菊地成孔のレビュー一覧

  • 別冊NHK100分de名著 フィクションの超越者 筒井康隆

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    NHK100分シリーズで、対象が筒井道隆、評者も個人的に気になる面々となると、これは読まない手はないわな。で、改めて本サイトで既読の筒井作品を確かめてみると、なんとまあ少ないこと。本書で取り上げられているものも、殆ど未読のものばかり。これはいけません。まずは積読状態にあるものから。

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    2025年08月07日
  • 歌舞伎町のミッドナイト・フットボール -世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間-

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    ネタバレ

    なんでこの本を「読みたい本リスト」に乗せたのか思い出せない。
    サッカー本でも読みたい気分だったのか?
    タイトルのフットボールとは、歌舞伎町の客引きたちの腕を、アメリカンフットボールの選手のようにひょいひょい躱してゴールする(ホテルに帰る)こと。
    サッカーではありませんでした。

    で、ジャズや映画や精神分析など、興味はあるけどまったく詳しくない分野の話は、とてつもなく難しかったのです。
    言葉の意味は分かるのに、文章になると意味が読み取れない。
    零れ落ちた意味をひとつひとつ拾い集めるように読むのは大変でしたが、面白くもありました。
    そして、自分でつけた付箋すら、なぜそこに貼ったのかわからなくなると

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    2023年06月07日
  • 次の東京オリンピックが来てしまう前に

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    真・女神転生をやったことのある人はご存知かもしれないが
    退行というものには二種類あって
    すなわち、カオスへの退行と、秩序への退行である

    東京オリンピック招致を決定したとき
    石原慎太郎はこんなことを言った
    「歌舞伎町を浄化する」
    「あんな三国人だらけの街」
    「世界じゅうのお客様に見せられますか」
    そこから菊地成孔さんの退行が
    限定的・抑制的にせよ、開始されたのかもしれない
    歌舞伎町在住で、歌舞伎町をこよなく愛する彼が
    いくら菊地秀行の弟だからって
    「魔界都市じゃねんだぞ」
    なんてことはさすがに言わないだろうけど
    おそらくはその退行により
    オリンピックがロクなことにならない未来を幻視した

    それ

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    2022年01月13日
  • M/D 下

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    「ミスティフィカシオン」とか、そういうオレオレ用語がすごい気になった。何語?! 下巻は、おそらく著者の意図とは違ってマイルスがどんどん大したことのない奴に見えてきて面白い。けっこう張り子のトラで、ジミヘンとスライになりたくて『ビッチェズ・ブリュー』『アガルタ』『パンゲア』を生み出し、プリンスとマイケルになりたくて後期の一連の作品を生み出した、というのはけっこう実感として納得。ただ、『デコイ』のソロなんか聞くと、そんなに廃人には思えないんだよね。これも録音マジックなの?!

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    2021年11月15日
  • 東京大学のアルバート・アイラー : 東大ジャズ講義録・キーワード編

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    確かに前編と比べると難しかった!特に最後の講義。ただ、常識を疑えと言うアティチュードも含めて、最後の講義のためにこの授業があったのだということも心から納得。

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    2021年05月25日
  • 次の東京オリンピックが来てしまう前に

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    この人ってやっぱ享楽主義者って感じがするなぁ。トランプ支持についても色々小難しくレトリックにレトリックを重ねて書いてるし、その件でSNS上に於いて紛うことなき現代的な炎上をしていたけど、結局「なんか面白そう」みたいな理由で支持してるに過ぎないんじゃないかと思うんだよね。2度目の東京オリンピックに批判的なのも「失敗したら面白いなぁ」みたいな、当事者意識のない好奇心からその立場を標榜しているんじゃねえかな。

    とはいえ、文章自体はめちゃくちゃ面白い。好きだ。爆笑した記事もある。川島小鳥さんの表紙もめちゃくちゃ好きだ。部屋に飾っておきたい本。アイーン。

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    2021年03月07日
  • 歌舞伎町のミッドナイト・フットボール -世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間-

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    ワタシが愛聴しているラジオ番組『粋な夜電波』のパーソナリティであるジャズサックス奏者・菊地成孔氏が書いた一冊。
    ラジオでは、歌舞伎町在住であるからこそ話せるようなWBO話(悪くてバカで面白いヤツらの話)が最高に面白い。そこで、そんなノリを期待して今回その著書に手を伸ばしてみたのだけれど、その結果は期待以上の面白さだった。ただ、それはWBOなノリが期待以上だったということではなくて、氏の深さ(教養、雑学、経験、など)と文筆家としての才能がよく分かったという意味で期待以上だった。本人曰く「書きとばした」ものばかりとのことで、音楽評、講義録(氏は私塾を開講していて、東大で講義を受け持った経験もある)

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    2018年11月18日
  • スペインの宇宙食

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    新宿歌舞伎町のコントめいた話やあっけらかんと性的雰囲気に身を任せるラジオを聴いて、
    面白い人だなぁと思ったので、読んでみた。

    読みながらDCPRGやスパンクハッピーの音楽も聞いたが……
    音楽面で好き! といえるのは、「Vendome,la sick KAISEKI」くらい。
    あの曲は歌詞も雰囲気も歌っている姿も、すべてが衝撃だった。
    (チャイナドレスの瞳ちゃんとスケベな中年親父のセクシュアルなデュエット。)

    さてこの本は、上機嫌と饒舌とビザールと悪趣味と趣味とグルメとファッションと人形のような女の子があふれた、優れたエッセイ集だ。

    決して文章が練られているわけではない。

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    2016年07月13日
  • 東京大学のアルバート・アイラー : 東大ジャズ講義録・歴史編

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    東大(前期課程)教養学部での菊地によるジャズに係る講義を記録し出版したもの。

    「テスト」のときに話した「批評とは」という話が印象的。客観的な(外からの)情報・知識と、自己の(内面からの)感情との相克を、文章としてねじ込むこと――それが(菊地のいう)批評。どちらかだけ、ではダメなのだ。

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    2015年01月06日
  • 服は何故音楽を必要とするのか?

