佐藤雅美のレビュー一覧

  • 縮尻鏡三郎(上)

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    シリーズが始まった文庫本・・・やがて単行本に〜次男の鏡三郎は幼い頃から学芸に励み,娘が居る拝郷家の婿養子として育てられ,勘定方に登用されたが,妙な仕法書を読まされ,それが大阪で行われている違法な無尽講であると解読したら,お役を御免となった。家付き娘は女児を生んで他界し,解読を依頼した三枝能登守は私設の大番所の元締めの職を紹介してくれたが,家は津田織部という無役の旗本の屋敷の一画に安普請で構えている。娘は寺子屋の助教を行っており,鏡三郎の縁談が持ち上がると潰しに掛かる。自分自身は元船宿女主人のおりんが気に掛かる。三枝は長崎奉行書の仕法書の解読を依頼してきた〜なるほど,詰め腹を切らされて,年給50

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    2012年02月20日
  • 影帳 半次捕物控

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    生っぽい人間のひしめいている、生活感のあるところが、おもしろかった。ドラマの時代劇チャンバラっぽくなっている時代小説もいいけど、江戸時代の舞台で人間の姿があるっていうのも、いいな。

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    2009年10月04日
  • 物書同心居眠り紋蔵(一)

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    たぶんごく普通の江戸の日常を窓際族の同心の視点から描いている。とっても人間味あふれる作品で短編だけど光っています。もっと他のシリーズが読みたい。

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    2009年10月04日
  • 白い息 物書同心居眠り紋蔵(七)

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    何気なく読んだシリーズ1作めが、面白かったので、続編を読もうと、本作品を手に取ったんだけど、なんと、シリーズ7作めだった!間の5冊をすっ飛ばしてしまった!!しかし、それでも、やっぱり、面白かった。これから、間の5作品を、ぼちぼち、読んでいこう。

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    2025年10月23日
  • 命みょうが 半次捕物控

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    「佐藤雅美」の連作時代小説『命みょうが 半次捕物控』を読みました。
    ここのところ時代小説が続いていますね。

    -----story-------------
    薬師様の門前で、町娘の尻をさわったとして番屋に連れ込まれた田舎侍。
    身元を明かさず、10日間だんまりを続ける男の身柄を「半次」が預かり、調べをはじめる。
    「蟋蟀小三郎」と名乗る、このめっぽう腕の立つ不遜な男は疫病神なのか。
    町娘の事件解決後も、「小三郎」の謎に迫る「半次」の身に、厄介事が次々と降りかかる。

    江戸の名物男、疫病神「蟋蟀小三郎」が登場シリーズ待望の第三弾。
    疫病神の「蟋蟀小三郎」が初登場。
    圧倒的な剣の使い手にして、遠慮しら

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    2023年11月01日
  • 手跡指南 神山慎吾

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    主人公神山慎吾は、かつてはお国家老の嫡男。
    1万両を私したと詰め腹を切った父。いくら名門の家といっても横領の罪は消えない、母が死んでお暇を願い江戸に出る。手跡指南所の手伝いをし、今では体調を崩した主の代わりをしていて、天職かと思うほど好きな仕事だ。

    が、新しい御国家老の元、疲弊に疲弊を重ねているお家のため、何度も刺客に狙われながらも、運命の翻弄されるように、藩の改革をなす地位まで駆け上ることに。。。



    何度も、あまりに状況に取り巻かれる主人公に、なんで、そこで断らない!!とイライラすること、度々。
    珍しい主人公である。

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    2019年09月29日
  • 縮尻鏡三郎 美女二万両強奪のからくり

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    町会所から二万両が奪われた。
    殺される証人、たぐる事件探索の糸がつぎつぎと切れていく。
    上からの邪魔にも、諦めずに黒幕に迫る同心たちの姿が心地よい。

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    2019年09月28日
  • やる気のない刺客 町医北村宗哲

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    シリーズ第二弾。
    ヤクザの仲間とは切れたと思っている北村宗哲だが、
    何か事件があるたびに、ヤクザの抗争がおこそうになると、
    すぐに向こうから事情を説明に来る。

