣味で行われていたが、バグを公表すると当該ソフト会社から訴えられることもあり、次第に闇に潜るようになった。→バグを探してくれた人に感謝しない大手ソフト会社ってどうよ!
・バグを買い取り -
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著者はニューヨーク・タイムズ記者。本書は、機密主義の色濃いサイバー兵器の世界について、ハッカー、活動家、反体制派、専門家、コンピュータ科学者、米国政府等当局者、フォレンジック調査員等300人以上のインタビューを行いまとめたという。
2003年、ある企業がゼロデイのバグに報奨金を支払うプログラムを始めて以降、ゼロデイ・エクスプロイトが高額で取り引きされるようになったこと、その顧客も米国のみならず権威主義国家にも広がり、国民監視や反対派抑圧のツールとして用いられていること、当初は防衛型の諜報活動に用いられていたのが、スタックスネットのような攻撃型のサイバー兵器に変化してしまったことなどが、詳 -
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最近はポスト資本主義を提唱する本が多い。
それぞれ理想的であり、また欠陥も抱えているが、提案と議論があることは良い環境と思う。
読んで、どこが良いか、欠陥は何かを読者が考えることが重要ではないかと思う。
さて、本書は2008年、リーマンショックを機に資本主義と分かれたパラレルワールドのポスト資本主義がどうなったかをSF小説仕立てで書かれている。
作者が、特に重要視して説明したいところは図が示されている。
・給与体系
・株式市場亡き後の議決権
・配当、相続、積立
その後もジェンダーやテック企業の市場支配について書かれているが、作者の主張は概ね上の3つだろう。
さて、給与体 -
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リーマンショック〜トランプ政権に至るまでのグローバル金融経済現代史を米国、欧州、アジアの政治力学に対する詳しい検討に基づいてまとめた著作。
政治経済学における政治要素、特に「政党」の力学が克明に描かれており、デリバティブにまつわる問題として語られがちな金融危機の経済史とは異なる視点で現代政治経済史を眺めることができた。
政治的な要素に着目する以上、人の名前がたくさん出てきて読むのが大変ではあるが、現代のポピュリズム政党の勃興やbrexit、トランプ政権の誕生が金融危機以降の動的過程として接続できることがわかり、新しい目線を得ることに繋がった。 -
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本書はソーシャルメディアにより各種紛争がどのように変化していったのかを詳細なインタビューや取材からあぶり出している。
本書で焦点とされたのは
・ガザ地区でのイスラエルとハマスとの紛争
・クリミア併合におけるロシアとウクライナの紛争
・マレーシア航空17便撃墜事件の真相
・IS(イスラム国)の紛争
・テロとの戦い―ISとアメリカによるサイバー空間でのせめぎ合い
などだ。
現代の戦争はどのナラティブ(物語)が国際的な世論や人々の共感を得ることができるかが最も重要となっている。そのナラティブを発信する最も重要な武器がソーシャルメディアだ。
例えば、イスラエル軍によるガザ地区への空 -
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子育てに悩む人たちに向けた、親としての心構えや、声かけの理論から実践方法が広く書かれた本。
大雑把にいえば、強みを伸ばす子育て、子供が思ったように行動しない時の心の受け入れ方など。
ポジティブという言葉に楽観的とか、物事を深く考えないとか、ノリで!とかそんなイメージがなんとなくあったのですが、子供の欠点にばかり目がいく状態から、子供の良さに気がつく状態になることで、好転していくことはたくさんあるでしょう。
私自身はこの本を教える立場として読んでいましたが、たとえば褒め方1つでもプロセスに注目する方法を具体的に示してあるので、自分の普段の声かけを見直すヒントが詰まっています。
興味深かった -
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以前から気になっていたビジネス本。実質3.7くらい。
【ざっと内容】
著者は世界中で起業を支援する会社のCEO。何人もの成功者や敗者、今まさに開花しようとしている起業家を見てきた彼女が優れた起業家に必要なマインドや習慣をたくさんの実例と共に綴った一冊。
【こんな人におススメ】
・起業家、起業を考えている人。
・仕事に対して少し高い意識で取り組みたいと思ってる人
【感想】
典型的なビジネス洋書。エピソードトークが多過ぎるのと、変に高いテンションの()がウザい笑。
ただ紹介されてるエピソードの中には参考になる考え方や今までの自分のイメージを壊す事実があり、蛍光ペンを引きたくなるような箇所は複 -
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『THINK WILD』直近一ヶ月で読んだ本のなかでは、トップクラスに面白かった。一冊の中に何十人もの世界中の起業家たちの伝記のエッセンスが詰め込まれたかのような本。アントレプレナーシップの形は様々でも、通底する本質は必ずある。
【アントレプレナーの活躍分野】
ガゼル(営利組織)、スカンク(企業内)、ドルフィン(非営利組織)、バタフライ(フリーランス)
【アントレプレナーのパーソナリティ】p163
ダイヤモンド、スター、トランスフォーマー、ロケット
起業家精神とは、「迅速に動いて創造的な破壊をもたらす、楽観的な原動力」を指す。p9
「意識的な努力(エンデバー)によって自分の暮らしを高め -
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SNSを利用したソーシャルメディアの躍進により、戦争は強力な兵器だけでなく、「言葉」と「ナラティブ(語り)」でも戦う時代に突入した。
そしてその担い手は、国家や既存メディアだけでなく、団体や個人もまたそうなっていく――。
SNS時代の戦争とジャーナリズムを抉る、渾身のレポート。
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SNSは個人の情報発信力を伸ばし、良い意味でも悪い意味でも、国家や既存メディアのそれに負けない、または彼らもまたそれを利用せざるを得ない状況を作った。
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