朝松健のレビュー一覧

  • 邪神帝国

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    ナチスとクトゥルー神話を組み合わせた短編集。

    横山茂雄『聖別された肉体』などナチスとオカルトの関わりは史実。そこにクトゥルー神話が絡む虚実入り混じった歴史物として楽しく読んだ。切り裂きジャックや東欧の吸血鬼も出てくる贅沢ぶり。悲惨な目に遭っても、どうせこいつらナチだしな…と流せる。

    南極探検の末に楽土にたどり着く「狂気大陸」が好みだった。巻末の詳細な注釈がすごい。

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    2025年11月20日
  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー

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    「そうこの会」による妖のアンソロジー。
    色んな作家さんが、ゾクゾク、ゾワゾワさせてくれます。
    どれも面白かったけれど、朝松健さんの『夢切り浅左衛門』、秋山香乃さんの『草薙剣秘匿伝』が特に面白かった。

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    2019年06月22日
  • ちゃらぽこ 真っ暗町の妖怪長屋

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    ネタバレ

    爽快な展開。
    ざっくり言うと、
    妖怪達が、仲間ためす住み処のために大暴れ!です。ある程度展開は読めるんですが、その分安心して読める。それでも一気に読める構成力、筆力が圧倒的。
    メジャーな妖怪があまりいないのも面白い。

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    2013年05月30日
  • 闇絢爛~百怪祭II~

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    著者のライフワークになりつつある「室町伝奇」シリーズの短編集(但し、「一休もの」以外)で、'01年に出版された「百怪祭」に続く第二弾。
    落武者が山中で出会った猟師らと共に遭遇する妖怪「油取り」とは(血膏はさみ)、戦国のメフィストフェレス果心居士が秀吉らの前で見せた幻術(恐怖燈)、権力のまま非道の限りを尽くした六代将軍足利義教が心に抱えた凄惨なる“闇”(荒墟)など、中世の闇を奇想と技巧の贅を尽くして描いた六編を収録。

    間違いなく「面白い」1冊。

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    2010年04月17日
  • 元禄百足盗

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    元禄霊異伝に続く第2作です。47士に魔界からの47因子が憑依し倒幕の尖兵となりエクソシスト祐天と江戸魔界絵図が繰り広げられます。

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    2009年10月04日
  • 妖臣蔵

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    元禄百足盗に続く最終巻です。祐天と魔神・巨旦将来の壮絶な戦い伝奇時代劇ついに完成です。この後、作者は室町時代を背景に多く作品を出しています。一休禅師シリーズは有名です。必読です。

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    2009年10月04日
  • 血と炎の京 私本・応仁の乱

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    ホラーアンソロジー、『異形コレクション 蠱惑の本』に収録されていた『外法経』が前日譚*と言うことで、そっち方面のホラー・オカルトチックな応仁の乱、特に物語冒頭で主人公である骨皮道賢の事を細川勝元が不死身の鬼と評していたため、彼がペルシア渡来の外法の術を使うのかと思っていたが、全然違った。あるいは、応仁の乱東西の首魁である細川勝元と山名宗全が共に外法に憑かれて京を狂気の渦に巻き込むのかと思っていたが、それも違った。この両名は何者にも憑かれず正気で狂気なのだ。ある意味似た物同士。
    というわけで、この作品は何を描いているかというと、一つは細川勝元と山名宗全という二人の狂気で様変わりした戦、主人公の道

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    2023年12月31日
  • 血と炎の京 私本・応仁の乱

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    室町無頼で今までノーマークだった室町時代に興味が出て読むことに。

    骨皮道費は湖族、堅田衆の若頭・通武との設定。
    残念なことに蓮田兵衛は出てこなかった。

    他の室町時代、応仁の乱の話を読んでみたいけど少ない。やっぱり他の時代に比べると歴史的なヒーローが少ないし、人気がないのかな。

    鎌倉時代、戦国時代より血生臭い、ものすごい時代だったという迫力が伝わってくる。

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    2023年11月28日
  • 血と炎の京 私本・応仁の乱

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    【胸焼けのする戦】

    これまで気になる武将から読む本を選んでたんだけど
    戦国時代の始まりと言われる
    応仁の乱をテーマにしたものを読んでみようと
    思ったのが選んだきっかけ。

    思惑や欲望が渦巻いてぐっちゃぐちゃ。
    今までは
    やれ○○曲輪が〜とか
    本丸が〜とか
    地形を利用して○○の陣形〜とか
    そういう戦略的な戦を描いたものを読んでいたので…
    霹靂車(投石機)が登場すると、

    戦の様子が今までと様変わりして
    読んでるのもしんどくなってくる。
    まさに胸焼け。

    「これは俺の知っている戦ではない」

    最終的には骨皮道賢Forever

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    2023年02月26日
  • 金閣寺の首

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    陶器の耳と口が"嬉しやの。吾が耳がの"と不気味に囁く「若狭殿耳始末」。

    世に言う山口の大内文化「「西の京」戀幻戯」。

    村田珠光と一休の邂逅「侘びの時空」。

    一休の回想を挟み、美作国津山で"蠅声なす邪しき風津主神"とやらの神留封印破りを阻止する「生きてゐる風」。

    信貴山城の天守で首化粧に勤しむ姫君達のドタバタ「首狂言天守投合」。

    人を従える椿の話「立華・白椿」。

    足利15代に祟る「ぬっへっほふ」。

    室町伝奇に一休シリーズを挟むセンスはさて置いても、実は地味じゃない「室町時代」が掘り出し物。
    朝松健、唇フェチか⁉︎ グロいよお。

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    2017年09月16日
  • ちゃらぽこ 真っ暗町の妖怪長屋

