長沼毅のレビュー一覧
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高校生向け読書コンクール課題図書~無機物から有機物を作る研究はアメリカのミラーが高圧電流を太古の大気に流すことでアミノ酸を合成。熱水循環でも可能なことが立証され,鉱物の表面でも起こることが確認された。彗星上でも起きることから生命の起源を宇宙に求めることもある。生命の定義は難しいが,特徴としては代謝・増殖・細胞膜の3つに進化を加える。進化は結果であって目的ではなく,環境によって生存率が違ってくるだけのことだ。シノバクテリアが水を原料として酸素を生産し始めて,地球の大酸化が始まり,ミトコンドリアが出現。温室効果が高いメタンガスから,二酸化炭素に代わることで,温室効果が1/20になり,全球凍結。ミト
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本書は天文学者ではなく、生物学者と惑星形成論を専攻する学者による共著。天文学者たちの多くは、地球外にも生命が存在することに楽観的だが、生物学の立場からはきわめて否定的ということになるようだ。そうしたことを検証するために、まず地球内の極限状況に生息する生命を観察することで、いわば生命としての限界値を探っていく。それを太陽系内、さらには外宇宙へと拡げていくことで可能性を考察するという試みだ。もちろん、現段階では結論は出ないものの、「知的高等」生命ということになると、あるいは全宇宙で我々だけなのかも知れない。
本書を読む前は、私もこれだけたくさんの銀河を有する全宇宙には当然、地球以外にも高等生命 -
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「死なないやつら」
題名が面白い。興味をそそられる。
生命とは何か?をメインテーマに色々な切り口から様々に判りやすく生命学にアプローチする。
・「生命とは何か」とは何か
・極限からみた生命
・進化とは何か
・遺伝子からみた生命
・宇宙にとって生命とは何か
「極限からみた生命」が読み応えがある。題名にもなっているし一番面白い。高温に強い生物、低温に強い生物、真空でも生きていける生物、何故か放射能に強い生物。
進化論も大型生物に於いて実証出来ていないので、いつまでも~~論なんだ、進化学とは言えない、の理屈は面白い。(微生物レベルは実験室で確認出来るが、大型生物、例えば哺乳類が目の前で進化を遂げる -
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122℃の高温,2万気圧の圧力,40万Gの重力,1440Gyのγ線,5000J/m2の紫外線,30%の高塩分,そんな極限環境下でも生き延びる地球生物を見つめながら,「生命とは何か」,「『生命とは何か』とは何か」を考える。
地球上の生命の起源はどこにあるのか。我々の知っている単一系統の生物の他に,宇宙に生命は存在するのか。植物と動物を生み出したのとは別の共生進化は起こるのか。こんな謎が解明されるのはずっと先なのかもしれないが,人類は着実に知見を深めてきている。
当初の企画では極限生物のカタログのようなものを構想していたそうだが,大風呂敷を広げたのは正解で,とても刺激的な本になっている。 -
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南極、深海、砂漠、地底、地球外といった辺境やそこに存在する生き物を通して、生物の不可思議さをめぐる旅を味わう本書。科学界のインディージョーンズこと長沼毅氏の辺境探索話を中心に、実際に、日本国内の各所を旅しながら、対談が進められるため、辺境の紀行文としても楽しむことができる。酸素とケイ素が多く、炭素が少ない地球で、我々人間を含む、炭素ベースの生物が多数の中、ケイ素をベースにした珪藻が2億年前に生まれ、現在地球で大繁栄している。生物の次のステージはケイ素ベースになることも考えられるとのこと。そういえば、最近身体にシリコンいれる人増えたよなあと変な関心をした 笑
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不思議とワクワクが詰まっている
科学は本当に面白い。
なぜ?どうして?どうなるの?
とにかく好奇心でいっぱいになってしまう。
確かに難しいこともある。
計算式だのなんとか法則だの......でも、そんな些細なことで、拒否反応を起こすなんてもったいない!
