佐藤雅美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
佐藤雅義「町医・北村宗哲」シリーズで、これも単行本出版時に既に読んでいるものだが、正月休みにはずれの無い時代小説をということで文庫本なったものを読み返したもの。
医学館で医術を学んだがふとしたことから渡世人の抗争に足を踏み入れたものの、そこから足を洗い江戸は神明前で町医を開業する北村宗哲。渡世人の争いからは一線を画しているものの、昔のつてで未だに色々と難題を持ち込まれる。品川の宿で倒れた旅人に頼まれかつての盟友で竜次のもとへ金を届けたのが、江戸の町の渡世人抗争に火種を作ったと疑われることになる。
医術を通して江戸の庶民の暮らしを横糸に、そして渡世人の世界を縦糸に紡ぐ江戸物語。どこから読んで -
Posted by ブクログ
本書は既に2008年単行本刊行時に購入・既読だったが再読したもの。
佐藤雅美の時代小説・シリーズ物も「縮尻鏡三郎」「物書同心居眠り紋蔵」「八州廻り桑山十兵衛」などがあるが、個人的には何と言ってもこの「半次捕物控」が一番のお気に入りだ。
「しくじり」だの「居眠り紋蔵」だのと佐藤の描く主人公は名前はおどけているが性格はそれほど不真面目ではなく、ニヤッとほくそ笑む場面・セリフはあるのだが大笑いするようなものでは無いのだが、この半次シリーズだけは別だ。岡っ引き・半次は極めて普通の性格なのだが、何時とはなく「腐れ縁」になった元浪人で今や町道場の主に収まり金に汚く、自分勝手、女に目の無い蟋蟀(こうろぎ -
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江戸時代町奉行所裏方事件帖8冊目
前巻で現場周りになったと思ったら、裏方に必須の人材と請われて戻って元通りの巻。
普通になら裏方になってしまうところ、人情を通しながら事件出来事に整理をつけて、解決にもっていく話運びが何とも見事。
今回は、例繰方にもどって元通りということもあってか、紋藏の私事が結構深く関わるようになって、子供と養い子計4名の将来が決まっていく。子が優秀で、行き先がそれぞれあって良かったというものではあるが、送り出す親の複雑なところも出ていて、それぞれ面白い。
そのなかで、一番気に入ったものをあげようと思うと「どうして九両三分二朱だろうか。
あと、この巻通して敵役として出てきた