佐藤雅美のレビュー一覧
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旗本の跡継ぎが兄 弟は 厄介
婿入り先もなく このままだと甥の世話になり
役立たずの爺さんになって 邪魔にされるだけ!
この厄介者の弥三郎の話し
千葉道場で鍛えた剣術の腕はあり
町人や百姓の訴訟の書類も書ける
だけど どうも騙した騙されたのトラブルに巻き込まれる。
今なら立派に食べていけるんだろうに!
婿入りの話しもインチキだった。
嫁は来てくれたけど 詐欺まがいで儲けた50両
一晩で持って行かれた。
牢にもぶちこまれ その間に嫁には逃げられる
ほんとにろくでもないんだけど
なんかあったかい人柄というか
漂ってる空気感が 春みたい
最後には出入りであの世に行ってしまう。
懐のお金も 取られてし -
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物書同心居眠り紋蔵と言う主人公を冠した時代小説。そして廻船問屋伊勢徳の隠居である徳兵衛。最初は徳兵衛が出てきて、その後追っかけで紋蔵が登場する。紋蔵は、どうやら物知りで、今で言う判例と引用に秀でているようだが、他の時代小説の主人公のような活躍はしない。でも、何故だか周りから頼られる。他方徳兵衛はお大尽。お金は惜しみなく使い、興味あったことには何処にでも顔を出す。ときに役人まがいの聴き取りも行うが、それが良い方に出る。人を信じ、人から頼られる。
この小説は8編の各々の話からなってるが、この二人は顔を出す。でも、それぞれ出方、活躍も違う。でも、8編がすべて繋がってるように感じさせる、不思議な作家が -
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ネタバレ目次
・小三郎の罵倒
・王子稲荷結願の御利益
・稀代の悪党和田山龍円
・外し忘れた魚籠の値札
・物ぐさ女房の恩返し
・丸亀塩商人怨霊の祟り
・一石二鳥の敵討ち
・日笠源之進、返り討ちの後始末
短編集になってからはずっと、一話目に出てきた人物が一冊を通しての主人公となり、最終話ですっきりと解決するという流れだったのだけど、この巻ではキーパーソンとなるはずの日笠源之進が出てくるのは第七話になってから。
シリーズの雰囲気がぐっと変わっている。
半次の事件も勧善懲悪とは言えずにもやもやしたもの、または半次が最後までは関わらずに事件から手が離れてしまうものなど、なんとなく「やっつけですか?」という気 -
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ネタバレ目次
・恨みを晴らす周到な追い込み
・灯心をむく姉と妹
・破落戸(ごろつき)兄弟愛の底力
・人相書の男と毒婦みち
・明神下料理茶屋恐怖の一突き
・侠女おまきの意地と度胸
・御当家七代お祟り申す
・命がけの仲裁
長編で始まったシリーズだが、短編8編で一つのストーリーを構成するようになり、安定したペースで読ませる作品になっていたのだけれど、今回はちょっと消化不良。
突然7代前の先祖の恨みを晴らす、と思い至った経緯も今一つ説得力に欠けるし、天才少年棋士である息子の設定が全然生かされないままで終わってしまった。
これは却って枠組みが枷になってしまったということなのではないだろうか。
ただ、なぶ -
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ネタバレ目次
・膏薬と娘心
・柳原土手白昼の大捕物
・玉木の娘はドラ娘
・真田源左衛門の消えた三十日
・殺人鬼・左利きの遣い手
・奇特の幼女と押し込み強盗
・取らぬ狸の皮算用
・天才絵師と幻の生首
庶民の生活の治安を守るのが仕事の町奉行の、下っ端であるところの岡っ引である半次。
時に大名のお家騒動に巻き込まれることもあったけど、基本的には町人の、日常の謎のような事件を扱っていたはずなんだけど、気がついたら結構できる男・半次が扱う事件は殺人などの比重が高くなってきたような気がする。
妻・志乃は相変わらず家にじっとしていることが少なく、娘はほとんど出てこなくなってしまったので、その辺もほのぼのが減 -
