フェルディナント・フォン・シーラッハのレビュー一覧

  • 珈琲と煙草

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    倫理や法律について論理的且つシニカルな短い逸話が繰り返されるが、多くが伝聞や書物に基づくものでサッチャー元首相の逸話なども事実か物語なのか迷わせる。
    人権の話で、ドイツ基本法第1条では、「人間の尊厳は不可侵である」と定められているにも関わらず、2017年にベルリンで前年比60%増の947件の反ユダヤ主義の事件が起きており「私たちは言葉の外へは出られない。私たちの理解できるのは、理性だけだ。説明することを可能にするのは、つねに概念だ。 他に方法がない。しかし自然や生や宇宙にとって、そうした概念はなんの意味も持たない。重力波に善も悪もない。光合成に良心などない。 重力に対して、われわれは無力だ。」

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    2023年06月07日
  • 刑罰

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    久しぶりのシーラッハ。

    いつも通り、感情の起伏がない、淡々とした空気感。なのに、内容はやはり衝撃的でした。
    でも今回は、なぜかとても文学的な雰囲気を感じて、ちょっと感動してしまった。
    私のなかでは、ミステリーではなく、文学だな。

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    2023年05月21日
  • コリーニ事件

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    ドイツの作家「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の長篇ミステリ作品『コリーニ事件(原題:Der Fall Collini)』を読みました。

    『罪悪』に続き、「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の作品です。

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    新米弁護士の「ライネン」は大金持ちの実業家を殺した男の国選弁護人を買ってでた。
    だが、被疑者はどうしても動機を話そうとしない。
    さらに「ライネン」は被害者が少年時代の親友の祖父だと知る。
    ──公職と私情の狭間で苦悩する「ライネン」と、被害者遺族の依頼で裁判に臨む辣腕弁護士が法廷で繰り広げる緊迫の攻防戦。
    犯人を凶行に駆り立てた秘めた

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    2023年03月25日
  • 刑罰

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    短編の切れ味が悪い。これは褒め言葉。澱のようにとどまり、ぞっとする。遅効性の毒のようにじわじわと心が歪に変形する感じ。

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    2022年12月14日
  • 犯罪

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    ドイツの作家「フェルディナント・フォン・シーラッハ」の短篇集『犯罪(原題:Verbrechen)』を読みました。

    ドイツの作家の作品は… 「エーリヒ・マリア・レマルク」の長篇戦争小説『西部戦線異状なし』や、幼い頃に読んだり、聞かせてもらった「グリム兄弟」の童話『ヘンゼルとグレーテル』や『赤ずきん』、『ブレーメンの音楽隊』、『白雪姫』くらいしか手に取った記憶がないですね。

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    【本屋大賞翻訳小説部門第1位】
    グリム兄弟
    一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。
    兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の末っ子。
    エチオピアの寒村を豊かにした、心

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    2022年11月25日
  • テロ

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    9.11なども経て創作された架空裁判劇。二幕終わりに観客に投票を促し、その結果で結末も変わる。二幕の検察、弁護士それぞれの主張がおそらく重要だが、劇として上演するには少し固いかもしれない。それまでの被告、証人の証言の方が自分の身に迫ってくるところはある。被告の行いを受け手にゆだねるやり口は、森鴎外の『高瀬舟』に近しいものもあるなあと。

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    2022年10月09日
  • 禁忌

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    本を閉じてカバーを外してじっくり眺めて、あ゛〜。そして最初のページから読み直して愕然、というか底知れぬ味わい。なんか凄い。これまでのシーラッハの作品らしさを感じながら、より真摯に人間の内面を見つめている。芝居にもなるみたいだけど、上演台本難しそう。芸術ってホントややこしい。読み終わって、あれ?アレ?ってページを前にめくりだす体験って素晴らしいかも。

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    2022年09月27日
  • コリーニ事件

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    わずか190ページの長編(?)だが、重い。
     
    舞台はドイツ。
    新人弁護士の主人公が担当してしまったのは、家族同然の友人の祖父を殺害した男の弁護だった。

    ネタバレになるのでこれ以上は慎みますが、付いている帯を読むと予想できてしまう。
    が、分かっていてもおもしろい。
    いや、おもしろいなどという感想は不謹慎かな。
    腹にズシンとくる重みがあります。

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    2022年03月05日
  • 罪悪

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    感情を抑えた文体で、とつとつと語られるように感じるが事件の内容自体は非常に凄惨なものも多くあった。翻訳小説が苦手な私でも読みやすく感じました。

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    2021年12月29日
  • コリーニ事件

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    筆者のフェルディナント・フォン・シーラッハさんのファンで、自分が小説を書くならこういうのが書きたいと思ったのがシーラッハさんの「罪悪」でした。
    著者が勝手に盛り上がらずに、読者の気持ちを盛り上げてくれるのが読んでて落ち着く。

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    2021年12月26日
  • 犯罪

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    小説とルポタージュの境目を漂い、不思議な読書感を味わう。

