梨とりこのレビュー一覧
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ネタバレ上下巻の感想をまとめて以下に。
他に頼る者のいないいじめられっ子中学生路彦が下っ端ヤクザの信二に惹かれ、信二もまた路彦の存在に癒され、そんな二人の関係が発展していくのがものすごく自然だった。
いじめられっ子で泣き虫なチン彦もかわいくて好きだったので下巻の表紙絵だけ見てもちょっと動揺したくらいだったけど、いざ読んでみれば全く抵抗なく、むしろチンピラヤクザ攻め×いじめられっ子体質受けからの下克上は意外性もあって正直凄まじい萌えがあった。成長した路彦の逞しさと、根っからの悪にはなりきれない信二の良くも悪くも弱い部分、それが顕われたのがあの廃車の中から信二がかけた電話にあった路彦への「助けて」だった。それ以降はもう弱くて危なっかしい信二がかわいくて仕方なく、路彦は路彦でそんな信二さんを守る頼りがいのある男前になっていてびっくりするくらいかっこいい。
最後は助長に感じなくもないけど、信二と路彦が大好きになっていたのでハッピーエンドが見られて良かった。 -
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製造業お仕事もの。表紙でもふもふケモ耳かと思ったけど、ふつうに作業服萌えなハナシでした。でも、ケモ耳的な萌えが詰まってます!黒ヒョウと白ウサたん!
何が良かったって、Hシーンです。受がかわいくて萌えまくりました。小動物みたいに健気で庇護欲そそるタイプなんですが、かと言って、なよなよしてないのがまたいいんです。
攻もまた、肉食系ですぐ食らい付いちゃいそうに見えるのに、じっと我慢しちゃっているんです。そんな二人にツボってしまいました。
お仕事ものとしてもすごくよかった。家族を失ってしまい引き取られた叔父の魔の手から逃れるため、中卒で就職した幸弥。同じ工場に勤める人たちは皆優しくて、温かくて、幸弥は周りに応えるためにも一生懸命真面目に働き続けます。
そんな幸弥の唯一の悩みは、部長がセクハラまがいのことを仕掛けてきて、どんどんエスカレートしていること。でも、誰にも相談できません。そのことに気付いた関目は、かわいい同僚である幸弥のために一役買って出ますが。
工場内の作業や人間関係も細やかに描かれていて、生き生きしています。ディティールがしっかりしているのでリアルです。
そして、幸弥と関目の両視点から描かれているのでそれぞれの感情がすごくわかりやすかった。二人がだんだん互いを好きだと自覚するまでの気持ちの高まりが受け入れやすかったです。幸弥が関目への気持ちに気付いて羞恥したり、いけないと思ったりしながらも、いざHとなると無知ゆえの大胆さがあって、その数々の言動に思わず悶え死にそうに。
きっと何度も辛抱たまらん気持ちに襲われたはずの関目は、ほんと気の毒です。
煩悩まみれになった挙句に、我慢死しなくてよかったですw
関目の幸弥と彼の亡くした家族への思いやりがすごく感じられて、思わず涙があふれてしまいました。
関目は誠実でステキな男です。きっと幸弥は大事にされるんだろうな~と確信。
関目と仲のいい千林。非常に気になる脇キャラでした。どんなドロドロの愛欲の過去があったのか、ぜひ知りたいです!もしかしてオヤジキラーの受?妄想しすぎます。スピンオフ、プリーズ! -
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悶絶カワユスな牧野っちとは同郷です(笑)。
なので、方言にあらら~と思う部分があっても(爆)、ほわほわな頭をグリグリしたかったで~す!!
結構自分というものをもってしっかりしている感じで、ますますお気に入りです!
そんなかわいい牧野には、末永~く関目と楽しく暮らしていってほしいです。
さて・・・千林さんwww
彼はいったい何者なのでしょうか???
かなりスーパーマン的に牧野を助けていると思うのに、広い心で(関目を認めている)牧野をかわいがる様子で、お兄ちゃんやお父さん(失礼!)のような気持ちでいるのか?あくまでも縁の下の力持ち。
はじめは本社からの隠密(笑)なのか、とも思いましたが。
気になる~~~!!
