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ソーシャルメディアは21世紀の戦争をいかに変容させたか? パレスチナの戦禍をツイッターで発信し「現代のアンネ・フランク」と呼ばれた少女、スカイプを通じてイスラム国に勧誘されラッカに渡ったフランス人女性などに取材し、情報戦の知られざる実像に迫る。解説収録/安田純平(ジャーナリスト)
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Posted by ブクログ
まぁ難しいですよね。でも、現代の”情報”の在り方を考えるうえでは、とても参考になります。 ロシア・ウクライナ紛争は、あまりに唐突に起こったように見えていて、動機も経過も全然判らなかったのですが、本書を読んで、少し理解できました。 個人的な興味のレベルで流されるフェイク、国家レベルで量産されるフェイク...続きを読む、、、世の中のほとんどのコンテンツはフェイクじゃないかと思うほど、”正しい”情報を得ることは難しくなっています。そんなことも意識しながら現在を生きるしかないのだと、改めて確認しました。
法律変わって、ネットの情報を安易に信じて拡散するとあっさり訴えられる時代になりましたね。 イーロン・マスクのお陰でtwitterの環境が変わってからこの本読みましたが、テロリスト・カルト信者・反政府主義者なんかは、多分この環境にも適応して信者増やそうとするのかなぁとうんざりした気分になりました。 自...続きを読む分だけは騙されないと考えないで用心しなきゃね。 追記 一般社団法人colaboの不正会計問題でホモ・デジタリウスな動きをする人が出てきてますね。
しばらく積読になっていたものを自分の休暇というタイミングで手に取り、その途中でロシアがウクライナに侵攻してしまった。なんとなく感じていたSNSの影響力、それが戦争で果たす役割についてガツンと事例で殴られながら思い知らされる感覚であった。
新しい戦争の正体、それは140字で語られる戦地の個人の叫びに呼応してできる見過ごせない「うねり」。冷徹な政治判断や戦地での作戦が、多くの人の感情的な「いいね」やリツイートによって曝かれるだけでなく、そもそも戦争の作戦として利用されている現実を知らずに、今の世界や平和について語ることはできないと感じた...続きを読む。
本書はソーシャルメディアにより各種紛争がどのように変化していったのかを詳細なインタビューや取材からあぶり出している。 本書で焦点とされたのは ・ガザ地区でのイスラエルとハマスとの紛争 ・クリミア併合におけるロシアとウクライナの紛争 ・マレーシア航空17便撃墜事件の真相 ・IS(イスラ...続きを読むム国)の紛争 ・テロとの戦い―ISとアメリカによるサイバー空間でのせめぎ合い などだ。 現代の戦争はどのナラティブ(物語)が国際的な世論や人々の共感を得ることができるかが最も重要となっている。そのナラティブを発信する最も重要な武器がソーシャルメディアだ。 例えば、イスラエル軍によるガザ地区への空爆の状況を現地に住むパレスチナの少女がTwitterで実況し国際的な世論を親イスラエルから反イスラエルへと変えた。 少女はイスラエル軍の攻撃に対して、写真とメッセージで戦ったのだ。 「生まれてから、三度の戦争を生き抜いてきました。もうたくさんです」 「これはうちの玄関の前で爆撃された車です」 「子どもを空爆してはいけないとただ世界に伝えて」 このようなソーシャルメディアのメッセージによりイスラエル軍は圧倒的な戦力によりガザの戦場では「勝利」したが、国際的な世論では「負けた」のだ。 イスラエル軍もソーシャルメディアの圧倒的な影響力を理解し、軍の中にソーシャルメディア担当者を置きイスラエル軍の正当性を発信した。 「ハマスはガザ地区の住民を人間の盾にしている」 「ハマスは世界中から得た支援金をテロを起こすための地下トンネルの構築の為に使っている」 「ハマスはテロの拠点をわざと病院や学校の近くに設置している」 イスラエル軍はこのようなメッセージを発信するも、担当者は言う「我々がいかにイスラエル軍の正当性を主張しようと、爆撃で殺害された子供の写真にはかないません」。 ソーシャルメディアにより戦争は新たな戦いに突入した。強力な兵器を有する国家が必ず勝つという時代はもう終わってしまい、今はナラティブ(物語)で戦う時代になった。その戦場では、国家同士が戦うのではない。個人同士が戦うのだ、しかも一個人が銃を持って戦うのではない、スマートフォンを持って戦う時代へと変貌しているのだ。 この本で描かれているのはガザ地区やクリミアやシリアと日本人から見れば遠い場所でのできごとかもしれない、ニュースで見るくらいしか名前を聞くことすらないだろう。 