中村計のレビュー一覧
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5名の一流アスリートのその後(現役の方もいるが)を追跡し、「悲運」とくくられるゆえんを問う内容にしようとした本と見た。筆者の想定が強烈すぎて、それにそうように勝手に解釈を完成させようとしているのでは?という疑念がまず起きてしまい、途中、いらっとしてしまった。が、総じて客観的ではあるとは思い、特に水泳選手の記事には色々思うところもあり、最後まで通読できた。
まじめな人、感性が独特の人等スポーツという極めて厳しい世界で名を馳せた、馳せることがどんだけのものなのかということを少し感じ取ることができたのではないか、と思っている。いや、やっぱ究極であると思うことしきり。自分の日常にこのような状況はな -
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類まれな才能に恵まれ一度は栄光を掴んだものの、その後消えてしまった「不運」のアスリート達を追ったスポーツノンフィクション。
不運なルール改定や、ちょっとしたタイミングの悪い小さな出来事、など「あの時あんなことさえなければ…」というのは結果言い訳に過ぎない。
その後のトップアスリート達の、張り詰めた糸がギリギリと音をたてるような精神状態を追いながら、五輪で金メダルを獲ったり、プロで一線であり続けるような頂点に立つ者は、場の雰囲気や全ての運を自分に引き寄せるメンタルを持った一握りの神に選ばれし者だということがヒシヒシと分かる。
そして類まれな才能に出会ってしまった指導者と選手の結びつき、確執、 -
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その試合の後で教え子たちにかけた監督の言葉に、ぎゅっと胸が詰まりました。
「星稜らしく、散ってしまったな。」
それは、監督自身が13年前の教え子と甲子園で経験した、簑島高校との延長18回の激闘の末の敗戦に重ね合わせて言った言葉。
野球にうとかったわたしでもその試合は鮮明に記憶しています。
いまも何かにつけ、甲子園の名勝負として紹介されることの多い試合です。
そして今回この本で取りあげている試合は、また違う形で星稜が甲子園の悲劇の象徴みたいになってしまった時のことです。
わたしの祖父と同じ根上町出身の松井秀喜選手は、それだけでとても身近で親しみを感じる相手。毎年夏に帰省すると、地元の寺井駅 -
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緻密にして豪快な野球でファンも多い日大三高。
今年夏の甲子園では、小倉監督のもと10年ぶり2度目の優勝をしたのがまだ記憶に新しいところ。
その日大三高で2010年春の準優勝時、投打に大活躍したのが、この本の主人公、山﨑福也(やまさきさちや)くん。
脳腫瘍を克服した山﨑くんのがんばりは、同じ病気の人を勇気づけ、私たちに命の大切さを教えてくれます。
小倉監督の人柄や日大三高野球部の様子もかいまみれて、いいです。
明治大学へ進んだ山﨑君、これからも頑張ってください!
巻末に山﨑くんと日大三高の甲子園記録集が載っています。
また著者の中村計さんは、Number Webに高校野球コラム“甲子園の風” -
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お盆に旅行中、佐賀の本屋で見つけた。
野球の話というより、野球部の話。
帯の推薦文が「もしドラ」の方だったのもあって、「チーム」話として読んだ。
その年の甲子園はテレビで見てたが、もう一度試合の様子を映像で見みたくなった。
試合のことを知ってても、わくわくドキドキしながら読んだ。暑い季節にいい。
乗りに乗ってるときは、周囲の他人すら巻き込んで味方に引き込んでしまう。
それって、スポーツの世界で公平になるのかは、スポーツに打ち込んでいない私には疑問。
私の少ない経験上、トップとナンバー2の息が合うか合わないか、って人数束ねる上で重要と思うので、
佐賀北の監督と部長の息の合い方は、結構理想。