伊兼源太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「バカか、お前は。信じていい人間と、そうじゃない人間がいるだけじゃねえか。どんな立場にいようが、人間はその二種類だよ」
「いいか、優秀な弁護士ってのはな、単なるお人好しでも正義漢でもない。シロとクロの間にしっかりと立て、そのどちらにも染まらないでいられる奴だ」
「俺はな、司法の世界じゃあ、検察はアクセル、弁護士はブレーキ、裁判所は信号機だと思っている。だから相手がアクセルを踏み過ぎて暴走してんなら、ブレーキの俺たちが止めなきゃなんねえんだ。乗っているのが、どんな大悪党だろうとな」
あの男は一体何者なんだ――?
湊川地検で起きるすべての事の裏には、必ずひとりの男の存在があった――湊川地検総務課長・伊勢。
検事でもない総務のトップがなぜ……。
「絶対悪」が見えにくい現代において、「検察の正義」とは何なのか。元新聞記者の新進作家が挑む、連作検察小説。 -
Posted by ブクログ
ベトナムから来た技能実習生を殺害した犯人を追うという、この上なくシンプルで明快なテーマ。筋を追いやすくのめり込むように一気に読めた。
なんだかすごく正義感の強そうな作家さんだ。技能実習制度の不備、それを知らずにのうのうと生きている日本人みなに罪があるのだという主張がまっすぐに込められている(とはいえ、リンダが衣笠水産から逃亡したのは衣笠の不倫が直接の原因なのだから「制度が殺した」というのはやや違うのでは?とも思わなくもない)。
刑事たちは自分たちの手柄を狙って、たとえ同僚にも自分の手の内を明かさないことがあるとか、帳場内の人間関係も面白かった。
私の読解力がないのか、ラストはいまいち消化不良なところも。衣笠夫妻は本当に自分たちがリンダを殺したと信じていたってこと? 衣笠はなぜ妻を追って東京に来た? そして黙秘を続けたのちになぜ突然嘘の自白を始めた? 黒幕っぽくQの存在をずっと引っ張ってきたのにその意図や正体について結構あっさり終わったのもあれ?という感じだった。 -
Posted by ブクログ
☆4.4
御世話さんは実に魅力的である、しかも警察内部のものがそれを請け負っているというのに、いささか衝撃を感じる、死に至る病で、死に至る病それは絶望であるというこの文章に私はずいぶん救われている、私はこの絶望に足る心境にかろうじて至っていないのだ。家族は私にとっては怨嗟の元凶に他ならないが、両親には感謝と恩を感じている、ただ、生まれてきてしまったことには、納得できない、思えば死にたいと思って何年経っているのか初めは中学生の頃だったろう、生きるのは面倒くさいと思っていた。もう何十年も死んだ方がいいと思っているのは事実である。
生きる意味はいまだにわからないが、死んで仕舞えば全て解決である。
快傑ズバットである。死ぬのが怖いという描画が幾度となく出てくるが、私はなぜかそんなに怖いとは思えない。死んだ方が楽なのは自明の理である。
生きるのは面倒くさいものである。 -
購入済み
連作地検ミステリー
り部として作者自身が投影されたような新聞記者を動かしている。自分の体験をもとに描いていることもあって、大変にリアリティがある。法律と義理.人情というわかりやすい対比 バランスを描いている。下手に書くとお涙頂戴もののベタな作品になるところだが、その少し手前でとどまって描いている所が良い。