朝松健のレビュー一覧
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ネタバレホラーアンソロジー、『異形コレクション 蠱惑の本』に収録されていた『外法経』が前日譚*と言うことで、そっち方面のホラー・オカルトチックな応仁の乱、特に物語冒頭で主人公である骨皮道賢の事を細川勝元が不死身の鬼と評していたため、彼がペルシア渡来の外法の術を使うのかと思っていたが、全然違った。あるいは、応仁の乱東西の首魁である細川勝元と山名宗全が共に外法に憑かれて京を狂気の渦に巻き込むのかと思っていたが、それも違った。この両名は何者にも憑かれず正気で狂気なのだ。ある意味似た物同士。
というわけで、この作品は何を描いているかというと、一つは細川勝元と山名宗全という二人の狂気で様変わりした戦、主人公の道 -
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ネタバレ短編7篇収録。室町時代を舞台にした伝奇小説集。
歴史的には今一つマイナーな(?)イメージを持たれがちな室町時代だが、ここを舞台に著者が小説を書くに至った経緯はあとがきに記されている。
仏教における異端とも言うべき「立川流」が全作を通じて登場し、この作者ならではの衒学的作風と相俟って作品における妖異的要素を担っている。各作品において、主人公や他の人物がそれぞれに放つエネルギーは、一種の凄味すらも見せる。
巻頭の書き下ろしを除く6篇は、これまで異形コレクションに収録されていたもの(つまり殆どが既読)。購入してから気付いたのだが、まとめて読んでみてもやっぱり面白い。 -
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ネタバレ室町時代の臨済宗の僧侶、一休宗純が活躍する時代伝奇もの。作者は「異形コレクション」の短編においても、この有名な実在の僧侶を活躍させているが、今回は文庫書下ろしの長編をその舞台としている。
絶大な権勢を振るった室町幕府の三代将軍、足利義満。彼が臨終の際に漏らした、天下を逆しまにする“ほしみる”。その在り処を探らせるべく、四代将軍義持が遣わせたのが一休だった。そこに、同じく“ほしみる”を狙う邪教立川流の行者や、幕府隠密、くの一らが絡んでくる……。
私の世代ではTVアニメで活躍する賢い小坊主のイメージが強いが、朝松作品に登場する青年僧一休は、頭が切れて腕も立ち、クールでいてどこかに陰を背負うヒーロ -
Posted by ブクログ
歴史小説界に風穴をあけんとする作家集団「操觚(そうこ)の会」による
伝奇時代小説アンソロジー登場!
■朝松健「夢斬り浅右衛門 ――小伝馬町牢屋敷死罪場」
■秋山香乃「草薙剣秘匿伝 ――葛城皇子の章」
■芦辺拓「浅茅が学問吟味を受けた顚末 ――江戸少女奇譚の内――」
■彩戸ゆめ「神楽狐堂のうせもの探し」
■神野オキナ「ころりの木壺」
■蒲原二郎「江都肉球伝」
■坂井希久子「万屋馬込怪奇帖 月下美人」
■鈴木英治「熱田の大楠」
■新美健「妖しの歳三」
■早見俊「ダビデの刃傷」
■日野草「遠夜」
■誉田龍一「血抜き地蔵」
■谷津矢車「生き過ぎたりや」