江口泰子のレビュー一覧

  • 140字の戦争 SNSが戦場を変えた

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    まぁ難しいですよね。でも、現代の”情報”の在り方を考えるうえでは、とても参考になります。
    ロシア・ウクライナ紛争は、あまりに唐突に起こったように見えていて、動機も経過も全然判らなかったのですが、本書を読んで、少し理解できました。
    個人的な興味のレベルで流されるフェイク、国家レベルで量産されるフェイク、、、世の中のほとんどのコンテンツはフェイクじゃないかと思うほど、”正しい”情報を得ることは難しくなっています。そんなことも意識しながら現在を生きるしかないのだと、改めて確認しました。

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    2025年07月03日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

    匿名

    購入済み

    資本主義を純粋に経済のシステムとして捉えるのではなく、社会全体に権力を行使するシステムとして、拡張して捉えなおすことの必要性を本書は何度も説いている。その例として、資本主義社会システムに埋め込められた人種差別、女性差別(女性にケア労働を押し付ける)、自然破壊、国家権力の溶解を挙げる。これらの領域の問題はしばしば資本主義とは無関係なものとして認知されているが、資本主義社会システムがその根本原因となっている、と本書は述べる。資本主義はそれらに依存することで、問題を引き起こしつつも、それらとの関係を否認する。
    著者は社会主義を鍛え直して、現在の資本主義へのオルタナティブとして提示せんとするが、著者も

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    2024年12月03日
  • クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界

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    資本主義は欲望を作り、富を独占する社会
    これは資本主義の後の世界を求めた思想家、経済学者、IT技術者によるSFチックな世界を妄想し、現実の史上分析からなる創造力豊かな世界を描いた小説だ。「資本主義」とは「私たちの中に欲望を作り出す世界」だから富む者はより富む社会システムであり、人々の間には様々な格差が生じる、と言う。その資本主義が滅びた後、GAFAのような独占巨大資本が失くなり銀行は中央銀行だけとなる。富の分配を公平にする世界が始まり、企業が納税者となり国民は納税の義務はなくなる。よって富の根源である投資・株市場も一変し社員が一人1株、議決権1票を持ち企業、個人を評価することで給与・ボーナスは

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    2024年08月04日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

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    「資本主義の本質を制度化された社会秩序と捉えるとき、経済的なものと政治的なものとを分離することは、秩序のなかの政治的な範囲を著しく制限してしまう。社会生活の多くの面を『市場』の支配に(実際は大企業に)委譲することで、資本主義はそれらの多くの面に向かって、民主的な意思決定、集団行動、公的支配は“立ち入り禁止”だと宣言した。この決定は、集団的に意思決定する私たちの能力を奪い取る。(中略)それゆえ、資本に備わった構造によって、資本主義は基本的に反民主主義だ。」(P.208)

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    2024年07月18日
  • ブレグジット秘録~英国がEU離脱という「悪魔」を解き放つまで~

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    キャメロン首相の身近でブレグジットの一部始終を見ていた人物の回顧録。
    当たり前だが、離脱派に対して否定的で残留派に不都合なことは書かれていないと思われる。
    それを割り引いたとしても、とても赤裸々な内容で臨場感溢れ、面白い。

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    2024年03月20日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

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    題名の通り、資本主義はなぜ私たちを幸せにしないかを歴史的、構造的に明らかにし、それを乗り越えるには難しいが、社会主義社会を作るしかないということである。一気に変えることは出来ない。まず、ケアの復権、自然保護、民主的な自治である。また社会変革のプロセスを民主化していくことである。米国の学者が著したものであるが、現代の日本に当てはまることばかりで、現状についての理解が深まると同時に今は大きな変化の時代であることも確信した。

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    2023年12月14日
  • サイバー戦争 終末のシナリオ 下

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    ネタバレ

    読むまではぼんやりとサイバー戦争の脅威を理解していたが、本書を読むことで、取材ベースでの現実味のあるストーリーと、人に焦点を当てたテーマに触れ、その脅威を身近に感じることができた。
    大なり小なりITないしインターネットに関与する現代人ならば、一度は目を通しておくべき一冊。

