あらすじ
藤浪晋太郎「大谷、どうでもいいんです」
《徹底取材ノンフィクション》
かつて大谷翔平よりも“天才”と呼ばれた同世代がいた。
大谷に「負けた」と言わせた少年。大谷が落選した楽天ジュニアのエース……。
天才たちは、30歳になってどうなったのか?
筆者は1年をかけて、大谷にも引けをとらない才能を秘めていたかもしれない選手(元選手)たちを訪ね歩いた。
「正直言うと……大谷はもうどうでもいいんですよ」
アリゾナで藤浪晋太郎はこう話した。
戦力外通告、現役引退、そして結婚、子ども……彼らの今を追う。
《目次》
プロローグ なぜ“藤浪の取材”は3度拒否されたか?
第1章 藤浪晋太郎、30歳の告白
「阪神時代、眠れなくなった」
第2章 怪物中学生は今
大坂智哉「大谷に“負けた”と言わせた少年」
第3章 消えた東北の天才
渡辺郁也「大谷が落選した楽天ジュニアのエース」
第4章 超無名中学生の逆転人生
岡野祐一郎「母親のウソで、ドラフト3位に」
第5章 高卒エリート組の後悔
北條史也「大谷にも藤浪にも聞けなかった」
第6章 大谷世代“最後の1人”
田村龍弘「アイツのことは話せない」
終章 再び、藤浪晋太郎
「大谷、どうでもいいんです」
エピローグ 「さよなら、天才」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
著者の中村計の本は何冊か読んだことがありますが、今回久しぶりに読み、とても読みやすく感じました。
本の内容について
小学校、中学校の時に天才と呼ばれた人が高校等で伸び悩む様子を詳しく書かれていました。
壁にぶつかった時にその壁をうまく乗り越えることができず、努力ができない、諦めてしまうということが書かれていました。
反対に大谷翔平や岡野祐一郎はマイペースに諦めず、乗り越えることができたことで、プロ野球選手等になれたのだと思います。
そのような姿を見て、才能もない自分が簡単に諦めて、努力を怠るのは阿呆というように感じました。
自分を信じる馬鹿さ、自分を俯瞰できる冷静さ、両方を備えるように努めたいと思いました。
Posted by ブクログ
大谷翔平、藤浪、北條、田村など甲子園を沸かせた世代。大谷翔平という一人の天才の成長過程にライバルとして出くわした野球選手たちの現在を追ったノンフィクション。
人生という人それぞれのゴールのある長い競走。小中学時代には天才と持て囃された人物も時の流れと共に埋もれていく。
素質があればあるほど努力の方法を知らず挫折していくという矛盾。
大谷翔平と遭遇し、別の道を歩む元天才たちの今後の人生にエールを送りたい。
Posted by ブクログ
1980年度生まれのプロ野球選手は非常に多く、彼らの事を「松坂世代」と呼ぶことがあります。一方、大谷選手の世代の事を当初「藤浪世代」と呼ぶ方が多かったようです。高校野球時点での実績としては、2012年に春夏連覇を達成した大阪桐蔭の藤浪選手が突出していました。
今日、大谷選手の実績については改めて紹介する必要がないほど、凄まじいものがあります。この学年には藤浪氏、大谷氏という二人の主人公が存在すると言って良く、彼らの同世代はこの二人との対戦や関わりによって野球人生に大きく影響を受けてきました。
本書はそんな学年で、中学時代~高校時代に二人との接点があった野球人が30歳となった今、彼らの事をどう感じているのか、彼らからどんな影響を受けたのかを丹念に取材したノンフィクションです。
本書に登場する人物には、今では野球をやめている人もいます。彼らの中には中学や高校当時、「大谷以上の逸材」や「大谷より凄かった」と言われるほどの才能を持った人もおられます。彼らが経験した早熟だからこそぶつかった壁、上を目指す競争から降りる決心をしたきっかけ等々、様々な形での挫折。一方、彼らは野球エリートであった経験も持っていて、世代の先頭に立った経験がありながら感じる挫折というのが本書のテーマの様な気がします。
そして、この世代のもう一人の主人公である藤浪氏は、実績で言えば、この世代の中でも十分過ぎるエリートと言えますが、阪神時代の苦難、メジャーに挑戦してからの紆余曲折と、必ずしも順風満帆なプロ生活を送ってきたわけではありません。その時々で、何を感じていたのか(阪神時代のバッシングや、金本監督との確執など)、著者が掬い取る藤浪氏の言葉を本書で読んでみると、マスコミが作り上げた藤浪氏のイメージがガラッと変わる気がしました。
