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犯罪多発地域、V県神浜。県警配属早々に捜査一課管理官となった新人キャリア警察官の甲斐は、管内で連続する放火や凄惨な死体遺棄、捜査関係者の不審死を追ううち、県警、そして政財界を揺るがす巨悪を目の当たりにする……次代を担う警察小説作家の最高傑作
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Posted by ブクログ
やっぱり伊兼源太郎はほんまもんだった。今まで読んだ警察ミステリー小説でベスト5には入る大傑作。濃厚で芳醇で青春をも感じさせる若きキャリアの活躍と挫折を神戸を舞台に描く。見事なプロットと煌めくような会話の数々、過不足ない主人公の心理描写、「だから、僕は人を殺した」に込められた心情投影、どこを切り取って...続きを読むも全く嫌味のないそこはかとないハードボイルドの香りが漂ってくる。もっと伊兼作品が認知されて多くの方に読んでもらいたいので、何か賞を取らせてあげてください。
「とても面白かった」というのが率直な感想です。 警察小説の魅力がつまっていたと感じました。 若手キャリアにスポットをあてている小説は、今まであまり読んだことがなく新鮮であったことも影響していると思います。 誰が裏切りなのか?どうなるのか? ワクワクしながら読めました!
警察小説というよりも今までにはないエンタメ要素を含んでいる。 若きキャリア警察官である甲斐が、クールでスマートである。 だが内には熱いものを秘めているようで気になる存在。 バーでドイツ小説を読むくだりもあり、描写が美しい。 成海とのやりとりも会うたびに深みを増してくるのも楽しめるところである。 警察...続きを読む小説にしては、とても綺麗に完結していると感じた。
152だんだん良い作品が増えてくる。これまでで一番良かった。抑制とウィットも残っていて、単なる深読みの言葉遊びにならないセンスが心地よい。大作家の単発でがっかりした後だったので、余計に。たくさん人が亡くなったのでマイナス星一つなり。
行間を流れる何とも不穏な空気に急かされ、次はどう展開?マグマはいつ噴き出すのとゾクゾクしながら読み進む。一人語りが昔のハードボイルド小説ポクって新鮮なのか?「物事の良し悪しは時代で変わる。けど好き嫌いは己で決められる」「性愚説」「清流に煙草を弾き飛ばして平然とする男」「役職や階級、肩書きはただの記号...続きを読む」「人間のまっとうさは社会のまっとうさと相容れない時がある。でもわたしたちは、もっともらしいまっとうさに何もかもを押し込もうとしてしまう」何故か震災直後に深夜、屋台で飲んでホテルに帰った神戸の街が頭に浮かんだ。
初めて読んだ作家さん。正直に言うと読み始めは少し侮っていました。主人公の凄さを周りが「凄い」と言って「凄く」なる話なのかと。ただ登場人物が増えるに連れて、出てきたキーワードの点を繋げて導き出されたものと、話の残り4分の1からの答え合わせがとても楽しかったです。 また日本が舞台の警察ものとしては珍しく...続きを読む、海外ドラマのような終わり方が個人的にも良かったです。 最初と最後、作中の小説と甲斐、練り込んであって勢いだけでない印象を受けました。他の作品も読んでみたいです。
犯罪認知件数が20年連続で全国ワースト5にはいるV県警捜査一課管理官に任命された若きキャリア警察官・甲斐。着任早々ノンキャリアの部下から嫌がらせの洗礼を受けるも反撃に転じ黙らせる。凄惨な殺人事件、不審死が立て続けに起こり、黒幕の存在が見え隠れするなか、12年前の警官焼死事件に端を発した警察の内通者疑...続きを読む惑が持ち上がる。裏切り者は誰か?誰も信用できない状況で、甲斐はある一手を仕掛ける。 あ〜面白かった〜。 久しぶりに、ずっと読んでいたいと思わせてくれる作品。甲斐の造形が魅力的で、どんどん引き込まれていった。正直、人が死にすぎて事件の全貌が詳らかにされた感がなくて、最初の夫婦焼死事件ではどうして彼らが死ななければならなかったのか最後までわからなかったし、最後になって駆け足での伏線回収がちょっと慌ただしくてミステリとしては難点も。 成海との会話はキザすぎてどうなの?って感じもあったけど、一貫して感じられる甲斐の哀しみのような感情が心を捉えて離さず、心に深手を負いながら成長していく男を描いたハードボイルドとして十分に楽しめた。 ドイツ人作家ラマイオリヒの「だから、僕は人を殺した」という作中作で描きたかっただろうこと、戦争の影を引きずっていた坂東が甲斐に放った言葉、それらはこの作品の大きな部分を占め、さらに深みを与えている。 そして、20年後再びV県警に赴任した甲斐が事件を回想するという構成が秀逸で、最後の1頁は涙が出そうでした。
03月-06。3.0点。 ある県警に赴任した26歳のキャリア。管内の連続放火事件を担当。捜査していくうち、県内の最有力者との闘いに巻き込まれ。。。 ハードボイルド。警察関係者が少し多すぎるかな。読むのに時間かかった。
管内の犯罪認知件数が全国ワースト5に入るV県警捜査一課に配属された新人キャリア警察官の甲斐彰太郎。彼は、警官一万人以上が所属する大所帯で、実地経験のないまま管理官として放火事件捜査の陣頭指揮を執ることになる。 ノンキャリアの警官たちから面従腹背の扱いを受けつつも、捜査一課長の大東、一課四係班長の渡辺...続きを読む、所轄署刑事の阿南らの助力を得て、甲斐は県警内で捜査の主導権を確立していく。 やがて管内で凄惨な殺人事件が次々と発生。見せしめのごとき死体遺棄と捜査関係者の不審死、その背後には警察関係者が? 一連の事件の黒幕を突き止めるべく捜査を始めた甲斐を待ち受けていたのは、十二年前の警官焼死事件に端を発する、V県の警察・政財界を揺るがす一大疑獄だった……。 ハードボイルドにしては、やや甘口。期待していたので残念でした。
読むの疲れた。量的にはそんな大作ではなかったんだけど内容がしんどい。ハードボイルドを装った作りになっているのでいろいろキザなシーンがあったりするのはいいんだけど、名もないバーのシーンがずーっと違和感があってこのシーンが読むテンポを狂わせたと言っても過言ではない。ぶっちゃけ言うと、実にくだらなかった。...続きを読む小説の中で小説を読まされる身になってって声を大にして言いたい。その小説の内容が本編にかぶさる意味深な内容を重視したまったくストーリー性のないものだから読者が読んで面白いわけがない。ネタ証をグダグダと読まされているだけで時間の無駄でしかなかった。キャリアが捜査1課、市が誇る大企業の闇、官僚と所轄刑事モチーフは揃っていてネタもよい、タイトルもなかなか趣があって良いのに、なんでこんな駄作にしてしまったのか....そも誰が内通者で誰が何をするとかが分かりやす過ぎてワクワクがないからひたすら文字を追うだけの作業になったのが一番しんどかった。
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伊兼源太郎
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