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    朝松健先生が、「ほのぼの妖怪コメディ」を書いたと思ったら、実は「妖怪大戦争」だったでござる。

    作者のキャリアを考えると当然なのですが、「悪の陰謀描写」「人間対怪異アクション」が実にしっかり描かれており、実に地のしっかりとした「アクションコメディ」になっています。バランスも絶妙で、近年の作品の中では、エンターテイメント性において一番好きな作品かもしれません。

    勿論、コメディとしても面白い。第一章衝撃のラストには心底笑わせていただきました。

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    2012年10月15日
  • 百怪祭

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    短編7篇収録。室町時代を舞台にした伝奇小説集。
    歴史的には今一つマイナーな(?)イメージを持たれがちな室町時代だが、ここを舞台に著者が小説を書くに至った経緯はあとがきに記されている。

    仏教における異端とも言うべき「立川流」が全作を通じて登場し、この作者ならではの衒学的作風と相俟って作品における妖異的要素を担っている。各作品において、主人公や他の人物がそれぞれに放つエネルギーは、一種の凄味すらも見せる。
    巻頭の書き下ろしを除く6篇は、これまで異形コレクションに収録されていたもの(つまり殆どが既読)。購入してから気付いたのだが、まとめて読んでみてもやっぱり面白い。

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    2012年03月16日
  • 一休暗夜行

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    室町時代の臨済宗の僧侶、一休宗純が活躍する時代伝奇もの。作者は「異形コレクション」の短編においても、この有名な実在の僧侶を活躍させているが、今回は文庫書下ろしの長編をその舞台としている。

    絶大な権勢を振るった室町幕府の三代将軍、足利義満。彼が臨終の際に漏らした、天下を逆しまにする“ほしみる”。その在り処を探らせるべく、四代将軍義持が遣わせたのが一休だった。そこに、同じく“ほしみる”を狙う邪教立川流の行者や、幕府隠密、くの一らが絡んでくる……。
    私の世代ではTVアニメで活躍する賢い小坊主のイメージが強いが、朝松作品に登場する青年僧一休は、頭が切れて腕も立ち、クールでいてどこかに陰を背負うヒーロ

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    2012年03月16日
  • 血と炎の京 私本・応仁の乱

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    応仁の乱は、最終的にすっきりとした形で収束しなかったが故に、後々まで語り継がれる武将などが出てこなかったのではないかと思うが、それぞれの戦いにフォーカスすれば、それぞれにドラマがあり、また人物がいたと思う。
    骨皮道賢も情報が少ないが故に、色々想像が膨らむ所ですが、名前の伝承という所は中々面白い。

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    2024年11月01日
  • 邪神帝国

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    クトゥルーづいてしまって、積読状態の作品を読む。

    ナチスとクトゥルーの組みお合わせは史実の色々な事件から膨らませると組み立てられて(インディージョーンズもそうだった)面白い設定なのだけど、うーん。文章が漫画っぽいのだろうか、説得力にかけるというか、恐怖感が感じられなかった。恐怖ってむずかしい。

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    2021年02月03日
  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー

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    歴史小説界に風穴をあけんとする作家集団「操觚(そうこ)の会」による
    伝奇時代小説アンソロジー登場!
    ■朝松健「夢斬り浅右衛門 ――小伝馬町牢屋敷死罪場」
    ■秋山香乃「草薙剣秘匿伝 ――葛城皇子の章」
    ■芦辺拓「浅茅が学問吟味を受けた顚末 ――江戸少女奇譚の内――」
    ■彩戸ゆめ「神楽狐堂のうせもの探し」
    ■神野オキナ「ころりの木壺」
    ■蒲原二郎「江都肉球伝」
    ■坂井希久子「万屋馬込怪奇帖 月下美人」
    ■鈴木英治「熱田の大楠」
    ■新美健「妖しの歳三」
    ■早見俊「ダビデの刃傷」
    ■日野草「遠夜」
    ■誉田龍一「血抜き地蔵」
    ■谷津矢車「生き過ぎたりや」

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    2019年08月06日
  • 一休闇物語

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    ネタバレ

    室町時代は源平の争乱と信長秀吉の天下統一とにはさまれて、ドラマにもほとんどならず、知らないことが多い。かわいい頓智の一休さんとはあまりにかけ離れたhero一休だが、このシリーズを追いかけてみよう。

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    2016年07月16日
  • 大江戸もののけ拝み屋控 ろくヱもん

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    ろくヱもんは妖怪・魔物・崇り神まで何でも祓う凄腕の祓い屋
    魔天屋敷を行き場のなくなった妖怪達とシェアしている。
    なんてイマドキな暮らし方なんだぁ~
    ご飯を作ってくれる妖怪がいるなんて、妖怪アパートみたいだ。
    そして、夢のお告げで出かけて行った先で、娘の守護神だった
    猫神をひっぺがしてしまったことで、妖怪退治をする事になるのだが
    ともかく猫神の「ちま又」が可愛い。
    手乗り猫を懐で飼ってみたいわぁ~(^◇^;)
    軽くて読みやすいので気分転換にいいかも。

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    2015年04月02日
  • 百怪祭

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     「魔蟲伝」「水虎論」「小面曾我放下敵討」「豊国祭の鐘」「かいちご」「飛鏡の蠱」「『俊寛』抄―または世阿弥という名の獄―」の7編を収録。いずれも中世後期~近世初頭を舞台とし、真言「立川流」を下敷きにした伝奇色の濃い時代小説である。この中では「『俊寛』抄」が格別に優れている。

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    2013年08月06日
  • ちゃらぽこ 仇討ち妖怪皿屋敷

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    前作よりコメディ色が増した感じ。実に愉快に読むことができました。

    そしてまた第一章のオチはもはや恒例になってしまった感があって笑った。

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    2013年02月18日