カバー絵からして3人だしなぁ。
う~ん。
も少し悩んでみます!? -
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後半、家族だと思って信じてきたものから裏切られ追い詰められていく山田。不幸な生い立ちからヤクザになるしかないと思っていたけれど、ヤクザになるには優し過ぎる繊細さ。その弱さも引っくるめて全てが愛おしい。
そして、路彦の甘ったれの中に見え隠れしていた肝の座った強さ!極限状態になって泣きながら路彦に縋る山田を優しく包み込む路彦…まさに下克上的展開なのですが、そんな軽い言葉では語れない程、紆余曲折を経てやっと愛に辿り着いた自然で必然な流れだと思います。
背中の龍が、ヤクザになりきれない山田を笑っているかのように滑稽ながらも美しい。
僕の人生のそばに来てくれてありがとう…なんて素敵な愛の台詞(*^^*)を恥ずかしげもなく言ってしまう路彦と悪態をつきながらも嬉しくて涙ぐんでしまう山田にキュンキュン\(//∇//)\します。読んでいる私も胸が熱くなり涙したラストでした。 -
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木原作品の容赦のなさは、物語の主軸として描かれる登場人物に対しての周囲の人たちが、それなりの対応をする、と言う部分にもあると思う。
読み手はどうしても主人公周辺の人物に肩入れする。自分の身に置き換えて読む人もいるだろうし、知っている人に似ているとか、そう言う目で見てしまうかもしれない。感情移入まではいかなくても、傾きながら読んでいると思う。その傾きを、登場人物への慈悲や贔屓で表してほしい、と身勝手な願いを時に抱いてしまう。これだけ辛い目に遭っているのだから手加減してやって欲しいとか、報われるようにして欲しいとか、読み手としては
手を貸せないので、周囲の人間に動いて欲しいと願ったりするが、上巻の時もすごく感じたが、あくまでも登場人物たちの世界の中で彼らは生きているわけで、いきなり「いい人」になったりはしないもんなのである。自分の人間関係を考えればよく解る。思いもよらなかった人から助け船が出されるなんて、早々経験できるものじゃない。早々出来るものじゃないものは、物語の中でも早々起こるもんじゃないのだ。これを、「容赦がない」と表現されるんだろうな、とも思うが、こう言うところに「逃げない」作家さんとして、信用度が個人的には上がるんだけどなぁ。 -
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東京の一流大学に進学した路彦と、舎弟と共に東京の本橋組の構成員となった信二。 二人の関係は続いている。 冬休みに信二のマンションに入り浸りになる路彦が可愛らしいが、徐々に大人の雄になりつつあった。
中学生のときにフリチンで泣きついてた弱虫が、やがて組から逃避行するヤクザを助けられるまでに力をつけた。 その本質は、中学生のときに刑事に食って掛かった勇敢さに現れていたように思える。
信二はヤクザだが、度胸があって肝も据わっているのではなかった。 だから路彦は『信二さんを守ってあげたい』と思ったのだ。
物語終盤の、路彦に助けをもとめて逃避行し、はじめて二人が繋がるまでの流れは涙なしには語れない。 その後の、信二が路彦の悲劇から逃れたいあまり出頭するまでの流れも然り。
最後の二人のやりとりと、美しい挿絵に再びホロリと来ました。
上巻のレビューでも書いたとおり、お互いを想いやりすぎるあまり進展しなかった関係がようやく結ばれて、本当に本当に良かった。
二人を結んだ磁石は、『拠り所のない孤独』だったのだろう。 路彦も信二も、真の友人はおらず、孤独だった。
信二は物語中に何回か、『孤独の中で雪に埋もれた』父と、自分の生きざまをオーバーラップさせる。 だが、彼には路彦と謂うかけがえのない存在がいたのだ。 路彦に出逢ったことで、彼の人生は変わった。
