あらすじ
志々目春香と藤堂遥。
ふたりのハルカが
日本の闇を撃つ
TVドラマ化『密告はうたう』の気鋭が放つ
一気読み必至のシン・警察小説!
外国人殺しの裏に潜む悪の正体とは!?
警視庁捜査一課殺人犯捜査第二係に所属する女性刑事・志々目(ししめ)春香と後輩の男性刑事・藤堂遥の〈ハルカ〉コンビ。
2023年冬、新宿・大久保のマンションで若いベトナム人女性「リンダ」の死体が発見された。
彼女の足取りを追うため、二人のハルカは四国・松山へ向かうが、そこには外国人技能実習制度の深い闇が…。
不法滞在者に労働をあっせんする謎の人物・Q、そして彼女を殺した真犯人は、一体誰なのか、たどり着いた驚きの真相とは!?
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Posted by ブクログ
ベトナムから来た技能実習生を殺害した犯人を追うという、この上なくシンプルで明快なテーマ。筋を追いやすくのめり込むように一気に読めた。
なんだかすごく正義感の強そうな作家さんだ。技能実習制度の不備、それを知らずにのうのうと生きている日本人みなに罪があるのだという主張がまっすぐに込められている(とはいえ、リンダが衣笠水産から逃亡したのは衣笠の不倫が直接の原因なのだから「制度が殺した」というのはやや違うのでは?とも思わなくもない)。
刑事たちは自分たちの手柄を狙って、たとえ同僚にも自分の手の内を明かさないことがあるとか、帳場内の人間関係も面白かった。
私の読解力がないのか、ラストはいまいち消化不良なところも。衣笠夫妻は本当に自分たちがリンダを殺したと信じていたってこと? 衣笠はなぜ妻を追って東京に来た? そして黙秘を続けたのちになぜ突然嘘の自白を始めた? 黒幕っぽくQの存在をずっと引っ張ってきたのにその意図や正体について結構あっさり終わったのもあれ?という感じだった。
Posted by ブクログ
フィリピンから来た技能実習生のリンダが殺害されているのが発見された。
志々目春香と藤堂遥の2人の刑事が事件を捜査する。
巻頭の2人のやり取りに少々読む気を無くしたが、次第に捜査が進むにつれ伊兼源太郎作品らしい展開に引き込まれていった。
分かりやすい犯人を見つけたのだが何が引っかかる…。
捜査の流れが片方に流れていくなかで、ベテランたちの捜査は核心に迫っていた。
ミステリーは謎解きが魅力だが、作者に騙される快感もあり、本作は見事に誘導されてしまった。
Posted by ブクログ
社会派ミステリー小説の書き手として、好きな作家さんの一人。今回は、ベトナム人女性の殺人事件をおう二人の男女コンビ刑事「Wはるか」の活躍を描きつつ、外国人技能実習制度の闇に切り込む。伊兼作品には珍しく「Wはるか」の軽妙なやりとりが非常に心地良く、ベトナム人実習生の徒労と搾取・哀しさの重い部分を補って調和のとれた作品に仕立てている。面白かった。
Posted by ブクログ
面白かった。
技能実習生が置かれている現状を知るきっかけにもなりました。ただ、登場人物たちの掛け合いが芝居っぽく、読んでいてしんどい部分もあった。
Posted by ブクログ
2023年冬、新宿・大久保のマンションで若いベトナム人女性「リンダ」の死体が発見された。彼女の足取りを追うため、二人のハルカは四国・松山へ向かうが、そこには外国人技能実習制度の深い闇が…。不法滞在者に労働をあっせんする謎の人物・Q、そして彼女を殺した真犯人は、一体誰なのか、たどり着いた驚きの真相とは⁉警察バディものとしてはなかなかいいコンビで好きだなぁ。外国人労働者の労働力の搾取。もっと表面化しないと何も変わらないだろう。
Posted by ブクログ
技能実習生としてベトナムから来日
そして実習先を逃げ出して東京にいたリンダが殺された
リンダは逃げ出した実習生たちを支援しているQと呼ばれる人を頼り全国を回っていた
リンダの跡を探るため捜査に関わっているはるかコンビ
国に借金をして日本に仕事を求め来日している実習生を食い物にする人々
遠い異国で低賃金の心細さ
それを理解していない日本国民
Posted by ブクログ
刑事である2人の「はるか」ペアが殺人事件を解決していくストーリー。2人のやり取りのテンポがよくて、読み心地が良い。技能実習生として東南アジアから日本に働きに来た外国人を、いかに酷い待遇で働かせているのかが問題視される事件。事件はゆっくり解決へと向かっていくが、突然急展開する。急展開のきっかけを作ったのが「はるか刑事たち」ではなかったし、伏線を回収するような展開にならなかったので、事件解決時のスッキリ感があまりなかった。