ダン・シモンズのレビュー一覧
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わははははは。上下二冊でいったい何ページ読ませたと思ってんだ!話を広げられるだけ広げておいてここで終わりかい(笑)!こりゃもう『オリュンポス』(こんどは三冊だよ)も読むしかない。それは間違いない。ギリシャ神話なんか読んだことなくても、量子テレポーテーションの仕組みがわからなくても、シェイクスピアやプロスペローを知らなくても、こんなにワクワクさせてくれるなんて。やっぱりシモンズすごい。マーンムートとオルフの友情、ホッケンベリーのやけっぱちぶり、話が進むうちになんだかかっこよくなってきちゃったディーマン、と登場人物は魅力たっぷりだし、本筋に全然関係なく飛び出す小ネタの数々(最初から読み直して全部こ
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「オリュンポス3」ダン・シモンズ/酒井昭伸 訳
SF叙事詩。土色。
「イリアム」シリーズ最終巻。
シモンズのイリアム世界も終幕を迎え、古典的人類、イリアス、モラヴェックの3ストーリーがごたまぜになって大団円。
一応、順当なハッピーエンドになるんでしょうか。
相変わらず圧倒的な世界観と、物語舞台の色彩感は脱帽!のひとことです。
ただ本作で最終巻ですが、前作(「オリュンポス2」)までで広げた大風呂敷を畳みきれてない感じが。
セテボスはどうなったの?<静寂>の正体は?ポストヒューマンの思惑は何だった?ディーマンとキャリバンの決着もついてないし、QT・ファックス・ブレインホールその他の種明かしも物 -
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すごく楽しみにしてたのに、正直、1ページ読んだだけで「こりゃ無理!」と思いましたね。いきなり訳わからなすぎ(笑)。ギリシャ神話もちゃんと読んだことない私には敷居が高すぎたのかと激しく後悔。でも、『ハイペリオン』も最初に読んだときはいったん挫折しかけたことを思いだし、我慢して読み続けてみたら!これがなんとすばらしい!!今のところ物語の舞台は三箇所。もちろん一箇所はギリシャ神話の世界。そして、あとの二箇所は遠い未来の地球(たぶん)と木星系(笑)。大風呂敷を広げるにもほどがある、と言いたくなるようなスケールのでかさ。ああ、早く続きが読みたいような、もったいないような。ひさびさの幸せ。
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8年前に死んだと聞いていたインドの大詩人ダースは生きていた。しかも新作まで書き上げて。編集者で詩人のルーザックはダースの新作を入手すべく、妻子を伴ってカルカッタへと飛んだ。しかし、熱気と汚濁と臭気に満ちたカルカッタは、ルーザックにとっては悪夢に等しい場所だった。ダース本人への面会を拒まれた彼は、インド人の若者から「ダースの死体が生き返ったのを見た」という奇妙な話を聞かされ、独自に大詩人を探そうとするが、暗黒神カーリーを崇める教団の魔の手がルーザックに迫る……。
1985年度世界幻想文学大賞受賞作。
ホラー小説としての怖さよりも、想像を絶する現実がこの世界にはあるということがこの作品の醸し出す -
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2010年の読み初めはこれ!と決めて、暮れに届いてから楽しみに置いていた。なんといっても「ハイペリオン」番外編となる表題作が収録されているんだから。数年前のSFマガジンですでに読んでいたけれど(その号はハイペリオン特集号で、もうなめるように楽しんだ)すっかり内容を忘れていた。まるではじめてのように読みながら、あらためて、自分がいかにハイペリオン世界を愛しているかしみじみわかった。大叢海、炎精林、地下迷宮、聖十字架、森霊修道士…私にとってハイペリオンは、時空を越えて、実在と変わらないものとして、つまり、確かな存在感と茫漠としたつかみどころのなさを併せ持つものとして存在している。
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世界幻想文学大賞を獲得した、ダン・シモンズのデビュー作です。
ダン・シモンズは『ハイペリオン4部作』で名声を博していますが、SFオンリーの作家ではなく、ホラーやアクション物も書いています。とにかく長編が得意な人で、どの作品でも一度読み始めると止まらなくなりますね。
本作は、アメリカの詩人が、何年か前に死亡したはずのインドの有名詩人が生きていて、その新しい詩をアメリカで発表するためにインドはカルカッタを訪れることによって始ります。
カルカッタの雑然とした状況と得体の知れない人物達が、ある大きな悲劇を引き起こすのですが、とにかく圧倒的な筆力でのめり込んでしまいました。
なお、本作のテーマ