伊兼源太郎のレビュー一覧

  • このノラ猫、幸せ調査員にて

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    神様からの幸せを与える人間を探し出す役目を負った猫。
    この猫が人間社会で探し出した人物の幸せの様子を探る過程が面白い。
    今まで読んだ伊兼源太郎作品とは違い、コミカルな表現に趣があり、なかなかに読み応えのある短編集だった。

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    2025年10月24日
  • 地検のS Sの幕引き

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    ネタバレ

    こんな結末だったのか!
    凄いシリーズだった。

    最終巻の結末が知りたくて,読み放題にはなかったので購入した。

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    2025年08月23日
  • 地検のS Sが泣いた日

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    ネタバレ

    シリーズ第2巻。
    第3巻があるのでこれで完結とはいかないだろうが,登場人物の過去が明らかにされていく。
    巨悪は逃がしたらいけない。
    巨悪はあくどい,死人が出てしまった。

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    2025年08月22日
  • 戦火のバタフライ

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    戦後80年の今だからこそ、一人でも多くの方に読まれてほしい素晴らしい作品。
    第二次世界大戦末期の戦地·銃後の悲惨さや酷さを容赦なく描き、そして戦後に空襲被害者の国家補償に向けて立ち上がった官僚や戦災者の生き様が鮮明に描かれています。
    作中の戦争経験者たちがとてもリアルであり、到底フィクションとは思えず、最初から最後まで物語に没入していました。読後の余韻もすごい…。
    著者が相当な取材や下調べをして、並々ならぬ想いでこの物語を綴ったのだろうことが、読み進めるほどにひしひしと伝わってくるようでした。ノンフィクション作品ではないけれど、でも出来事や人物、セリフなど、事実に基づいて書かれた部分が随所にあ

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    2025年08月02日
  • 戦火のバタフライ

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    打ちのめされるほど考えさせられる小説だった。
    あまりにリアルで痛ましい南方での日本軍の戦闘の有様。
    本土では庶民を焼土のなかに追い込む空襲の中で、読者に向けて呆気なく焼夷弾で殺される人々の痛ましさ。
    序盤から辛い書き出しではあるが、本書の尾崎洋平の戦争被害者への想いは、この前段が読者と共に彼の意志を共有してゆく。
    日本政府が戦争後にうやむやにしてきた不作為に、どうしても戦後80年というタイトルとしての時代感覚の不整合に失望を深くした。
    これほどの内容の本に出会えた貴重な体験を、より多くの人と共有できればと切に願うばかりだ。

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    2025年06月25日
  • 偽りの貌 警視庁監察ファイル

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    audible 。このシリーズはほんとに面白いと思う。
    短い文で展開も躍動的、監察の仲間たちの個性も豊か。
    ナレーターの良さも褒めておかないといけないだろうね。

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    2025年06月06日
  • 戦火のバタフライ

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    ネタバレ

    僕ら戦災を受けなかった地方に生まれ育った者にとって、空襲被害者の生の声を身近で聞く機会がないので、銃後(この本で初めて知った言葉)の戦争被害者への理解と関心が極めて低かったことに恥いるばかり。国家補償を得るために立ち上がり、跳ね除けられ続けた実録をもとに、大いに考えさせられる小説だった。ほんと今さらだけど、戦時下で非業の死を遂げたのは兵隊さんばかりじゃないんだ。いいも悪いもなく懸命に当時を生き、多くを失い傷つきつつ生き残った人たち。その声に向き合わずにきてしまったけれど、こうして活字に残してもらえて感謝。

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    2025年06月06日
  • 残響 警視庁監察ファイル

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    audible 。警視庁監察ファイルの3作目。このシリーズは文句なしに面白かったですよ。
    社会派ミステリーといっていいと思います。作者の目線が深い。

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    2025年06月02日
  • 戦火のバタフライ

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    戦争末期から95年までの物語を描きながら社会、戦争そして暗躍したものを含めた闇を描いた大作。
    この時代に描かれるべき傑作だと思いました。

    2901冊
    今年129冊目

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    2025年05月07日
  • 戦火のバタフライ

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    初めての伊兼さんの作品でしたが、
    読み易い上に面白く一気読みできました。
    冒頭の戦争末期の南方戦場場面や空襲の地獄を描く場面が詳しく正確に描かれておりしっかり下調べされていると感じました。
    また戦後の長きにわたる空襲被災者への補償に立ち向かうストーリーは時代を超えて学ぶべき視点が多く描かれて、筆者の想いを強く感じました。
    過去作品も読んでみたいです。

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    2025年05月05日
  • 戦火のバタフライ

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    第二次世界大戦後の国家補償として、元軍人•軍属に対しては恩給が支払われる一方で、大空襲で財産や肉親を失い地獄の苦しみを味わった民間人には何の補償もない。
    この理不尽さに立ち上がった主人公が奮闘する姿を大河ドラマのように描き、戦後80年の節目に戦争の記憶の継承に目を向けた小説。
    序盤で、阿鼻叫喚の地獄としての南方戦線と東京大空襲の様子が生々しく描かれるが、それはあくまでも導入部。
    南方戦線から奇跡的に生還した尾崎洋平と東京大空襲で家族を失った小曽根さくらが出会うところから物語の本筋が始まる。
    尾崎は戦場で軍医だったさくらの兄・太郎から薫陶を受け恩義を感じていた。尾崎は厚生省職員となり、民間戦争被