    なんだかんだ言いながらも、頭の隅には置いておく宗哲。

    患者も色んな患者がやってくる。
    病気になってからでは遅いと、おばあさんが毎日のようにやってきては、時間を過ごす。

    蘭方漢方としのぎを削り、やや幕府からの圧迫が強くなっている蘭方だが、宗哲はそれなりに、認めている。

    毎回周りの人々のすったもんだに、首を突っ込まざるをえない宗哲。

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    2019年09月05日
  • 疑惑 半次捕物控

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    ひょんなことからお志摩を嫁にもらうことになった半次。
    ところがお志摩は連日朝帰りをするは、家を開けることが多い。世話になった親分の娘とはいえ・気になるものの、
    なかなか問いただせない半次。

    そうこうしていると、いつものように、問題を起こす蟋蟀小三郎がまたしても。。。

    お志摩に横恋慕する小三郎と、金がらみの事件。
    またしても、関わり合いたくないのに、巻き込まれてしまう。

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    2019年08月11日
  • 樓岸夢一定 蜂須賀小六

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    まずまずでしたね。この時代、特に道三・信長・秀吉といえば司馬遼太郎さんの独壇場。読者(私)にはしっかり司馬ワールドが刷り込まれてしまっていて、そこから外れると違和感を覚えてしまうのが普通。でも、それとは違う信長・秀吉観でも、無理なく読めるのはストーリーの運びがうまいのでしょう。
    しかし・・・。逆に小六像は希薄に感じましたね。文中にも裏表紙にも”調略・外交をことごとく成功させ”とか”まっすぐな生き方を全うした”とかあるのですが、そういった活躍の場面や、行動について十分に書き込まれているとは思えません。説明が無くても、そういうことが伝わって来るようなら、物語として面白いのでしょうが

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    2017年11月16日
  • 啓順凶状旅

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    医者が凶状持ちになって逃げ回ると言う一寸変わった設定です。
    秩父、甲府、三島、下田と関東を逃げ回りながらの治療の旅は続きます。なかなか地方の雰囲気がよく出ているように思えます。また、生薬の配合など、かなり凝った内容になっていて、良く下調べされていることが伺えます。
    佐藤さんは飛びぬけた作品は見かけませんが、「物書同心シリーズ」など質の高い娯楽作品を多く書かれています。この作品も、佐藤さんらしい安定感のある作品でした。

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    2017年11月10日
  • 密約 物書同心居眠り紋蔵(三)

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    「物書同心居眠り紋蔵」第3弾。
    能力が有っても居眠りという奇病ゆえ、表舞台に立たず、便利使いをされる同心・紋蔵。鋭く真相に迫りつつも、最後は人情味溢れる決着を行う。
    このような短編捕物シリーズは最近、「髪結い」宇江佐さんや「かわせみ」の平岩のなど女性作家によるものも多いのですが、程の良い重さと、人情ものとミステリー要素が程よく混ざった良い作品だと思います。

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    2017年11月10日
  • 縮尻鏡三郎(上)

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    佐藤さんには他に「物書同心居眠り紋蔵」シリーズがあるのですが、どこか似た雰囲気があります。
    どちらも冷や飯食いで、飄々としていながらどこか一本芯が通っている主人公を立てています。この作者の好みなのでしょうが、それがなかなか良いのです。
    分類すれば「捕り物帳」でしょうが、ただただ岡引が活躍したり、謎解きに走り回ったりするのではなく、時代背景や世情などもしっかり書き込まれた、やや重厚な感じの短編小説集です。

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    2017年11月10日
  • お尋者 物書同心居眠り紋蔵(四)

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    あれあれ。
    このシリーズの最大の魅力は主人公のキャラです。「居眠り」という奇病を持つために「例繰り方」という日陰に追いやられた主人公。しかし、そうした境遇にもかかわらず毅然として問題を解決する。ただ、その裏にはやはりどこか日陰者の雰囲気がただよって。。。
    でも、今回の作品では主人公が妙に自信たっぷりというか、何か日陰者の感じがしないのです。もちろん居眠りという奇病を周りの人間がからかったりするのですが、にもかかわらず、堂々と表に出て勝負してる。
    話そのものは十分面白いのですが、他の捕り物帳との差が無くなって来た。そんなところが少し残念です。

