平山夢明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恐怖について、アカデミック?に考察してみたのが本書。
著者の小説が大好きで大体の作品を読んでいる。作品を生み出す中で使った手法についても語られているし、映画、本など恐怖を題材にした作品の解説もありとても興味深く拝見させて頂いた。
平山さんの最近の作品『ダイナー』でも、あたかも読者である自分が、登場人物が遭遇してしまう暴力の嵐を受けているかの如く感じてしまう。そのへんのテクニックについても触れられている。
自分自身、怖いことは嫌いだし、お化け屋敷も絶対に入らない。それでも、恐怖を感じる小説を読み始める自分がいる。そのへんの心理については、後半の精神科医の春日武彦さんとの対談で、意見交換されている。 -
購入済み
細かいことは忘れろ
個性的な殺し屋達が繰り広げるスピーディなストーリーは読んでいて気持ちが良い。
とにかくテンポとノリのいい作品。
ただその分、細かいツッコミ所があちこちに見られる。
そういった細かい不整合が気になる方にはあまりオススメできない。
反対に、余計なことを考えずにテンポやキャラクター、ノリを楽しみたい方にはオススメ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ藤原竜也さん主演で映画化し、えらいCMで推されていたので、ググったら原作は小説で漫画版も出ているとあり、試しにヤンジャン!アプリで3巻まで無料という宣伝文句を見つけて試し読みし、まあ既刊購入までしちゃいました。
漫画版と原作の小説版と映画版で展開が違い、映画はまだ観ていないのですが(動画サービス展開されるまで待つか映画館に行くか悩んでいる最中)個人的に漫画版のほうが好きかな……。
救いがあって。
原作では死んだ人間が、漫画版だと生きているんですよ。かつ、原作にはいないキャラクターがいい味出してるw
で、性格的にけっこう好きなひとたちだったので、原作ではどっこいあっさり殺されてハァーン!?ってなっちゃいましてね、だから個人的に、漫画版は好きです。
多少画力に荒さはあれど、それは今後成長していくでしょうし。
あと、ボンベロの過去がきっちり描かれるのも、漫画版ならでは。
悪役の過去とかイメージ崩れる!みたいなの、ありますけどね、それはまあほら一切合切何もかもを闇に帰すほどの悪役に実はこんな過去が、ってあるとえぇーーってなりますけども、ボンベロは一応、カナコと関わっていって、徐々に人間らしくなっていっている最中って感じなので、イメージが崩れるとかそんなんは無いかなぁと。
スキンも壮絶な過去がありましたし。
あっあと、漫画版だと色々な料理を出してくれるボンベロなんですが、原作だとハンバーガー一点のみで勝負しています。
炎眉の名前、なんでエンビなのかなぁとか思っていたんですが、カオスとアンヘルの物語の際に、エンヴィーって書き方になっていて、あぁ嫉妬のEnvyから取ったのかな?とかぼんやり。 -
Posted by ブクログ
非常に秀逸な新書。
本書は作家である筆者が描いているため、新書の立ち位置が非常に理解されている。「面白い」「分かりやすい」「なんだったら役に立たないけど興味が湧く」この3点を完全にカバーしている。
精神科医?の春日氏との対談も非常に興味深い。春日氏は不安に取り憑かれる性分だと明かし、以下のように語っているがとても共感を覚えた。
「不安を持っていないような奴はバカだ」と開き直り、不安を抱えていることによって生じる「ある種の緊張」が、大きな不幸を防ぐバリアの役割を果たしている(略)との説も納得できる、というかそのように自分を納得させた。
対談でのドラッグに対する見識も面白い。ドラッグは視覚や聴覚に作用して嗅覚方面にはいかない。、、、など掘り下げればもう一冊新書が書けるのでは?
ヒトの妄想にもバリエーションが知れてる、「ただの人」が思いつくものに大したものはないなんて、掘り下げて欲しいなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『独白する〜』以来の短編。相変わらず上質なエログロ濃縮還元ミックスジュースのごとき味わいで、惚れ惚れしてしまいまいした。中でも、平山流地獄変『枷(コード)』の凄まじさは格別。狂気と人類愛は同時に存在するとき、最大の奇跡は起きるのです(それが素敵なものかは置いておいて)。他にもゲロ臭の中にただよう一筋の希望にこちらまで鼓膜がつんとする『それでもお前は俺のハニー』、海外ホラー映画でおなじみ「幽霊屋敷」を昇華させた『或る彼岸の接近』は実話怪談出身の平山夢明ならでは。彼が繰り返し作品で描くのは「どん底・キ印・クズが行き着く先で見つける人間らしさのかけら」だと思うのですが、それまでのプロセスの異様さ、バラエティの豊かさがすごい。『それでもお前は〜」の夥しい数の黒電話とか、視覚的なインパクトがすごい。
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Posted by ブクログ
他人を驚かせることが好きだ。もちろん賞賛をもらうためのものではなく、怖さを与える意味で、だけど。
じゃあ、怖さってなんだろうか?って考えたときに、すぐに思い浮かぶのが、幽霊などの非現実の怖さと、人間の心の闇みたいな、現実的怖さ。
後者の方が苦手で、だから前者の方で他人を怖がらせる。
この本によると、ホラー小説を書くときに作者が表現するのは、自分にとっての怖いもの。読んだ後どう感じるか、作者からしてみれば、”どう感じさせるか”。
それがホラー小説の醍醐味だそうだ。
なんだかシステムのバックドアを見たような、恐怖小説の核心に触れた気がした。 -
Posted by ブクログ
面白かった!
