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Posted by ブクログ
ET、UFO、エイリアン、人々は今まで様々な地球外生命体を想像してきた。では実際に地球外生命は存在するのか、それともこの広い宇宙でわれわれは孤独なのか。
この問いに対して、生物学者達は、生命が誕生し、進化するには大変特異な環境が必要なので地球に知的生命体が存在するのは偶然だと考え、地球外生命の存在には懐疑的だ。一方天文学者や物理学者達は、地球に知的生命体が存在するのは必然であり、広い宇宙には膨大な数の地球に似た惑星があるので生命が存在する惑星も沢山あるに違いないという確信派で、長年地球外生命を探す試みを続けている。
本書は生物学者の長沼と天文学者の井田が知的生命体の存在についてそれぞれの専門分野から考察するもので、先ず地球に存在する生命体が、どれほどの超低温、超高温、高放射線量、高圧力などの極限状態で生存可能なのかを調べ、次にその生存可能な条件の範囲内に存在する惑星はどれくらいあるのかを検討し、地球外生命の可能性を考える。
読み進めると、地球に生命が誕生し、しかも知的生命体に進化したのは奇跡的な偶然の結果だったことが分かるので地球外生命の存在に懐疑的になるが、銀河系外までも含む膨大な数の惑星の存在を示されるとやはりその中には知的生命体が存在するかもしれないとも思え、どちらとも確信できない。地球外生命の存在を探す試みはこの50年間成果が無く、結局まだわからないのだ。
最先端の生物科学と惑星科学を動員して地球外生命の存在を考える本書は、私達に星空を見上げる一層の楽しさを教えてくれる。
Posted by ブクログ
生物学者の長沼毅と惑星科学者の井田茂による共著。
科学界では、地球外生命の存在について、天文学者・惑星科学者・物理学者の多くは肯定的、生物学者の多くは否定的なのだというが、両者の共著ということで、双方の視点に立ったバランスのよい内容となっている。
本書では、以下のようなステップで考察が進められる。
◆地球の生物が生きていける極限の条件・環境とはどのようなものか?
◆惑星の物理・科学的条件さえ整えば、生物(微生物)は発生するのか、それとも、生命の誕生は奇跡に等しいできごとだったのか?微生物が多細胞になり、有性生殖を行うようになり、人類が知性を持つようになった起源・条件はなにか?
◆地球の生物が生まれ、進化していく上で、地球の環境の何が本質的に必要だったのか?地球という「ハビタブル惑星」(生命を宿し得る惑星)のできかたが“ちょっとだけ”違っていたら、地球はどのような環境になり、それは生命にどのような影響を与えたのか?
◆太陽系の中で地球に最も似ている惑星・火星、また、有機物・熱源・液体という生命発生の有力な条件のうち2~3つが揃っている、木星の衛星のエウロパやガニメデ、土星の衛星のエンケラドスやタイタンには生命がいる可能性はあるのか?
◆系外惑星が最初に発見された1995年以降の観測により、銀河系の恒星の半分以上に地球型惑星(岩石惑星)が存在することがわかってきたが、そうした系外惑星に生命がいる可能性はあるのか?
そして、最終的に結論が示されるわけではないものの、「おわりに」で、長沼氏は「生命の誕生も知性の誕生も奇跡のような事件だったのではないかと思えます。ですから私たちは宇宙で孤独な存在だという可能性が高いでしょう。しかし、この感覚をいささかゆるがせているのが系外惑星の数の多さとハビタブル天体の多彩さです」、井田氏は「楽天的な確信派の天文学者や物理学者たちも、「知的生命は?」という話になると、とたんに意見がばらばらになってしまいます。・・・存在を検証できる知的生命体が、電波を使った文明に限られるとしたら、その文明の存在確率は、継続時間の限界も含めて、限りなく小さいように思えます」と結んでいる。
「地球外生命」について、最新の研究結果、様々な立場の見解をコンパクトにまとめた良書である。
(2016年4月了)
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