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ネタバレ目次
・ちよ殿の知恵
・助五郎の大手柄
・強請(ゆす)りの報酬
・銘水江戸乃水出入一件
・鬼の目にも涙
・髻塚不首尾一件始末
・小三郎岡惚れのとばっちり
・命あっての物種
剣の腕はめっぽう立つのに、自分勝手でお金と酒に汚いコマッタちゃんこと蟋蟀小三郎とまったくそっくりなキャラクター風鈴狂四郎が登場。
あらら、小三郎が二人?ってな感じで、半次も次から次へと面倒くさい話に巻き込まれる。
各方面に迷惑をかけ倒して、ようやく妻と離縁、藩から暇をもらってちよと所帯を持ったと思ったら、若い娘に岡惚れしてしまう小三郎。
挙句の果てに、娘に持ちこまれた縁談の相手が胡散臭いから調べるように半次に頼みこむ。
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ネタバレ目次
・御奉行の十露盤
・お姫様の火遊び
・天網恢恢疎にして漏らさず
・疫病神が福の神
・小三郎の無念
・泣く子と小三郎
・伊豆の伊東の上品の湯
・ちよ女の仇
短篇になって、居眠り紋蔵とキャラが被るなあと思っていたら、訳ありの子を実の子のように育てるあたりも似てきたね。
人殺しの罪を見逃してもらう(悪人成敗の一面もあったし)代わりに、国に戻されたはずの小三郎が再び江戸に戻ってきた。
行き場のない見知らぬ子どもを半次に押し付けて、自分は好き勝手に暮らす小三郎。
藩邸に住むも特に仕事をするわけでもなく、門限は守らず、国に妻がいるのに好きな女と所帯を持つ。
いやあ、自由だな、小三郎。
振り回さ -
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ネタバレ目次
・蟋蟀小三郎の新手
・博多の帯
・切り落とされた腕
・関東の連れション
・命みょうが
・用人山川頼母の陰謀
・朧月夜血塗骨董
・世は太平、事もなし
解説を読んで短編集と知る。
ずっと長編だと思って読んでいた。
そのくらい、蟋蟀小三郎の物語としてストーリーが一貫していたのである。
最初は痴漢の冤罪で捕まった小三郎を半次が面倒見たのだが、世渡りが下手というか不器用というか、でも遠慮を知らない図々しさを持ち、惚れっぽくて、自分勝手で、どうしようもないやつであることがだんだんわかってくる。
世の中の裏も表も知っている半次が「殺すしかない」と思うほどの悪行三昧。
いやこれも冤罪なのか?
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ネタバレ上巻を読んで3か月。
その間に病院で作者の訃報を聞き、なんとも言えない心地がした。
流れを思い出すのに少し時間がかかったけれども、思い出してみたら陰謀に巻き込まれた半次は、冤罪の上に命を狙われるというスリリングな展開。
”いが茄子男”という、しびれ薬を使って若い女性を狙う婦女暴行犯の事件と岡山藩のお家騒動。
複雑に絡み合ったこのふたつの事件が半次を狙い、ついには半次の娘、まだ3歳のお美代をさらわれる事態になる。
半次はかすかな手がかりを手繰りながらお美代の行方を探すが、何度も何度もその手掛かりは途切れてしまう。
実はお美代は半次と血は繋がっていなのだが、お美代の安否を案ずる半次の姿に胸が -
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江戸繁盛記を描いたのは、寺門静軒。
水戸藩士の江戸妻(妾)が母。
父親は御家人株を買って、困らないようにしてくれたが、
水戸藩士にもなれるはずもなく、父母が死に、一人になると、腹違いの兄が現れる。
と言っても水戸藩を出奔し、浪人の身。
無心され、御家人株を売り払い、借金を払った後、兄に金を与え、自分は儒学三昧だが、どれだけ勉学を積んでも、儒学者としての道が開けるわけでもなく、食うや食わずの毎日。
漢文で洒落本を書くのは、面白いじゃないか?と
思いついた静軒。漢文を読める人は少ないが、読む人が読めば、その中にどれほどの広い知識が詰まっていることがわかるじゃないか、、、と。
後年、天保の改革で