あらすじ
パリ、ミラノ、東京のファッション・ショーを、各メゾンのショーで流れる音楽=「ウォーキング・ミュージック」の観点から構造分析する、まったく新しいファッション批評。パリコレ以後を増補。
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Posted by ブクログ
文章としては読みやすくもなく、タイトルに期待する評論的な面白さはあまり無い。しかし、ファッション業界人ではない謂わば素人の著者が、当時のランウェイを鑑賞し赴くままに書いた文章というだけで非常に価値があると感じた。雑誌や動画で当時を振り返るにも、現代的な目線のバイアスはかかるので資料的価値が生まれてきている本だと思う。
Posted by ブクログ
私の十年来大好きなスパンクハッピーが表現していた世界観の一端を感じられました。
あー、こーゆーことだったのか、って。
エレガンスに共存するエロティシズムの抑制。
その甘美な世界は、私をずっと悩ませます。
Posted by ブクログ
菊地さんの本はいつも現代思想書といて読んでいて、それは他の誰よりもジジェクよりも東浩紀よりも断然そうで、いくら学術的概念やジャーゴンは持ち出さないと言っても、デザイナーやミュージシャンの散りばめられたら名称が、それじたいシンボル化されてすでに凄まじい現代思想なのである。
ファッションショーという摩天楼の最上層にのみ存在する(らしい)幻想の世界の空流を埋めつくすサウンドと天使たちの歩行の関係とは何か。
これはやっぱり時間論でありエロス論である、ということは哲学史上の最重要課題への取り組みなのだ。
菊地さんを聴くたびに、読むたびに浮かんで来るのは夜の都会の曳光だ。これはやっぱり思想である。