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    2025年04月18日
  • 戦火のバタフライ

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    読んだ。明確な反戦、そして戦争を始め、終わらせたふりをし続けているかつての政府と現政府への批判が込められた小説だった。
    太平洋戦争末期から現在まで、民間戦争被害者への国家補償の実現を目指す官僚とその周囲の人々の姿を描いたミステリー。ミステリーの要素はありつつも、かつての政府と今の政府、そして個人であることを手放した大衆への批判が通底している。

    戦争中の描写、とりわけ空襲の描写が前半にかなり多く登場する。著者が相当調べて書いたのだろうと思ったら、最後の見開き1ページにぎっしりと参考文献が記載されていた。
    前半の戦地に赴いた兵士の視点では、人間が人間であることを手放さなければ人を殺すことも、戦争

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    2025年04月04日
  • 警官の標 警察小説アンソロジー

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    ネタバレ

    警察小説名手による警察小説オムニバス。この手の企画は寄せ集め感強く中途半端になることが多い印象だが、本書は例外中の例外。粒揃いでどの作品も素晴らしく面白い。警察組織を舞台にしているが、各著者のそれぞれお得意分野を披露してくれている。特に月村作品は警察小説としてはものすごく特異なのだが、如何にもな感じが面白かった。つまらない作品がなく、読んで損のない一冊。

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    2025年03月10日
  • 事故調

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    ネタバレ

    主人公の復活の話。

    マスゴミ(特にTV)とどうしようもない地方議員のアホさが的確に画かれている。

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    2025年03月07日
  • 密告はうたう 警視庁監察ファイル

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    ネタバレ

    「市民にとって警察は最後の砦だ。その警官を取り締まる監察は、砦の最後尾を守っている。後ろに誰もいない私たちに失敗は許されない。」

    警察内部の不正を暴く「警察の中の警察」と称される警視庁警務部人事一課監察係を舞台とした警察小説。横山秀夫の『影の季節』シリーズを思い出す。全く筋が読めない緻密なストーリー展開の中に、魅力的な登場人物、複雑な人間模様、警察内部の駆け引き・軋轢が盛り込まれ、終始前のめり状態。伊兼源太郎、すごい!出会えて嬉しい!

    監察に公安出身者が多いと知り驚いたが、行確の過酷さと緊迫感、求められる高度な判断力に、なるほど、となる。特に、胸に秘めた熱いものをおくびにも出さず、”プロの

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    2024年12月13日
  • 『地検のS』第1話無料試し読み

    購入済み

    伊兼さんづくし

    僕は何冊か併読しているタイプなのですが、現在紙の本で伊兼源太郎さんの『巨悪』を読んでいます。まだ、前半から中盤なんですが、「これは面白い」
    と他の著作を探していたところ、こちらが無料版であったのを見つけて読了。これはしばらく伊兼さんづくしになりそうです。

    #アツい #深い

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    2023年09月03日
  • 事件持ち

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    胸が熱くなるような作品に久々にあいました。
    全然知らなかった作家さんですが読み始めたら止まらなかった。
    これはドラマ化必須だと思う。
    永尾記者が推しですが、報日新聞の人たちみんな個性的でキャラクターがたってるので絶対ドラマ化に向いてる。
    あと正義感について考えさせられる。
    個人の正義感と社会での正義感。
    怖い時代になったと最後で出てくる。本当にそう思う。この作品が多くの人に読まれたらいい。
    社会派の熱い作品。
    個人的には津田沼にかつて住んでいたのでそういう親近感もありよけいに楽しめたのかも。
    絶対犯人だと思ってたひとが違ったりしたのもよかった。
    津崎刑事と永尾記者の続き物も読みたい気がします。

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    2023年08月24日
  • ブラックリスト 警視庁監察ファイル

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    面白かったです!
    シリーズの前作を読んでから、この本を読むことをおすすめします。

    最後の一行で、ゾワっと冷えました。
    見事でした!
    次回作も楽しみです。

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    2023年07月30日
  • 地検のS Sの幕引き

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    シリーズ最終巻。ついに最終決戦の時が来た。母、妹一家、同僚の仇を、吉村のバッジをとれるのか。次々と伏線が回収されていくおもしろさ。スパイが暗躍する中の黒幕との駆け引き。これでいいのか?という少々呆気ない幕引きだが、最後の伊勢の告白で、自分はまだ彼の強かさを理解できてなかったのだと痛感した。

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    2023年05月19日
  • 祈りも涙も忘れていた

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    やっぱり伊兼源太郎はほんまもんだった。今まで読んだ警察ミステリー小説でベスト5には入る大傑作。濃厚で芳醇で青春をも感じさせる若きキャリアの活躍と挫折を神戸を舞台に描く。見事なプロットと煌めくような会話の数々、過不足ない主人公の心理描写、「だから、僕は人を殺した」に込められた心情投影、どこを切り取っても全く嫌味のないそこはかとないハードボイルドの香りが漂ってくる。もっと伊兼作品が認知されて多くの方に読んでもらいたいので、何か賞を取らせてあげてください。

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    2022年09月05日