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    私の十年来大好きなスパンクハッピーが表現していた世界観の一端を感じられました。
    あー、こーゆーことだったのか、って。

    エレガンスに共存するエロティシズムの抑制。
    その甘美な世界は、私をずっと悩ませます。

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    2014年09月11日
  • M/D 上

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    持っているのは文庫ではなく(ご本人曰く)レンガのようなハードカバーの本です。

    まず装丁の美しさは、持っている本の中ではダントツかもしれません。

    読み応えは十分。

    楽器や音楽の経験があったほうがのみこみやすいかもしれませんが、そうでなくてもジャズの巨星MD(マイルス・デイビス)がより面白く、そして身近に感じられることでしょう。

    星が一つないのは、本が厚いので、寝ながら読んだり、読書の場所が悪いとせっかくの美しい本を破壊しそうで怖いからです。

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    2014年03月31日
  • 憂鬱と官能を教えた学校 下

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    記号音楽史をアナロジーとしたポストモダン思想書、として、最後のところは結構感動させる。
    菊地さんの精神疾患は神の恩寵だったのかもしれない。(ていうのはユング的)

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    2013年09月23日
  • 憂鬱と官能を教えた学校 上

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    「何をいまさら」という言われようには抵抗力がある方で、「何をいまさら精神分析?」でも「何をいまさら実存主義?」でも一向にへっちゃらだが、「何をいまさらバークリー?」と来られるとちょっと痛いかもしれない。
    そういうことを重々承知で作られている本だと思うので、ポスト・バークリーの理論書を期待したい。
    ペン大の教科書というのはそうなのかな?

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    2013年09月17日
  • 服は何故音楽を必要とするのか?

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    菊地さんの本はいつも現代思想書といて読んでいて、それは他の誰よりもジジェクよりも東浩紀よりも断然そうで、いくら学術的概念やジャーゴンは持ち出さないと言っても、デザイナーやミュージシャンの散りばめられたら名称が、それじたいシンボル化されてすでに凄まじい現代思想なのである。
    ファッションショーという摩天楼の最上層にのみ存在する(らしい)幻想の世界の空流を埋めつくすサウンドと天使たちの歩行の関係とは何か。
    これはやっぱり時間論でありエロス論である、ということは哲学史上の最重要課題への取り組みなのだ。
    菊地さんを聴くたびに、読むたびに浮かんで来るのは夜の都会の曳光だ。これはやっぱり思想である。

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    2012年12月15日
  • 東京大学のアルバート・アイラー : 東大ジャズ講義録・歴史編

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    東大で行われた、伝説のジャズ歴史講義録。
    様々な音源と共にジャズの歴史を辿るが、回を重ねるごとに東大生以外のモグリが増えていくのも、納得のカリスマ講義!

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    2012年10月04日
  • JAZZDOMMUNE

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    あまりに面白く、貪り読んでしまった。
    内容は菊地氏と大谷氏のドミューン出演時の活字化なんだけど、二人の音楽知識は言うまでもなく高し、音楽好きが伝わってくる度も高し、めちゃくちゃに音楽をかける度もかなり高し…て感じで、色々な点数が高いです。
    たぶん活字になって理解できる部分も多分にあるので、無料のネット中継を今一度活字化して販売、という倒錯感もあまり無かった。少なくとも自分のような音楽素人にとっては。

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    2012年04月18日
  • 東京大学のアルバート・アイラー : 東大ジャズ講義録・歴史編

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    この本は、音源を聞いてこそ意味がある。Jazzはもちろんブルース、ファンク、モータウン、ロック、現代音楽、クラシックと幅広く膨大なので音源を集めるのに苦労したが、Jazzへの理解が深まったことはもちろん新しい音楽との出会いを作ってくれたことに感謝。それにしてもコルトレーンの鈴には笑った。

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    2012年02月25日
  • M/D 下

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    東大での講義録を元にした濃密に饒舌なマイルス・デイヴィス評論。
    菊地&大谷コンビの語り口が好きで読むべき本であって、間違ってもこれでマイルス入門しようなんて軽く考えて読み出すと痛い目を見るよ。

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    2012年01月11日
  • スペインの宇宙食

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    菊地成孔に惹かれる理由の一つは、彼のように真っ向から受容し格闘しつつ生きることができなかった自分自身の"あの時代”への郷愁と悔恨のせいだ。わけのわからない憂鬱と焦燥に覆い尽くされたアドレセンス。わずかな救いは遅れて生まれてきたことを嘆きつつ前時代への憧憬に浸ることで、ジャズ喫茶と映画館がシェルターだった。したがって菊地のダブ・セクステット=マイルスの60年代、DCPRG=70年代という符牒が21世紀の妄迷にジャスト・ミートしてしまったのだろう。欲求不満の地点への退行、固着だ。
    80年代のマイルスは不思議な機械装置のようだった。その裏返しがウイントンで、どちらにも興味が持てず古いR&a

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    2011年12月23日
  • 歌舞伎町のミッドナイト・フットボール -世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間-

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    “記録”色が強め。アンセルメとジャリがお気に入り。あえて触れると、クールホイップ~は全然感心しなかった。

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    2011年09月09日