あらすじ
なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。それは、資本主義が私たちの生活や自然といった存立基盤を餌に成長する巨大なシステムだからである。資本主義そのものが問題である以上、「グリーン資本主義」や、表面的な格差是正などは目くらましにすぎず、根本的な解決策にはなりえない。破局から逃れる道はただ一つ、資本主義自体を拒絶することなのだ――。世界的政治学者が「共喰い資本主義」の実態を暴く話題作。(解説・白井聡)
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匿名
資本主義を純粋に経済のシステムとして捉えるのではなく、社会全体に権力を行使するシステムとして、拡張して捉えなおすことの必要性を本書は何度も説いている。その例として、資本主義社会システムに埋め込められた人種差別、女性差別(女性にケア労働を押し付ける)、自然破壊、国家権力の溶解を挙げる。これらの領域の問題はしばしば資本主義とは無関係なものとして認知されているが、資本主義社会システムがその根本原因となっている、と本書は述べる。資本主義はそれらに依存することで、問題を引き起こしつつも、それらとの関係を否認する。
著者は社会主義を鍛え直して、現在の資本主義へのオルタナティブとして提示せんとするが、著者も述べる通り、まだそれは素描の段階を出ない。