平山夢明のレビュー一覧
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『メルキオールの惨劇』に続いて本作を読み、平山夢明は優れた短編作家だということを確信した。どの作品も著者の自由さを感じられる点が素晴らしいし、多少強引な設定や世界観も短編だったらすんなり入っていける。
それにしてもなぜ「あむんぜん」なのか。いや、表題作の主人公が「あむんぜん」と呼ばれているからなんだけど、元々は南極点を目指した探検家の名前である。どうやら南極大陸ならぬ「脳大陸」の発見というコンセプトに由来しているみたいなのだが、そこで「く、くだらねえええ・・・」と切って捨ててはもったいない。帯の解説文にある通り、本書ではこのような馬鹿馬鹿しさと人間の本質を抉るような尊い何かが混在した、他では味 -
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これは!
前半の罰を受けた殺し屋夫妻の話は今までの話の中でも特にお気に入り。
後半も後半で目を覆いたくなるようなカオスの残酷な設定と思いつく作者に舌を巻きました。
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購入済み
これは!
殺し屋を対象にした殺し屋ギデオンさんが表紙を飾るダイナー6巻。2巻以来の登場。
舞台は久々のキャンティーン。
美味しそうな料理の数々、イカれた来客、残酷なお話と描写に満足。 -
購入済み
これは!
その夜ダイナーに一組の夫婦、デニーとエドがやってきた。かつて殺戮者であった二人は、組織のボスの愛犬を死なせた代償として、期限が訪れるまで孤児の少年・ジョーを育てるよう命令される。それから十数年……。ジョーは我が子誕生の報せを携え、両親の元へ駆けつけた。だが、仲むつまじい親子の晩餐は、突如、悪夢へとへ変貌する。
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Posted by ブクログ
ネタバレグロ・暴力・屍体。もう清々しいくらいに真っ黒な一冊。間違っても人には薦められない。
切れ味鋭く無駄な描写のない展開。この本を面白いと思ってしまった自分は頭がおかしいのかと疑ってしまう14の短編集。
■他人事:開幕早々この話でやられた。崖からの自動車転落事故。他人にお願いをするときは、それなりの態度が必要。
■倅解体:これまたやられた。解体ってタイトルからして...やむ無しの事情は分かる。
■たったひとくちで:誘拐犯と料理人と評論家。誘拐にもいろんな動機がある。
■おふくろと歯車:クソ親成敗
■仔猫と天然ガス:老女とプロレス。理不尽の押し付け。あっけない幕切れが逆にすごい。
■定年忌 -
Posted by ブクログ
アメリカで発生したシリアルキラーによる殺人事件をテーマにした音声番組で放送された10ケースを書籍したもの。番組は、俳優の大谷亮平さんと声優の谷山紀章さん二人の会話で、実際に起こった事件を振り返り、人間の闇に踏み込んでいくようなものらしい。本書を読み終わった後、本書の帯にあったQRコードから番組のHPから、番組を聴いてみた。時々、平山夢明さんが解説をしつつ、犯人の幼少期から順をおい、なぜ怪物が生まれてしまったのかを探っていくような構成でした。本書より多くの情報を提供をしている。
本書は、端的に各ケースの要点がまとめられているので、深い闇を離れた場所から覗いているくらいの距離感で読み進められた。 -
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ネタバレ「物件」に関する怪談小説のアンソロジー。おすすめ作品
神永学『妹の部屋』死んだはずの妹の部屋がいつしか復元されている。おかしいのは自分か、家族か。ミステリ要素のあるホラー。
澤村伊智『笛を吹く家』一番おすすめの作品。ラストにどんでん返しがあるホラーミステリー。
郷内心瞳『トガハラミ』人間に取り憑いて人を喰らう物の怪、トガハラミの話。ラストシーンの伏線回収が美しい。語り手は美佐子に憑いたトガハラミで、「姉」はトガハラミが見せていた幻覚ではないか。
芦花公園『終の棲家』最後の一文にゾッとする。怪異は話を聞いた者に取り憑き、伝染する。
平山夢明『ろろるいの家』実話怪談風の作品。短編集の中で一番怖かっ
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