しかし、僕たちにとっても決して他人事ではないし、ある意味においては、もうすでに経験しているのだ。 2016年2月に投稿された匿名ブロガーによる「保育園落ちた日本死ね」のブログが国会で取り上げられるほど話題になったのはたったの3年前のことだ。 もちろん、このブログは当時の日本の児童保育環境の悪さを訴えたもので戦争とはなんの関係もないが、このブログのように国民の共感を得られれば、一個人がこれほどの影響を与えることができることが明らかとなった瞬間だった。 しかし、ちょっと想像して欲しい、もし日本が現在戦時下でこのような民衆の声を代弁するような非常に巧妙に作られた偽のメッセージが悪意を持って流布されたとしたら。 この状況が、現在イスラエルやパレスチナ、ロシアやシリアなどでごく当たり前に行われている。 ロシア政府は、偽情報、それこそ『フェイクニュース』をブロガーや一般人を大量に雇って親ロシアなナラティブを大量に生み出しネット上に溢れさせ、イスラム国は心に不安を持つ若者に対して、計算し尽くされた方法でネット上から忍び寄る。 僕たちが何気なく毎日使っているソーシャルメディアが世界を誰も想像ができなかった未来へと変えていっている。 それが僕たちのいるこの世界の現実なのだ。
ガザの少女とイスラエル軍のように章を変えながらそれぞれのナラティブ(語り)を追っていく構成が、一方的なプロパガンダとしての見方とは一線を画し、「ナラティブの戦争、戦争のナラティブ」としての視点を明確にする。 あと、bellingcat は検証作業上有益。
SNSを利用したソーシャルメディアの躍進により、戦争は強力な兵器だけでなく、「言葉」と「ナラティブ(語り)」でも戦う時代に突入した。 そしてその担い手は、国家や既存メディアだけでなく、団体や個人もまたそうなっていく――。 SNS時代の戦争とジャーナリズムを抉る、渾身のレポート。 -------...続きを読む--------------------------------------------------------------------- SNSは個人の情報発信力を伸ばし、良い意味でも悪い意味でも、国家や既存メディアのそれに負けない、または彼らもまたそれを利用せざるを得ない状況を作った。 2024年現在、SNSは、国家から個人まで、マクロからミクロまで、「言葉」と「ナラティブ(語り)」で争い合う大小様々な紛争が四六時中発生する場と化している。 双方が現実の武器で応酬し合う一方、SNS上ではナラティブで応酬し合う。テロリストやカルトが詐欺の手法を利用して、SNS上で相手を誘惑する投稿をし、網にかかった獲物を洗脳し支援者に仕立てる。トロール(支持者や雇い主に都合の良い情報を作成し発信する投稿者ら)がSNSの投稿で情報操作を行い、市民(公民)の意志誘導を図る。 いつ自身が紛争の当事者になるかもしれない現況において、本書は、SNSにどう臨めばいいかを示してくれる――例えば。 "SNS上でのカウンター・ナラティブ(相手へ直接反論する行為)は相手の土俵(アウェイ)で戦うようなもので悪手だ。それよりも、オルタナティブ・ナラティブ(相手のナラティブに取って代わるナラティブ)を発信する方がより効果がある。"
戦争でそれぞれ当自国が正当化するために、個人がSNSでそれぞれ宣伝していくかの事例である。 イスラエルとパレスチナ自治区、ロシアとウクライナまではよかったがISについてはSNSとあまり関係ない勧誘の事件まで入っていた。 どれかひとつ、例えば、ロシアとウクライナについてだけの話でも十分に1冊の本に...続きを読むなるであろう。
ロシアのやってることはずっと変わっていないんだな、と思いました。 逆に今、行われているウクライナの戦争を考えると生き急いでる感じがしてなんで?と思う。
戦争や紛争は今やSNS抜きには語れない。 ただしそこには嘘の情報や、誤った情報、そして一面的な情報に溢れていて、事実を見極めるのが困難になってきている。 虚偽のデータを流すアカウントは削除されるようになってきているようだが、完全には無くせないだろう。アメリカ以外のSNSでは削除もされないだろう。 ア...続きを読むクセス数を稼ぐためだけに派手な情報を垂れ流す輩も数多くおり、ますます事実を見極めるのが難しい。 今こそこの時代に適応した、ジャーナリズムに則ったメディアが必要である。
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140字の戦争 SNSが戦場を変えた
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デイヴィッドパトリカラコス
江口泰子
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