フェルディナント・フォン・シーラッハのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うーん、よくわからん。ハイジャックされた航空機が、7万人を収容するサッカー場に突っ込もうとしている。法に従った命令を無視し、航空機を撃墜して乗客を死なせた軍人の行為は有罪か無罪か。二通りの結論が用意された戯曲なのだが…。
「法」について語ろうとしているのか、「倫理」についてなのか、あるいはその関係を問題にしているのか。これまでの作品では、そいういうものではとらえきれない人間の「わからない」部分に、作者の目は注がれていたと思う。してみるとこれも、黒でもあり白とも言える曖昧さに力点があるのだろうか。やはりよくわかりませんでした。
ついでに。作中で言及される「転轍器係の問題」(暴走する貨物列車 -
Posted by ブクログ
あ、あれ…?前作の「犯罪」が好きだったから手に取った続編。のはずなんだけど、こんなだったっけ…?
ざっとしか読み比べてないから違うかもしれないけど、随分「小説」に近づいた印象。前作は裁判記録や弁護士として聞いた証言から「最低限の物語」を抽出していた感じがする。表現は端的で正確、筆者の想像力は最低限に抑えられている、それでも溢れる人間味、ドラマ。そんなところに魅力を感じていたような。
今作はより作者の想像に彩られている。言ってしまえば事件中の会話が増大してる。「鍵」なんかはもうクライムノベルだよね。もちろん楽しんだけど、期待とのギャップが、、、うーん。
こんな批判はあんまりフェアではないとも思っ