平山夢明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
近年読んだアンソロの中で一番面白かったです。質が違うなと思いました。ついこの前読んだホラーアンソロを藁とした時、こちらは完全に煉瓦。造りが頑丈すぎて我々は煙突からしか入れない。が、その唯一の入口さえ地獄へ直通ですからね。まったく、感謝して落ちていきたいですね。
特に素晴らしかったのは初っ端わずか8ページほどの恐怖、どこか童話みのある骨、妙にリアルな正月女、それから大トリの人獣細工ですよね。頭抱えました、読後。こんな詰め込まんとってくれよ。俺をどうしたいねん。ほんまありがとうな。
最近のホラーがことごとく好みじゃない俺には、こういうのはもう刺さりすぎて息ができないですね。穴だらけになった心を取り出して見せてあげたいぐらいです。あまりに鋭利。真の名作は劣化しないということを、この傷をもって証明したいぐらいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『独白するユニバーサル横メルカトル』『他人事』…。
不条理でありグロテスクな作風で読者を翻弄する平山夢明先生の作品、『diner』。
今回はどんな不条理に主人公が死ぬのかな?と思いながら読み始めたら…あれ、めちゃくちゃ分かりやすいほどにエンターテイメント小説でした。
主人公のオオバカナコの目線から物語られる本作は他の作品と比べるとかなり砕けた文体でスラスラと読めます。肝心のストーリーもわかりやすく、時にアツく、時にはグロく。分厚い小説ではありましたが、ノンストップで読み切ることが出来ました。
ボンベロ、オオバカナコ、様々な愛すべきキャラクターに会えたこと、嬉しく思います。
お勧めです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「張り詰めた糸のような緊張感」それ自体が、創作物における快感原則の一つなんだな、と改めて思った。
殺し屋専門のダイナーという舞台設定から、執拗なグロ描写、果ては主人公の性格まで、全て良質な緊張感のあるシチュエーションを産むために存在してるようなものだ。
(おそらく架空の)隠語で埋め尽くされた台詞も、異化効果と「意味が覆われていて、それを推測しなければならない」という緊張感に寄与している。
勿論、そうした限界の状況でなされる「交渉」の数々も素晴らしい。
「まあ見てろ。生き残るってのは、どんな絶体絶命でも、その場を思い切り揺さぶるってことだ」(p465)
食事シーンがあまりに美味そう。ハンバーガー食べたい。
思えば主人公が食事にありつくシーンが「緊張と緩和」の「緩和」にあたり、作品に流れる緊張感をより良質な物としているのと同時に、劇中の設定である「殺しを生業とする壊れかけの人間達の唯一の憩いの場」としての「ダイナー」とリンクしているのか。
・殺しを生業にするなんて冗談以外のなにものでもなく、殺し屋は全員酷く歪み、病み、壊れかけている。
・そうした彼らは組織に属する事も端から出来ない。
・裏社会の人間からも最底辺の汚れ仕事として蔑まれている。
・最も多い死因は自殺、或いは自殺同然の失敗。
・そうした消耗品をなるべく長く使う為にダイナーというケアの場所が生まれた
ここらへんの設定もかなり良い。最近はポップに描かれがちな殺し屋だけど、こうあってほしいと思える完璧な解釈一致だ。
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Posted by ブクログ
2026.07.09
ホラーを「因習」「心霊」といったモチーフではなく「物語を怖くしている仕組み」で5W1Hで分類しているところが新しい。それぞれの短編が「何が怖いのか」を作品解説されているのも面白い。
ホラー入門者や、逆に苦手な方にもおすすめしたい。ホラー好きには、ここまでホラー作家が揃っているのも胸熱。
たぶん文体の好みもあると思う。私はそもそも「描かれすぎない」文章が好きなので、説明されすぎると読んでいて萎えるし、怖さが削がれる。ホラー展開に恋愛要素もいらない。そういう意味ではやっぱりモキュメンタリーが好き。雨穴さんや背筋さんの作品のように飄々と淡々と語られていく文章のほうが考える余白があっておもしろいと感じる。
つまり私はホラー小説はモチーフで選んでいないってことなんだなと気づいた
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