    サイバー戦争は以前は技術力が高く攻撃手段を独占していた米国が優位であったのかもしれない。
    しかし、サイバー攻撃手法は個人のスキルとインターネット環境があれば、誰もがチャレンジでき、そして発見された攻撃手法は市場の中で金銭で取引が可能だ。
    つまり、他の通常兵器やNBC兵器などとは異なり、世界の誰もが関与することができ、大国以

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    2023年02月04日
  • サイバー戦争 終末のシナリオ 下

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    読んでいて恐怖というか絶望しか感じない。自分のスマホやネットのサービスに預けた情報は政府やテロリストに筒抜けになっていると思って生活した方が良い。嫌ならすべてのインターネットサービスを解約(データ削除も依頼)し、スマホを捨て、PCを捨て、山で自給自足の生活するしかない。それでも原子力発電所を破壊されたり核ミサイルが飛んでくることまで防げない。本書ではセキュリティで最も弱いのは人間だという。それに異論はないが、「じゃあどうすれば良いのか」という感想しか出てこない。これが絶望でなければ何を絶望と言うのだろうか。

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    2023年01月07日
  • サイバー戦争 終末のシナリオ 上

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    本書を読むと自分が使っているスマホやPCがいかに危険なものなのかが分かる。デジタルツールのユーザーの機密は保たれていないと絶望的な気持ちになる。GAFAやマイクロソフトはセキュリティの強化をしているが、政府機関がスパイ活動などに利用しているセキュリティホールがたくさん存在していることに恐怖した。伴うアンダーグラウンドの経済圏の存在についても恐怖でしかない。あまりにも現実離れした話が続くので逆に現実感がない。一歩引いた瞬間に冷や汗が背中を走る。

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    2023年01月02日
  • サイバー戦争 終末のシナリオ 下

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    サイバー空間での戦争が現実世界に影響を与える頻度が多くなり、近い将来にも大惨事が起こる可能性への警告本だということが、読み進めるにつれ腹落ち。
    便利なネット社会は性善説で造られているが、ダークに落ちた人間にとっては、やりたい放題になる。サイバー空間のバグを米国、ロシア、中国、北朝鮮、その他多くの国が兵器として仕えてしまう根底には、性善説でつくられたネットやアプリを余りにも多くの公共物に使ってしまったことがある。マイクロソフトのバグを使ったエターナルブルーが、米国諜報機関専用のつもりが世界に広がり、米国のインフラを攻撃するのに使われたという簡単な事実から、バグを世間に内緒で兵器として使うことはリ

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    2022年12月09日
  • 140字の戦争 SNSが戦場を変えた

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    法律変わって、ネットの情報を安易に信じて拡散するとあっさり訴えられる時代になりましたね。
    イーロン・マスクのお陰でtwitterの環境が変わってからこの本読みましたが、テロリスト・カルト信者・反政府主義者なんかは、多分この環境にも適応して信者増やそうとするのかなぁとうんざりした気分になりました。
    自分だけは騙されないと考えないで用心しなきゃね。

    追記
    一般社団法人colaboの不正会計問題でホモ・デジタリウスな動きをする人が出てきてますね。

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    2022年11月17日
  • クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界

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    『「あんた。人が痛い目に遭ってるって時に、SF世界の夢物語は贅沢品だよ」聴衆のひとりが叫んだ。「資本主義とSFには共通点がひとつあります」コスタが冷静に答えた。「どちらも架空の通貨を使って、未来の資産を取引することです。たとえそれらのツールがいまだSF世界のものだとしても』―『第一章 現代性に敗北する/コスタ』

    今年一番の刺激を受ける。オルタナ右翼という言葉を最近聞くけれど、それに対抗するのが詰まるところ新オルタナティブ・レフト(差し詰め新・新左翼という感じ?)というか民主社会主義ということであるとすれば、識者が語るその世界は専制的な政治制度に基づく共産主義よりは緩やかな社会主義に基づく統制