眠れないほど、かどうかは人によるかもしれないが、すごい、楽しい、そんな気持ちが生まれてくるはずだ。
宇宙人はいるの?
こんな疑問を持ったことはないだろうか。
私たちのいる地球は私たちの銀河系で言うと、端の方で、東京に例えると都心とは言えない場所にある。
中央線や京王線を使えば.....とはいかないのが宇宙でして。
宇宙人からメッセージを受け取 -
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「深海生物学への招待」
しんかい2000で初めて深海に潜り、青い異世界に触れた驚きから始まる、大冒険と大研究の記録。
いつの間にかお茶の間に現れた長沼毅氏による体験書。彼の専門は、生物圏科学研究科となっているが、深海は生物圏としては非常に魅力的だろう。サンジにとってのオールドブルーのようなものか?
表題は、深海生物学となっているのだけど、多くの深海生物を扱っているのではなく、大半のページは、チューブワームという生物に割かれているので、ご注意を。
さてさて、チューブワームと言われて、「ああ、あいつね!」となる人はどれくらいいるだろうか。
深海奥底に住むチューブワームは、口も消化管も -
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ネタバレあちこち話題飛びますが、長沼さん、ほんと面白い。
深海展のショップで見つけて思わず買いましたが、買って正解。
地下のほうが地上よりも生物量が多いとか、強力な放射線下でも耐えられる生物とか、ほんと知らない世界がこの1冊に詰まってました。
「非常に少ない例から大局的な考え方をつくっているけれど、多分、例をもっとたくさん集めれば違ったモデルができてくるはず。今はあまりにも例を知らなすぎる。」
制度設計、組織設計にも、言えるかもしれない。設計者があまりに例を知らなすぎる(勉強不足)だと、、、こういうとすぐに他社の事例なんて、真似したってという人がいるけど、真似するわけでもなく、よりよい適合する -
Posted by ブクログ
生命の起源、条件と歴史がよくまとまっている。
生命の起源については、深海説、鉱物説、宇宙説を取り2番目の可能性が一番高いとする。
生命の条件については、細胞膜、メタボリズム、進化を条件に挙げる。
生命の歴史については、誕生した原核生物が、他の生物を取り込んで真核生物になり、さらにミトコンドリアや葉緑素(シアノバクテリア)を取り込んで、単細胞となった。また多細胞生物になることで複雑な形態を持つことが出来るようになり、高酸素濃度にも耐えられ、陸に上がりさらに増殖することができた。また初期の多細胞生物はエディアカラで発掘された生物群のように単純なフォルムの組み合わせの軟体生物だったが、目の誕生ととも -
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天文学者や物理学者は、宇宙のあまりのスケールに存在を疑う特別な理由を見出さず、一方生物学者は生命の神秘さに魅了されるあまり存在を疑う。
かつては口にだすのも躊躇うようなアヤシイものだったのが、現在では地球外生命を科学的な対象として扱うのにタブーとはされなくなった。
私自身は、実感すら持てない途方も無い宇宙のスケール的に、敢えて否定的になる理由を持てないので、多分いるだろうと思っているが、やはりちゃんとしたデータと推論で議論できるようになってきたのが面白い。まぁプリミティブなカタチでの生命はどこかにはまずいるんじゃなかろうか。
問題は、知的な生命がいたとして、わざわざ膨大な労力(エネルギー)を使 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ宇宙の成り立ちを知るためには、地球からなるべく遠く離れたところを観測するのが効果的だ。光が有限速なので、離れれば離れるほど、そこで観測されるデータは過去のものとなる。今見える100億光年離れた天体の姿は、つまり、100億年前の姿なのだ。
生命起源の話もこれに近い。生命の起源を探るには、今の地上とかけはなれた環境に生息している生命を観察するのがいい。高温、低温、強酸、あるいは強い宇宙線にさらされているなど。
この本はそうした環境下の生物について、その環境に近い場所(あるいは施設)で科学ライターと科学者とが語るというユニークなもの。そしてこの科学者の語りが学識が裏打ちした床の上を見事に飛び、