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    2017年11月10日
  • 百助嘘八百物語

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    江戸の経済小説でしょうか。また別の見方では、一種のピカレスク小説なんでしょうが、それにしては今一つ痛快さが足らないかな。
    一見、手荒そうで実は荒事は嫌い、最期の大勝負で一気に巨万の富を。そんな筋なので、もっともっと痛快さ、爽快さが出てもいいはずなのですが。百助という爺さんは中々なのですが、主人公の辰次や3人の武士も何となくボンヤリした造形であるせいかもしれません。
    う〜〜〜ん、佐藤さん少し落ちてきたかな。

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    2017年11月08日
  • 手跡指南 神山慎吾

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    悪くは無いです。でも・・・・。
    こうした飄々とした主人公が藩を立て直すというストーリーはチョクチョク見かけますね。山本周五郎にも有ったと思います。しかし、何かが足らない。
    何となく主人公の造形が弱く、ただ回りに流されているだけと言う感じがするところが弱みですかね。
    普通は飄々としていても、何か琴線に触るところがあると、覚悟を決めて・・・・。という話になるのですが、この主人公の心に引っかかっているのは、大阪商人に約束させられた「藩の旧借金の返済」です。これが手習い子の受けた悲劇あたりをきっかけにすると、もう少し話がうまくすすんだように思います。
    ちょっと残念でした。

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    2017年11月08日
  • 命みょうが 半次捕物控

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    この小説は主人公のキャラクターでしょうね。
    主人公・岡引の半次。いわゆる悪徳の岡引ではないのですが、自分に降りかかる火の粉を消すために、島抜けをかくまったり、捉えきれない悪人を”こっそり消しましょうか”などと言ったり。
    助演とも言うべき浪人は、やたらと腕は立つが、身勝手で倣岸で金にだらしなく。。。
    ですから、何となく読後感は良くないですね。面白くないかと言えば、そうも無いのですけど。
    正統派でもなく、ピカレスクでもない。何となく中途半端。確か第一集はそんな感じもしなかったのですが、どこかで主人公のキャラクターが変わって来ている気がします。

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    2017年10月30日
  • 四両二分の女 物書同心居眠り紋蔵(六)

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    なんだか普通の捕り物帳になってしまいましたね。
    佐藤さん、物堅いですし、公証はしっかりしてるし、それはそれで凄いのですけど。
    このシリーズの魅力は、居眠りという奇病ゆえに人から軽んじられる主人公・紋蔵が、普通は丸めている肩を、ここぞという場面で凛々しく立ち回る姿に有ったのですが。。。
    なんだか紋蔵が格好良すぎるのです。上司からも頼られて。
    そうなると、単なる捕り物帳なんですよね。。。。
    この物語の最後で、紋蔵は念願の定周り同心になってしまいます。
    う〜〜ん、どうしようかな。

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    2017年10月30日
  • 樓岸夢一定 蜂須賀小六

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    自分の事を侮辱する信長にどうしても仕える事が出来ない時秀吉に出会う事で自分の力を存分に発揮出来る場所を得る。しかし本能寺の変で信長が倒れると秀吉は謀略を使い主家を追い落とす。信雄の母が野武士時代に親しくしていた生駒家の出だったので弓を引く事に躊躇うがもう小六には残された時間は僅かしか無かった。武功夜話を元にかかれた作品です。

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    2017年08月08日
  • 一心斎不覚の筆禍 物書同心居眠り紋蔵(九)

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    女心と妙の決心
    江戸相撲八百長崩れ殺し一件
    御奉行御手柄の鼻息
    文吉の初恋
    天網恢恢疎にして漏らさず
    一心斎不覚の筆禍
    糞尿ばらまき一件始末
    十四の娘を救ったお化け

    時代考証に定評がある作者だが、小説というよりどんどん歴史解説書に近くなってきて、説明文が長くなってしまった。この確かな史実に基づいた知識の中から生み出される事件が、他の小説と違ってこの作者の面白いところなのだが、こう説明が長いと読む進めるのが辛い。

    文吉と勘太が戻ってきて、どうやら文吉は紋蔵の跡取りとなり同心の道を進む決心をしたらしいというのが、この9巻の抑えどころか。

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    2017年04月13日