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    2021年12月20日
  • ブレグジット秘録~英国がEU離脱という「悪魔」を解き放つまで~

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    [真に問われたものは]欧州だけでなく世界に衝撃を与えた2016年6月のEU離脱を問う英国での国民投票。その内幕を首相側近の立場から目にした人物が記す回顧録です。著者は,キャメロン政権の首相付政務広報官を務めたクレイグ・オリヴァー。訳者は,渡英を経て翻訳業に従事するようになった江口泰子。原題は,『Unleashing Demons: The Inside Story of Brexit』。

    目まぐるしく動いた国民投票の実情を知る上ではもちろんのこと,英国政府とメディアとの関係を理解するためには避けて通ることのできない作品。国民投票をめぐる残留派と離脱派のマスメディアにおける「空中戦」が生々しく

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    2018年01月15日
  • 世界最凶のスパイウェア・ペガサス

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    ネタバレ

    スマホの情報が勝手に盗まれる。恐ろしい世界だが、それが可能になっていて、悪用されている。
    一つの企業を倒しても、ニーズがある限りまた現れるだろう。望ましくないディストピアが現実となっている。

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    2025年10月11日
  • 世界最凶のスパイウェア・ペガサス

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    日本でも少し報道されていたように思ったが、ここまで酷い話だとは知らなかった。
    スマホも、パソコンも信用できない。
    本当にセキュアな製品を出して欲しいものだ。

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    2025年08月27日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

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    資本主義を経済だけでなく、社会ととらえて、問題を提起していた。「人種差別に依拠した収奪」「ケア労働の過小評価」「地球温暖化に代表される自然環境の破壊」「国家権力を骨抜きにする反民主主義」などに分けて、テーマ別に深掘りしていた。どんな社会関係を築いて、集団的に生産した社会的余剰をどのように使いたいのか、自然や将来世代とどんな関係を持ちたいのか、資本家任せではなく、私たち自身で決定したいと思った。

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    2024年10月05日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

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    文章は観念的で長い。くどい。もっと簡潔にお願いしたい。
    段落の頭尾に簡潔な文章があるので、それでなんとか付いていける。
    けど、資本主義が乗り越えるべき壁だということはよく伝わってきた。大変そうだけど、革命といっていいだろう大きな話だろうけど、血も流れるんだろうな、とも思うけれど。そうなるんだろうね。

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    2024年07月14日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

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    タイトルほどには分かりやすくない本文だけど(こっちの理解力不足が原因)、こうした論考が増えてきたのは嬉しい。
    明らかに現在の社会システムは、行き詰まっている。もっと皆んなが幸せになれる社会システムが探究されていい。それこそが社会科学の役割だと思ってる。

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    2024年03月15日
  • 資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか

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    題名は好奇心を誘うもので手に取るも、新書ながらページ数も多ければ語り口も質実で重い。(翻訳に不足は感じない)

    読み終えるのに骨が折れるが、読後感としてはおおよその議論は章立てを振り返ればなんとなく頭によぎるものが残ったように思う。

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    2023年12月02日
  • ネットワーク科学が解明した成功者の法則

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    「努力は必ず報われる!」(但し、良い社会的ネットワークに繋がり社会的に評価される、自分がリーダとして活躍している組織が成果を成すなどの諸条件が重なった場合に限る)

    成功が運ゲー要素もあるが、自分の才能を正しく発揮できる場を探す、社会的ネットワークに属するよう社交場に顔をだす、生産性を絶やさず年齢を言い訳にしないなど成功を引き込む心持ちや指南を科学的な知見から提示してくれる。

    成功が成功を呼び込む「優先的選択」やら、ライバルを萎縮させてパフォーマンスを低下させる「タイガー・ウッズ効果」などおもろい小話にもなりそうなネタがあり、新しい発見も多数。勢いだけの成功本とは一線を画す良書でございます。

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    2023年09月08日