伊兼源太郎のレビュー一覧

  • リンダを殺した犯人は

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    社会派ミステリー小説の書き手として、好きな作家さんの一人。今回は、ベトナム人女性の殺人事件をおう二人の男女コンビ刑事「Wはるか」の活躍を描きつつ、外国人技能実習制度の闇に切り込む。伊兼作品には珍しく「Wはるか」の軽妙なやりとりが非常に心地良く、ベトナム人実習生の徒労と搾取・哀しさの重い部分を補って調和のとれた作品に仕立てている。面白かった。

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    2024年12月12日
  • リンダを殺した犯人は

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    2024.10.23
    伊兼さんは好きな作家。刑事のやりとりにはへきえきとする部分もあるが内容は面白い。

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    2024年10月23日
  • 偽りの貌 警視庁監察ファイル

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    警視庁人事一課監察に警察官不祥事の密告があり、毛利、皆口、佐良は疑わしい山内の行動確認のため歌舞伎町に向かう。
    そこで違法薬物による少年と半グレのトラブルに出会ったのだが…。

    警察官監察と少年薬物という事案に、人事一課が偶然にも関わってしまうのだが、その物語の流れに無理はなく自然に引き込まれていってしまった。
    そのため実に読みやすく半日で読み切ってしまった。

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    2024年10月15日
  • 偽りの貌 警視庁監察ファイル

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    警視庁監察ファイルも4作目かな。このシリーズ面白くないわけではないが、個人的に伊兼作品らしさが一番ない作品と感じる。丁寧な描写はいつものことだが、余白と遊びが全然なく息苦しいイメージが付きまとう。監察を描いているので敢えてそのような手法を用いているなら申し訳ないが、読後の納得感と充足感がないので、ああ面白かったにならない。

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    2024年09月23日
  • 『地検のS』第1話無料試し読み

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    連作地検ミステリー

    り部として作者自身が投影されたような新聞記者を動かしている。自分の体験をもとに描いていることもあって、大変にリアリティがある。法律と義理.人情というわかりやすい対比 バランスを描いている。下手に書くとお涙頂戴もののベタな作品になるところだが、その少し手前でとどまって描いている所が良い。

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    2024年08月03日
  • 地検のS

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    読み応えあり。検事の事務方を巡る構成の妙。大きな事件が無くても、正義とは、人間としての正義とはを、描くことができる。

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    2023年11月19日
  • 祈りも涙も忘れていた

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    「とても面白かった」というのが率直な感想です。
    警察小説の魅力がつまっていたと感じました。
    若手キャリアにスポットをあてている小説は、今まであまり読んだことがなく新鮮であったことも影響していると思います。
    誰が裏切りなのか?どうなるのか?
    ワクワクしながら読めました!

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    2023年11月14日
  • 見えざる網

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    「あなたはSNSについてどう思いますか?」街頭インタビューで否定的に答えた、平凡なサラリーマンの今光。その姿が朝のニュースで放送されてから、彼の身に偶然とは言いがたい危険が次々に襲いかかる。混み合う駅のホームで押され落ちかけたり、頭上に鉢植えが落とされたり。今光は、中学時代の同級生の女性刑事と真相を追うが、背後には得体の知れない巨大な黒幕が迫ってきて―。第33回横溝正史ミステリ大賞受賞作。

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    2023年04月04日
  • 祈りも涙も忘れていた

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    警察小説というよりも今までにはないエンタメ要素を含んでいる。
    若きキャリア警察官である甲斐が、クールでスマートである。
    だが内には熱いものを秘めているようで気になる存在。
    バーでドイツ小説を読むくだりもあり、描写が美しい。
    成海とのやりとりも会うたびに深みを増してくるのも楽しめるところである。
    警察小説にしては、とても綺麗に完結していると感じた。

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    2023年03月06日
  • 祈りも涙も忘れていた

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    152だんだん良い作品が増えてくる。これまでで一番良かった。抑制とウィットも残っていて、単なる深読みの言葉遊びにならないセンスが心地よい。大作家の単発でがっかりした後だったので、余計に。たくさん人が亡くなったのでマイナス星一つなり。

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    2022年11月23日
  • 祈りも涙も忘れていた

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    行間を流れる何とも不穏な空気に急かされ、次はどう展開?マグマはいつ噴き出すのとゾクゾクしながら読み進む。一人語りが昔のハードボイルド小説ポクって新鮮なのか?「物事の良し悪しは時代で変わる。けど好き嫌いは己で決められる」「性愚説」「清流に煙草を弾き飛ばして平然とする男」「役職や階級、肩書きはただの記号」「人間のまっとうさは社会のまっとうさと相容れない時がある。でもわたしたちは、もっともらしいまっとうさに何もかもを押し込もうとしてしまう」何故か震災直後に深夜、屋台で飲んでホテルに帰った神戸の街が頭に浮かんだ。

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    2022年11月12日
  • 祈りも涙も忘れていた

