小倉広のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アドラー心理学の代表著書の嫌われる勇気を読んでいたこともあり、本書を読みました。ストーリー仕立てになっていることでさらっと楽しく読める点が良いと思います。
内容的には初めてアドラー心理学に触れるにはちょうど良いと思いました。アドラー心理学の本を何冊か学んでいますが、課題を分離すること、機能的価値と存在価値を理解することなどが良い学びとして残りました。
迷った時には永遠の視点で考えると正しい選択ができるという話はグッときました。確かに近視眼的な考えではなく、どちらの考えが持続可能なのかで考えると本質的に正しい答えに行き着くなと思いました。 -
Posted by ブクログ
audible81冊目。
自己啓発本や学術書は何となくとっつきにくいし、勇気を出して手に取ってみたものの、難しくて結局よくわからず、挫折…
なんてパターンを経験したことがあるひとでも、気軽に入っていけるアドラー入門書かなと思います。
昨今このテの、「ちょっと不思議なキーマンが現れて、主人公にさわやかに訓示し、主人公の生き方や人生が変わってゆく」パターンの本、よく見られる気がします。
この本のように、もしアドラーが上司だったら、なんとなく職場でもっとうまく立ち振る舞えたり、自分を追い込みすぎず、かつ、伸ばしていけそうな気がするものの、
一方で、自分はアドラーのような上司にはなかなかなれそうもないなあと思ってしまいました。
自分はしてほしいのに、自分からはできない。
1番卒業したい思考回路。 -
Posted by ブクログ
漫画で分かりやすいけれど、細かい所は奥深い。相談を聞いているとつい自分の意見やアドバイスを被せがちだが、それは滑る傾聴。
①いい人ぶらず素のままの自分で聞く。
②言葉を聞くな、追体験せよ
③思考を追うな、感情だけを追え。
⭐︎自分の理解が合っているか、「合っていますか?間違っていたら教えてください」と伝え変え返しで確認する。
★パターンに当てはめて決めると滑る傾聴になる
⭐︎上司が部下に「解決策」を示すことはできない。そうではなく「私は部下のことを何も知らない」という姿勢を貫きながら、部下と一緒に考えることが「傾聴」。
⭐︎相談の内容がレポート(要約)ではなく「セリフ」を正確に再現するようになると「感情」が動き出す。
⭐︎助言してもいいのは求められた時のみ。
⭐︎幼少期に、無意識に、心に刻まれ、大人になっても自覚化されていない(信念価値観)は、えてして融通のきかない凝り固まったものになりがちです。一方で、自分にはこのような(信念価値観)があるのだなと、意識化されたときに、それが緩み、柔軟に活用することができるようになる。話し手の(信念価値観)を見つけることが大事。
⭐︎防衛するのをやめて、「素の自分」で得られるように支援する。そのプロセスが傾聴。人間は、誰もが「素の自分」を肯定することができれば、自然と「人間的成長」を始める。
⭐︎感情のボキャブラリーを増やす。「感情の明確化」とは、相手から明示されない「暗黙の感情」を感じ取り推測して言語化し、相手にぶつけて確認して特定させていく方法。そうすることによって相手は自分の感情の探索を始めることができる。
⭐︎決めつけず、押し付けず、謙虚に、遠慮がちに伝えることが大事。「もしかしたら…」を使う。 -
Posted by ブクログ
見開きの前側にアドラーやアドラーの高弟による言葉を提示し,後側にはその言葉に対する解説者による見解,考察を記した本。
このような記述方式のため,実質的な内容はページ数の半分程度と考えても良いと思う。
アドラー自身の考えがどうだったのかは,完全には知ることができないので,さて置くとしても,少なくともアドラーの信奉者である解説者の言葉は少々極端なところが多いので,あまり鵜呑みにし過ぎない方が良いのかもしれないなと感じさせる。
たとえば「目的論」について,フロイトによる「原因論」を否定し,もはや過去の遺物となったとまで記しているが,少なくとも現在の精神医学においては「原因」が完全に否定されているわけではない。
もちろん,原因は原因として存在する"けれども",変えることができない過去に着目するよりも,これから変えていけるところに目を向けた方が良いという考え方が主流になってきたことは事実ではあるが。
推測するに,アドラーの考え方は,あくまでも「こう考えることもできる」「こう捉えてみたらどうだろうか」という提案のひとつに過ぎず,それが真実として全てを規定するものでは無いというのが,実際のところなのではないだろうか。
だからこそ,「心理学」というよりも,実態としては哲学,倫理や自己啓発に類するものと捉えられているというのは,合点のいくところかと思う。
また,先に挙げた「原因論」ではなく「目的論」も該当するが,その他にも,「褒めることは相手を見下すことから生じている」とする考え方など,アドラーの考え方や観点には,「それって鶏が先か,卵が先かというだけの話なのでは?」と感じたり,「単に物事を正面から受け止めようとせずに,捻くれてナナメから見ているだけでは…」と屁理屈に感じたり,釈然としないものも多い。
「褒める」という行為が純粋に,「自分にはできないことをしていて凄い!」という思いから発生していると考えることはできなかったのだろうか。
全体的にはポジティブ心理学なので,性善説により成立していると思われる部分が多いのだが,時折り究極的なまでの合理思考による薄情さが顔を覗かせたりする点も,混乱を生じさせる。
「目的論」は,「精神疾患は自己責任」という論調を助長させかねない面があって,ある種の危険性を感じてしまった。
また,「課題の分離」も,突き詰めていきすぎると,個人主義から利己主義にまで及びかねない危うい面を孕んでいると思うし,アドラー心理学において最も大切とされる「共同体感覚」とは,ダブルスタンダードとまではいかないまでも,接し得ない面が含まれているように思えてしまう。
私はこのようにして抱いた疑問点を,インターネットで検索することで,多少なり腑に落ちる解を見出すことができたが,この辺りにもっと踏み込んで,分かりやすく丁寧に記した解説を読まない限りは解決し得ない疑問が複数に亘って放置されっぱなしになってしまっている「"本書"に対する心情と評価」に関しては,残念ながら下げざるを得なかった。
どうやらアドラー心理学はかなり複雑で,しっかりと理解するためには,このような平易な解説本を1冊読んだだけでは到底足りないようなので,今後も折に触れては知り,学んでいけたら良いなと思う。