伊兼源太郎のレビュー一覧
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「地検のS」シリーズ第3弾はシリーズ完結編。
今回も目線が変わる連作短編の形をとりながら、大筋の〈シロヌシ〉伊勢雅行vs吉村泰ニというテーマが貫かれる。
それぞれの短編では、これまでも登場していた主要人物たちの過去と彼らを貫く信念を描く。特に〈皇后〉と呼び畏れられる須黒清美の過去と伊勢雅行との直接対決描く「断」は圧巻。
組織の中の「細胞(スパイ)」がいるのが前提、二重スパイも否定できないというスリルある展開に目が離せない。そんな緊張感の中にあって、二世議員の吉村泰二の気の抜けた間抜けさ。地盤と鞄があるけど胆力も才覚もない議員が総理候補と担ぎ上げられる情けなさ。現実にもありそうな話だけに笑え -
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管内の犯罪認知件数が全国ワースト5に入るV県警捜査一課に配属された新人キャリア警察官の甲斐彰太郎。彼は、警官一万人以上が所属する大所帯で、実地経験のないまま管理官として放火事件捜査の陣頭指揮を執ることになる。
ノンキャリアの警官たちから面従腹背の扱いを受けつつも、捜査一課長の大東、一課四係班長の渡辺、所轄署刑事の阿南らの助力を得て、甲斐は県警内で捜査の主導権を確立していく。
やがて管内で凄惨な殺人事件が次々と発生。見せしめのごとき死体遺棄と捜査関係者の不審死、その背後には警察関係者が? 一連の事件の黒幕を突き止めるべく捜査を始めた甲斐を待ち受けていたのは、十二年前の警官焼死事件に端を発する、V -
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指示がなかった、前例がなかった、私は間違ってない、私に責任はない、、、見て見ぬふりの事なかれ主義、お役所仕事の数々にゲンナリしページを捲る手が鈍くなる。
聞き取り調査を進めるに従って明らかになる市職員の怠慢と腐敗。そんな中、少数でもこれではいけないと行動を起こそうとする者たちがいることに救われる思い。
もちろん、こんな腐り切った自治体はないと信じたいけど、巨悪とは違って市役所という我々に身近な組織の、それも不作為による問題だけに胸が苦しくなる。
ラストも爽快感はあまりないかな‥‥。
いくら元刑事とはいえ、黒木の言動は市職員としては過激すぎて現実味に欠けるものの、周りの心ある者を味方につけてし