ダン・シモンズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレハイペリオンシリーズは、最近出会った中では珍しく最初だけ面白い尻窄み作品に該当しない作品のようだ。
レビューで絶賛されているのに釣られつい大人買いしてしまい、最初は良くても巻が進むにつれ面白さが減っていき大人買いを後悔する、というパターンが続いていたので嬉しい限り。
『ハイペリオン』の続編。と言うより、『ハイペリオンの没落』でもって初めて物語が完結するので、実質一作品だ。
『ハイペリオン』は巡礼者が一人一人物語を語るオムニバスのような作りだったが、本作ではそれをベースに前作では背景だった現在の時間軸でのストーリーが大きく動き出す。
『ハイペリオン』で別々に語られた物語が同じ世界の中で重なり合 -
Posted by ブクログ
上巻に引き続き惑星ハイぺリオンの<時間の墓標>を目指す七人の巡礼者の身の上話。
今回語られるのは、学者と探偵、そして領事の物語である。
どの話も小説一本分に相当する内容の濃さであると思う。
娘を愛する親のストーリーには涙を禁じ得ないし世界の根幹を揺るがすミステリーには手に汗を握る。
そして世代を経て社会の歪みに立ち向かってゆく姿には心を打たれる。
本当にダン・シモンズという作家は、どんなジャンルでもこなす力量を持っているんだなと驚くばかりである。
これら巡礼者の語る物語によりこのハイぺリオンの世界を理解した読者に待っているのが本格的にドラマが動き出す「ハイぺリオンの没落」である。
是非こちらも -
Posted by ブクログ
稀有壮大な銀河叙事詩が今始まる!
宇宙の辺境にある惑星ハイぺリオン。
その地にある不可思議な遺跡<時間の墓標>、そして不死身の怪物<シュライク>。
その謎を解明すべく様々な経歴を持つ七人の男女がかの惑星へ旅立った。
このハイぺリオンだけでも十分過ぎるほどボリュームがあるのだが、物語としては「ハイぺリオン」と「ハイぺリオンの没落」のセットで一つの物語を成しており圧倒的なボリュームの物語である。
しかし、物語のテンポと読者を惹きつけて放さないストーリーの魅力により全然長く感じない。
ハイぺリオンでは七人の男女がなぜこの探索行に加わることになったのかその経緯が各人の口から語られる。
この巻では