菊地成孔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
vendome, la sick kaisekiを聴き倒していた時期があって、しかもそれはそれほど遠くない過去のことであって、菊地成孔という人物には興味がそそられたものの深く知りたくないという恐怖めいた自己暗示があったためにgoogleで検索すらしなかったくらいだ。でも、どうしても活字が読みたくて駆け込んだ書店で、すごくきれいに装丁された『スペインの宇宙食』を目にして、それが菊地成孔が書いたものだと知ったとき、これは読むしかないと思ったのだけど、その日は購入せずに店を出てしまい。その翌日、いてもたってもいられなくなって、またも書店に駆け込んでしまった次第。そういうわけで、わたしにとって本格的な菊地成孔デビューが叶ったわけで。ああ、こういう風にして菊地成孔はできあがっているのか、と納得しつつ、自分の中のタガが外れてしまったみたいで貪るように文章を追ってしまった。おもしろいなぁ、このひと。spank happyの魅力を教えてくれた友人に感謝しつつ、でもいずれ書店でこのひとに出会う運命にあったんだと心の何処かで思っている。
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Posted by ブクログ
世代が近いので、全篇「あるある」状態。
ただ、私も音楽やってたけど、
ここまでハードな方々はいませんでしたよ。
これはジャズとニューウェーブの違いなのか…
何が楽しいって、この本の妙なテンションとご勝手な自己分析。
しかもかなり中二男子的。
それがフレンチのジビエだの菊乃井の懐石だの言ってるところが、
もう、切なくも堪らない気持ちにさせます。
結局ぐだぐだと積み上げた論理が、女子の一言で崩壊する様…
もう、ご愁傷さまです、としか申し上げようがありません。
んー、例えて言えばジャズ界の宇多丸@ライムスター、
って感じかな。表現形態は180度違うけれども。
宇多丸の映画評、J-POP評が好きな方には「おススメです」。
2009.0410-15 -
Posted by ブクログ
ジャズってなに?と聞かれるときっとその魅力を理解している人ほどにその返答に窮する。あまりにも多くの要素を含みすぎた上にアカデミズムとフィーリングの世界の狭間、はたまた過去、現在、未来の時の狭間で揺れ動き、あるいは伝統の積み重ねの上に同時進行する伝統の破壊にこそその神髄があるとでも言えてしまったりもするような、なかなかにその正体を捉え難い音楽(つまりとても音楽らしい音楽でもあると個人的には思うわけですが)というのがその性質でもあるはずだから。その上にこういう実情もきっとある。例えば、日本のジャズ喫茶文化は往年の勢いを失ったジャズシーンをアンダーグラウンドで支え続け今にいたらしめる非常に重要な役割もきっと担いつつも、ジャズをジャズたらしめていたはずの(故に彼等がジャズを愛したはずの)新しい地平を切り拓かしめるためのパワーをいつの間にか奪う役割をも一方で担い始めてしまうに至り、つまり、そこをいつの間にか支配するに至り始めたのは、伝統の革新よりもむしろ伝統の保護ばかりに重きを置くかのようなノスタルジズムの色を濃くしたかのようなムードでもあり、必然の流れとでも況わんや、そのシーンから発信されるのはアンコンテンポラリーなニオイをまとうに至ってしまった薀蓄。果たしてジャズと呼ばれた音楽のある種のフォーマットはまだ見ぬポテンシャルとか可能性を様々に秘めていることをそのもの自体としては示しながらも、かつての名残でしかなくもあるはずのステレオタイプなイメージの枠にはめ込まんとするかのようなプレッシャーに、そのシーンの外側からも内側からも晒され続ける憂き目を見てきたとも言えてしまうのではないだろうか。本書はそう言う状況に対してのアンチテーゼを高らかに唄うものではないけれど、ジャズのポテンシャリティを強く信じるが如く、そして深刻ぶらないためのユーモアも交えながら、シーンからリスナーに向けて投じられている一石のような印象を受ける。まあしかし菊地さんはやっていて楽しいことを好きなように続けていくためにご自身の立場から必要に思えたり、やれそうに思えること、やりたいことなんかを楽しみながらなさっているだけなのかも知れませんが。紹介されている音源も用意しながら読みたくなる一冊ですが、テンポの良い語り口は読んでいるだけでも充分に楽しめるように思います。著者のジャズとか人間の存在とかへの愛情を感じさせてくれる一冊でもあるように思います。てか菊地さんってばホント物知り!w