中村計のレビュー一覧
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1980年度生まれのプロ野球選手は非常に多く、彼らの事を「松坂世代」と呼ぶことがあります。一方、大谷選手の世代の事を当初「藤浪世代」と呼ぶ方が多かったようです。高校野球時点での実績としては、2012年に春夏連覇を達成した大阪桐蔭の藤浪選手が突出していました。
今日、大谷選手の実績については改めて紹介する必要がないほど、凄まじいものがあります。この学年には藤浪氏、大谷氏という二人の主人公が存在すると言って良く、彼らの同世代はこの二人との対戦や関わりによって野球人生に大きく影響を受けてきました。
本書はそんな学年で、中学時代~高校時代に二人との接点があった野球人が30歳となった今、彼らの事をど -
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・賞レースのコントは応援されるキャラが必要。
・コントで一番大事なのは笑いの質。
・芝居の基礎は、人と接していることで発生する緊張感。
・芝居が下手と言われている人は、人と接しているストレスを忘れてしまうので喜怒哀楽の表現が単調になってしまう。
・コントはお客さんがいない前提で行われている。
・人物を造形するときに、一番大切なのは、その人が何に快感を覚えるかということ。
・誰よりも真剣に生を全うした結果、笑ってもらえる。
これがコントの美しさ。
・芸術の役割の1つは、名前の付いていない感情を表現すること。
・リアリティーを上げるためには、登場人物は自分のメリットの為に行動しなけ -
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2018年に話題になったWEB記事が2019年に書籍化。お笑いファンじゃなくてもおすすめ。
THE Wへの言及から、女性芸人への言及、「審査員をやるような立場のひとがようやくこういう考えを表明する時代!」と感動した覚えがあります。
『ゴッドタン』で"新世代男女コンビ"が特集されて蛙亭・イワクラさん、ラランド・サーヤさん、ヒコロヒーさんが飛躍したのが2020年6月。
ヤーレンズ出井さんが「芸人界は男社会」と明言して話題になったのが2024年。
キング・オブ・コントにバカリズムさんのような「1人コント」をするピン芸人が出られないのはおかしい、など、いわゆる賞レースの仕組み -
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「目的合理性」と「価値合理性」
前者をウケるために何をどうすれば良いのかを考える思考や行動ととらえ、後者を笑いとは何なのかを追求する思考や行動ととらえるならば(あくまでもわたし個人の定義として)、笑い飯は後者に軸足を置いたコンビなのだと感じました。
どちらが良いとか悪いとかではなく。
ただ、漫才やお笑いに限らず「価値合理性」に重きを置いて思考・行動していくと、熱量が高まっていくのと同時に純度も高まり、一方で原理主義者のような排他的な雰囲気も醸成していく場合もあります。
哲夫もなんかそんな雰囲気を纏っていた時期もあったようで、その様子も感じられて、なんだか文学的な匂いがしました。
なん -
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つい最近の2022年のコントまで具体的に考察されていて、すごく興味深く、お笑い好きにはたまらない1冊。
ちゃんと知っている芸人の知っているネタの解説がされていくのが楽しい。これ名前挙げられた芸人は嬉しいだろうな。
う大先生のKOC評のnote、有料だから読んでなかったのだけど、面白いんだろうな、読みたい…と思った。
「コントの中の登場人物には、どんな生き方であれ懸命に生きていて欲しい」
「ダラダラしたクズなキャラクターだとしても、その生き方を自分で選択したのならそれはそれで懸命に生きているということになります」
「そういう様々な人の人生が織物のように絡みあっているのが現実世界」
「舞台上に本 -
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ネタバレ中村計が「笑い神」を書く前に刊行していた…というかこれを書いたからこそ「笑い神」を書くべきだと考えたんだと思う…1冊。
ナイツの塙(ヤホーで調べたっていう方)へのQ&Aインタビュー形式、全90問でM-1を分析し徹底解剖する。ナイツはM-1優勝を逃しているのでタイトルが「言い訳」となっているが、なんのなんの、これは言い訳ではなく、負けた要因を徹底分析し捲土重来を期すための作戦ノートである。
お笑いはある意味アスリートである、という立ち位置は本作でも「笑い神」と同様で、4分という時間でいかに観客を温め爆笑という「うねり」に持っていくか。歴代優勝者や惜しくも敗れ去ったコンビたち、そしてナイツ自身 -
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サンパチマイクを前に前に喋る、ただそれだけのことに人生賭けるのって確かに馬鹿だけど最強に格好良いな。
自分の思うおもろいは何か、悩んで狂って…
笑い飯と千鳥の若い頃のエピソードとか常人は笑いのためにそんなこと出来ないだろってことまでやってのける姿が描かれてて正直読んでて怖かったし、同業者ですら彼らの世界に迂闊に足を踏み入れられなかったのかと更に驚いた。
漫才日本一の称号に恋焦がれて飛んで火に入る夏の虫の如く喋りひとつで戦っては散っていく姿、痺れるなぁ、そして厳しいなぁ、
笑い飯の2人の唯一の濃いコミュニケーションが漫才しかないっていう不器用さも自分の思うおもろいしか信じない頑固さも全部魅力的。 -
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ネタバレスゲーノンフィクション、「嫌われた監督」に並ぶとんでもない力作であり傑作。
色々書こうとしてみたけど、書くたびにどうしようもなくなり、レビューがまとまらない。とにかく読んで損なし。
主人公は漫才師の「笑い飯」、舞台は「M-1グランプリ」
笑い飯を巡って「M-1グランプリ」は、そして漫才はどう変化を遂げていくのか。
お笑いを題材にしてるけど、ド直球のスポコンノンフィクションである。普段テレビで見ている漫才師たちが、「M-1」優勝をかけてしのぎを削るさまは、まるで夏の甲子園!
…あかん、これ以上は思いが湧きすぎてやっぱりまとまらない。
こんなスゲー作品が、クソ週刊文春で連載されていたとは、「