僕は同性愛者であるが、孤独を経験し、命を断ち切りたいと思ったことがある。 苦しみの輪廻を断ち切るには、愛する者の存在さえあればいいのかもしれない。
この物語は、路彦の成長と信二の救済の物語だと思いました。 こんなに美しい物語にはなかなか出逢えないので、幸運です。 -
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いじめられっ子の中学生・路彦が夜の学校で目撃したのは、同級生の飛び降り自殺だった。 いじめっ子の長尾とその取り巻きにリンチにあっていた路彦は、そのことに探りを入れていた金髪ヤクザの信二に助けられる。 そこから10年間に及ぶ二人の長い物語は始まる。
何故か解け合う二人。 おそらく、初めから互いに『磁石のように』惹かれていたのだろう。 信二は「ヤクザにはヤクザが寄ってくる。 磁石みたいなもんだ。 こいつも、そのうち悪くなっちまうのかな」・・・と感じる。 事実、路彦が高校で友達になった森の父親も同業者だった。
だが、それは違う。 何故なら信二は筋金入りの悪者ではないからだ。 彼の境遇が、彼をその道へと歩ませただけなのだ。 信二の本質は、ヤクザには向いていなかった。 これは下巻で痛いほどわかる。
この信二の本質的な弱さが、二人の関係が曖昧なまま年月が経過していく要因だろう。 お互いを思い遣りすぎるあまり、関係がギクシャクすることもよくある。 しかし、路彦には迷いは無い。 下巻での立場逆転は全然急展開ではなく、二人の生まれながらの本質が露になったのだ。 こういった描写が非常に上手い。
続きは下巻のレビューで。 -
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ラカン神国国民は皆青みがかった黒い瞳と髪を持ち黄桃色の肌をしている。そこでは神の子である天子が絶対的存在であり、その神兵となるべく13歳で入隊した少年達のこめかみには正規の神兵になる時にチップが埋め込まれる。それは天子へ不敬な事を考えたり行動すると爆発し命を落とさせるものだ。
家が貧しい為に給料の良い神兵へ志願したセツは戦闘のさなか敵に殺される前に自決しようとしていたところを敵国、ガイゼル帝国の大将ヨルク・レイドに命を助けられる。ヨルクは皇帝のいとこでガイゼル帝国民らしい白い肌、金髪、翠の瞳を持つ美丈夫だ。
ガイゼル帝国皇帝アーシェイドの治世において元々の領土である大陸を補正戦争の名の下に侵攻を続けていた。
天子の治める貧しい国ラカン神国もその脅威に脅かされている。
敵を見つけたら殺せ、摑まる前に自決する事は決まりであり絶対だったのにセツは捕虜として摑まり、禁止されていた肉欲的な事をヨルクに施される。
捕虜としてチップの分析が出来れば殺されると知りながら次第にセツの気持ちはヨルクへと傾いて。
ヨルクに恋心を寄せる軍医のキールも戦闘の中捕虜として摑まり、ラカン軍中将のシンを籠絡して利用しようとするのだが。
ついに天子様である「ミコト」が皇帝に捕まり、無理やり貶める事をさせられたり、各地で柱に縛られて見せしめにされたりと酷な目にあいますが、天子にされてしまってからの背景を知ったアーシェイドの気持ちに変化が見られます。
最後はそれぞれの想いが交じり合うようなガイゼル皇帝と天子の結婚初夜が神聖で印象的でした☆ -
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雑誌連載の3篇に書き下ろしがプラスされた、3CPのオムニバスストーリーです。
とってもエロスなファンタジー戦記。軍服好きにはたまらん設定です。ストイックな軍服に包まれた躰が淫らに蕩けるのに萌え。神の代理人である天子様が敵国の皇帝にいたぶられるというのもお気に入りな展開。
しかも、そんなSM蹂躙系の話であるにもかかわらず、そんなにシリアスでもなく、ラブがあちこちにダダ漏れです。沙野作品としては甘め。セリフひとつが洒落てて味があって、ダーク一辺倒じゃありません。