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    初めて読んだ作家さん。正直に言うと読み始めは少し侮っていました。主人公の凄さを周りが「凄い」と言って「凄く」なる話なのかと。ただ登場人物が増えるに連れて、出てきたキーワードの点を繋げて導き出されたものと、話の残り4分の1からの答え合わせがとても楽しかったです。
    また日本が舞台の警察ものとしては珍しく、海外ドラマのような終わり方が個人的にも良かったです。
    最初と最後、作中の小説と甲斐、練り込んであって勢いだけでない印象を受けました。他の作品も読んでみたいです。

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    2022年10月11日
  • 金庫番の娘

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    遡ってみたら私はこの作者の作品を多く読んでたのだな、そして曲がりなりに三権分立とは名ばかりの日本の政治組織の片鱗を目にしたんだな。
    リアル、しかもタイムリー。地に足が付いてるのは登場人物がみんな血肉を持った存在である事。もっとヒットすべき作者なのに、何かの忖度があるのかな、とか深く疑ってしまう位の作品だった。

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    2022年10月03日
  • 祈りも涙も忘れていた

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    犯罪認知件数が20年連続で全国ワースト5にはいるV県警捜査一課管理官に任命された若きキャリア警察官・甲斐。着任早々ノンキャリアの部下から嫌がらせの洗礼を受けるも反撃に転じ黙らせる。凄惨な殺人事件、不審死が立て続けに起こり、黒幕の存在が見え隠れするなか、12年前の警官焼死事件に端を発した警察の内通者疑惑が持ち上がる。裏切り者は誰か?誰も信用できない状況で、甲斐はある一手を仕掛ける。


    あ〜面白かった〜。
    久しぶりに、ずっと読んでいたいと思わせてくれる作品。甲斐の造形が魅力的で、どんどん引き込まれていった。正直、人が死にすぎて事件の全貌が詳らかにされた感がなくて、最初の夫婦焼死事件ではどうして彼

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    2022年09月16日
  • 『地検のS』第1話無料試し読み

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    特有の世界

    ほぼほぼ活字上だけでの描写になりますが、地検特有の事件関連や人間関係など、主人公を軸として動く毎日が描かれています。時折精神論や心について考える箇所もみられており、例えば本当の正義というもののあり方について考えるストーリーでは、主人公の葛藤と成長が感じられます。

    #深い #泣ける

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    2022年09月01日
  • 密告はうたう 警視庁監察ファイル

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    警察職員の不正を取りしまる警察の警察、監察係。

    そこに所属する佐良は、かつての同僚で、免許試験場に勤務する皆口菜子の監察を命じられる。
    彼女が免許証のデータを不正売買しているという内部の密告があった。

    やがて、自分も関わった未解決事件との接点が浮かび上がる。
    果たして、本当に彼女は不正を働いていたのか?

    ノンフィクションとはいえ、監察とはこんな事まで行うんでしょうか?
    ハラハラドキドキの連続ですが、いろいろ不良警官が浮かび上がる様子は、暗澹としますね。

    最後、次の続編が想定され、今後に期待です。

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    2022年05月29日
  • 密告はうたう 警視庁監察ファイル

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    警察の監察物はどちらかと言うと主人公はカッコ良く書かれる傾向が有るが この作品は捜査一課からの監察の見方で描かれている所が好感が持てる。最期は公安絡みで あっさり終わった感が有るが ある意味常套手段かな。もしシリーズ化になれば新しい仲間も増えそうで楽しみです。

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    2022年03月19日
  • 密告はうたう 警視庁監察ファイル

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    よく作り込まれた物語。
    ただ意外性を重視をしたためにオチが地味になったかな。警察小説を新しい角度から書いたのが注意深い。

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    2022年01月01日
  • 密告はうたう 警視庁監察ファイル

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    監察を主人公にした警察小説は珍しいらしいが、警察組織やその中で蠢く人間模様を描こうとする時に、組織の陰の部分を炙り出す監察という役割は道具立てとして相応しいのではないか。

    本書の重層的な仕掛けに一役買っていることは間違いない。

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    2021年11月04日
  • 巨悪

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    公孫樹(いちょう)
    こういう字だったのか。銀杏と書くものと思ってきましたが、著者の意図がこの文字に秘められているのか。

    高校野球でエースの座を争った東京地検特捜部の検事・中澤源吾と特捜部機動捜査班の事務官・城島毅が、それぞれの想いを抱きつつも、一つの事件の調査をきっかけにとんでもなく闇深い事件を明らかにしていく。

    ノンフィクションかとも思えるストーリー展開は、国家とか政治家ってとSNSなどでどんどんと世の中に出てくる情報を元に頭が偏ってしまっている私には気が重くなる部分も。
    悪い事は出来無いと言われて育ってきたが、バレるまでには時間がかかり、やってしまった事を隠すために、更に悪事に手を染め

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    2021年04月26日