    作者は弁護士という職業から見た、様々な刑事事件を小説にしたという。
    (守秘義務から実際に担当した内容は用いていないとあとがきにあったけど)
    そこには大掛かりな組織犯罪や陰謀もなく、サイコキラーなどの強烈な犯罪もない。
    一歩逸れれば誰にでもありうるところから、「少し」異常な犯罪に至る状況を淡々と描くことで、かえってその人物の心情を読み手に想像させる、または、時には読み切れない状態で謎を残す。

    読者は、そのあやふやさもまた現実であろうことと、感じとることになる。

    日本の裁判判例は、ネットで内容を検索することができる。
    かつて、仕事上の

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    2021年09月30日
  • 犯罪

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    評判通りのすごい短編集だ。
    犯罪にいたるまでの経緯を事細かに描写したもの、事後の顛末を描いたもの…どの話も興味深く、かといって興味本位だけで終わらず、何かしら考えさせられる。
    犯罪の内容も様々、中にはショッキングなものも出てくるが、最後の「エチオピアの男」のおかげで読後感はいい。

    残念ながら誤訳が多いようで、「シーラッハ『犯罪』の誤訳」というサイトで補填しながら読むのがよさそう。
    (文庫版ではほとんどが修正されていたが、一部まだ残っている)

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    2021年08月03日
  • テロ

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    ハイジャックされ、大量殺人を目的にサッカースタジアムに墜落しようしている飛行機をその手前で撃ち落とすことは許されるのか?何万人の命を守るために、何百人を奪うことに正当性はあるのか?法哲学では鉄板のテーマ、功利主義を考える題材に適している。カントのトロッコ問題よりも、現実的で昨今の時世に鑑みても、本当に起こりうる話なので、真剣に考える余地を与えてくれる。

    本書はドイツが舞台となっており、「人間の尊厳」を最大限に尊重するドイツ基本法も背景にあることから、繰り広げられる命の価値に関する論争には重みがある。理解を深めていくにつれ、いろんな結論を導けるのがこの本の醍醐味。

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    2021年07月24日
  • 犯罪

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    本屋大賞のみならず、各所で評価されているのを見て、これは是非!ということで。実際に自分が扱った案件を元にしたフィクション、ってのが売りみたいだけど、確かにそういう目線で見ると、事実は小説よりも奇なりを地でいくというか、なかなかにゾッとするものがある。背景になった事実の方を知りたい、みたいな気持ちにもさせられる。面白かった。

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    2021年06月15日
  • 犯罪

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    同業者の友達に勧められて読む

    ベルリンって、こんなに治安が悪いの?と思ったが、いやいや、これはフィクションで、この描写がベルリンの全てではないと思い直す
    それでも、ネオナチや移民の存在感は日本では想像できないものだった

    著者が弁護士であることもあり、描写が細かく具体的でリアリティがある 被告人に対する視線にも共感が持てる

    「弁護人が証人に尋問する場合にもっとも重要なのは、自分が答えを知らない質問は絶対にしないということだ」
    そう、分かってはいるんだけど

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    2021年03月22日
  • コリーニ事件

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    ネタバレ

    事件が進むにつれ、一見残忍に見える犯人が、法の僅かな落とし穴によって如何ともし難い苦痛を味わっていることに気づく。重厚な後味を残す一冊でした。

    所々、表現が長ったらしく退屈する文があったので星4にしました。

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    2021年02月24日
  • コリーニ事件

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    ドイツの映画を観たいと思い探していたところ、このタイトルに行きつき、原作であるこの小説をまず読んでみることにした。
    理解したことを書いてみると、戦争中の殺人は、命令だから罪にならない。指導者側にいたとしても時効がある。
    そのような現代の法と照らし合わせた矛盾を暴く、重いストーリーだった。
    私のこのような理解があっているのかどうかわからない。
    映画を観てみたい。

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    2021年02月08日
  • 犯罪

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    「物事は込み入ってることが多い。罪もそういうもののひとつだ」読み始めたら一気読み。犯罪に関わった人たちの人生を語るこの途轍もなく面白い元弁護士による短編集は不思議な気持ちにさせる。弘兼憲史『人間交差点』か安倍夜郎『深夜食堂』みたいな味わいだ。登場人物は様々で極悪人もいれば誠実な人、運が悪いだけの人、精神病の人もいる。実録のようなリアルさだ。気になるのは側から見ると気の毒な人たちの話。極貧の中で育った乞食と立ちんぼの恋と相手を守るための犯罪。愛するがゆえに妻を殺さざるを得なかった老人の気持ち。これはおセンチな話ではない。彼らは刑罰より大事なものを守ろうとした。それを守った時に目的は達成され犯罪は

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    2020年11月22日
  • コリーニ事件

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    このドイツ人著者の作品を読んだのは「犯罪」に続いて2作目。この作品をきっかけにドイツ政府も動いたというから衝撃作ですね。殺人事件の裁判を通して、過去のナチ時代と向き合った今作は、ページ数も少ない分内容も凝縮されている。

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    2020年11月12日
  • コリーニ事件

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    映画が気になってたのですが劇場に行けず。なので、原作を読んでみました。
    全くと言っていいほど無駄がなく、淡々と物語が進みます。一気読みです。面白かった!著者の他の作品も読んでみたい。

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    2020年09月29日