「神の人形」は、ガイゼル帝国の親衛隊大将ヨルク×ラカン神国の若い兵士セツ。ヨルクがすごくオープンにドS!「奥までたっぷり汚染してあげよう」とか言っちゃいます。でも、従順でピュアなDTをいたぶるうち、その素直で計算無しの媚態にどんどんメロメロに。セツがいい子なんです。ヨルクの変態っぷりを疑いもせず受け入れてしまう素直さが胸キュンなかわいさです。
「神の愛人」はラカン神国の中将シン×ガイゼル帝国の美人軍医キール。ラカンに捕らわれたキールは、ヨルクの消息や自国の情報を入手するために、シンに対して色仕掛けでせまります。男を手玉にとるキールの手腕は並じゃない…勝手に当て馬にされてしまったヨルクにも同情。
キールが石鹸で体を直に洗うシーンは、昔観た映画の場面を彷彿とさせてよかった。
シンの堅物DT攻がすばらしいです。「貴様」ですよ、貴様。さすがのビッチなキールも押されまくり。
二人の心が結ばれる経緯は、キールの意外な純愛もあって胸にせまるものがありました。
「神の囲い人」はガイゼル国皇帝のアーシェイドが、制圧したラカン神国の天子のミコトを性的な恥辱で貶めようとします。アーシェイドはとんでもなくオープンなエロ皇帝。清々しいほど強引系な変態っぷりは、やはり権力の賜物?対するミコトが性に関してあまりにも無知なのが、かわいくて煽られます。強引俺様と天然世間知らずの会話が見事なずれっぷりを見せていて、悶え死にそうになりました。「勘違いしろ」の一言、ステキすぎる。
書き下ろしは、チャレンジャーなセンセの6P展開乱れ咲きです。愛ある和姦ってことで、決して乱交パーティではないのがポイント大。なにぶん、結婚の儀なので品のある変態っぷり?しかし、ふつうに倒錯の倒錯。頭の中でこの場面想像すると鼻血が出そうになります。 -
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男くさくていい加減で不埒な刑事×堅物なクールビューティー検事。
女を口説くような軽い調子でからかってくる刑事の加倉井を苦手に感じているけれど、仕事となれば真面目に協力する検事の千条。
警察と検察は馴れ合ってはいけないと、距離をきっちりとりつつ事件に取り組む千条は、とても特徴的で魅力あるキャラ。千条の視点で一人称で話が進行するので、読み始めは私と語る千条のモノローグが鼻につくんじゃないかと思ったけど、これが意外に面白さを倍増させていて効果的でした。
言う事もやる事もきちんとしていてソツがない、ただの堅物な受という千条の印象が、実は全く違うということにどんどん気づかされていきます。
真面目さもただ規律に従順なのではなく、自分の信じるものに忠実な人間なんです。表現の仕方が正直なだけで、根はとても優しい、魅力的な受。
一方の攻、加倉井も始めは軽そうだし、不真面目そうだし、千条をちょっとバカにしている気持ちも見え隠れしていたのですが、事件を追っていくうちに印象が変わります。男らしくて何事にも動じないように見える加倉井が、事件のせいで疲弊して思わず千条に見せてしまう弱さとか、意外にも真面目で一途だった過去の恋愛とか、かなり奥が深いキャラ。
そんな加倉井を支えて、捜査に協力して、背中を押してあげる千条はとても男前でかっこよく感じます。端々に愛がちゃんと見えていて、加倉井でなくとも惚れます。
エロ的には加倉井が迫っているわりに、二人が絡んでるシーンはわずか。千条の思考回路から言えば、もっともな話ですが。
でも、会話ひとつ、キスシーンひとつに、煽られ萌えるのが不思議。
千条は誰とも付き合ったことのないまっさらな受なんで、それだけに怖いもの知らず?な積極性を発揮していて、そこがとてもツボります。大胆なことを言っておきながら、いざとなると人並みに羞恥しているのには、なぜかほっとさせられました…
刑事ものとしても巧くできているストーリーで、引き込まれました。犯人に対峙した千条のセリフに溜飲が下がります。堪能できます。
続き物としてこの二人でまたやってくれないかな…と