なぜ恐いものをみたくなるのか、どの部分に面白さを感じてるのかなどがこちらに話しかけてるみたいな文章で書いてあったので学術書みたいな硬い感じじゃなくて読みやすかった。
私は日頃そんな些細なこと不安に思わなくてもいいのにというようなことまで不安に思って思いつめて体調ガタガタになる程度には不安と常に隣り合わせで生きているので、恐怖より不安のほうがやっかいでコワイ、というような説はすごい頷けた。
明確な恐怖はそれはもちろん嫌だし怖いんだけど、明確になった時点でどう対処しようとかどう立ち向かおうとかもしくはあぁもう無理だ諦めちゃおうなんて案外腹くくれる気がする。気持ちの上ではさっぱりするというか。もちろんめちゃめちゃ怖いんだけど。
不安はジワジワ真綿で首を絞めるような感じだし明確な対処法が思いつけないし、思いつけたとしても不安が恐怖に変わるまでは実行できなかったりして生殺し状態。しかも自分で不安をどうにか克服しないうちは永遠にまとわりつく。
本書に書いてあることと似たようなことを書いてしまったけれど、この点について書かれていたことがそれだけ嬉しかったというか気持ちがスッとしたというか…。
ホラー小説の書き方も解説してあってなるほどなぁと。
ただ怖いシーンだけバンバンだせばいいってもんでもないんだなぁ。
このへんの話は、これから小説を書いていきたいと思ってる人にはそれがホラーじゃなくても役に立つようなことが多そう。
ホラー映画、小説についてもいろいろと例に出して書かれていたのでみてみたくなった。
ホラー映画わりと苦手なのにそう思えるっていうのはやっぱり紹介や説明の仕方がうまいんだろうなぁと。 -
Posted by ブクログ
昔から怖い話が好きで、最近だとネットの洒落怖や、春先に発売された「日本現代怪異事典」を読んで楽しんでいる。
なんで怖い話が面白いのか?自分でも時々考えたりしているので、本書を本屋で見かけた時に飛びついた。
本書で個々に紹介されるエピソードはどれも面白いが、恐怖の構造については、概ね次のように整理されている。
- 不安と恐怖は違う。
- 不安は漠然としていて、恐怖は具体的。
- 物語は、不安で始まり、恐怖が克服されてカタルシスを得て終わる。
本文よりも、対談部分の方が、この辺がクリアに述べられている。
この整理に、個人的にすごく疑問が残った。
どちらかというと、私はカタルシスの得られない、後味の悪い話が好きだからだ。カタルシスを得たいのであれば、怖い話である必要はないと考える。
以下、酒を飲みながら、怖い話の構造について考えてみる。
怖い話は、だいたい口承で伝えられることが多い。口伝えで伝わる話は、少しずつ元の話と変わって、形成される。文字が発生する以前の物語や神話も、こうしたプロセスで生まれる。
こうしたプロセスで生まれる物語は強いパワーを持つ(と、「クリエイティブ脚本術」に書いてあった)。
都市伝説とかの類が、妙に心に残るのは、こうした理由に起因すると思われる。
怖い話も神話も、同じプロセスで生成されているので、同じ目的、つまり世界を理解するという目的、を持っていてる可能性がある。
理解できない不安や恐怖を理解したり、未然のリスクとして認識するための物語、ネガティブな方向に振り切った神話、それが怖い話の本質ではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
平山さんの10篇からなる短編集。
いやぁ、笑った笑った。
「反吐が出るよなお前だけれど……」は平山さんの悪口雑言の真骨頂ともいえるほど口汚い言葉の応酬で声出して笑いました。
「悪口漫才」はカホルのうだうだと先延ばしにする様子に哀れさを感じた。
そして最後の一行にぞっとする。
「チョ松と散歩」は悲しいけどなんだかほっこり。
表題作の「暗くて静かでロックな娘」のロザリンドは表紙イラストのイメージそのもの。
平山さんのお話はすれっからしのどうしようもないキャラクターが出てくるけど大概愛される人物像。
そして、ピュアな存在は痛々しいほどすばらしくピュア。
だから余計もの悲しくて、余計残酷。
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