藤浪氏は著者のインタビューで、”成績が良いに越したことはない。でも慣れている環境から、新しい環境に飛び込むという怖い事に一歩踏み出せた事は、野球キャリアというよりも人生において成功だと思う”と述べられています。新しい環境へ一歩踏み出す事が成功なのだ、と考えることが出来るなら、本書に登場する全ての人がにとって”挫折=失敗”ではなく、成功だと考えることが出来るのではないか、それは私達の人生にもあてはまるのではないか、そういう前向きな気持ちにさせてくれる1冊でした。
Posted by ブクログ
改めてプロ野球って凄い世界なんだと実感させられるし、比べてはいけないのだろうけど相対的に大谷選手の凄まじさが伝わってしまう。「早熟」ってめちゃくちゃ残酷な言葉だ。インタビューから聡明な人柄が伝わってきて、藤浪選手を応援したくなった。
Posted by ブクログ
普通に面白かったが、嫌われた監督とかと比べると全然物足りない薄い感じ
プロに行けなかった人たちも全然めちゃくちゃすごいのは変わりない。大谷が別なだけ。
その人らがめちゃくちゃすごいっていう物差しで見て、その上にプロで活躍してる人らがいて、さらにそのもっともっと上に大谷翔平がいる。
誰かと比べなくていいってのも教訓
藤浪頑張ってくれ!!私の世代は完全に藤浪に魅了された。あの世代は絶対に藤浪世代やと思ってる!
Posted by ブクログ
久々に読書。
新聞の書評を読んで、興味を持った。
以前読んだ「金足農業、燃ゆ」の中村計さんの作品だった。(読み始めるまで気づかず…汗)
でもやっぱり良かった!
毎日のように「オオタニサン」の快進撃のニュースが流れる。
何はなくても大谷の成績、活躍。
嫌いというわけではないが、正直お腹いっぱい。
他にいないのか?と。
こんな天邪鬼は自分くらいだろうなと自覚している。
大谷以外の「天才」にスポットライトを当ててくださって、なんだか嬉しい。
そんなに高校野球も好きじゃないんだけど。(笑)
でも自分のような天邪鬼には大好物な?内容。
(青森、岩手、宮城、福島…なぜ山形にはいない?)
天才達のアフター。
興味深く読んだ。
藤浪は197センチ。
大谷もそれくらい。
やはり野球も身体の大きさが物をいうのかなと率直に感じた。
Posted by ブクログ
「大谷世代」と呼ばれ括られる、「大谷以外」の野球選手たち。彼らにインタビューした『number』の連載。
この世代、高校ならば「藤浪世代」と呼ばれる方がしっくり来るらしい。昔から大谷は怪物だったわけではなく、周りにもっととんでもない怪物がごろごろしていた。過去の大谷は「普通」。自分のチームメイトの方が、あの学校ならあいつが凄い、彼は割と打たれていた、というような話がとても多かった。
どうしても自分たちは何かでラベリングして見てしまうけれど、それが失礼だよなと感じた。
それぞれの選手に濃いドラマがあって、正直大谷はほぼ関係ない。大谷世代と呼ばれる事嫌だよな、と思い込み、傷付いた内面の話になるとどこか期待していたように思う。
プロデビュー後の加速がとんでもなかったから、メディアが余計に持ち上げたのか。
大谷は自分のやりたい事をひたすら突き詰めているようだし、失敗も経験として捉えるくらいの大きさがあって、周りに流されず己を貫けるところが圧倒的なのかもしれない。修行僧みたいな。本当はメディアを手玉に取っていて、外面は「大谷」を演じているとかなら面白いなあ。
「プロ野球戦力外通告」にも似たような雰囲気の本。甲子園やプロの表面しかみていないから、華やかな人生なのだろうと美化してドラマのようにして、選手に押し付けていたように思う。
小さい頃から成功しているとプライドも高くなるし、その場で生き残るための行動が本来の自分とのズレとなり苦しむし。選手たちは想像よりも子どもだし思慮深いし、しんどい。
とりあえず大谷世代と括ってタイトルにつけて安直に売ろうとするのはやめよう。但し、それで手に取った浅はかな自分には目を瞑ろう。