佐藤雅美のレビュー一覧
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シリーズが始まった文庫本・・・やがて単行本に〜次男の鏡三郎は幼い頃から学芸に励み,娘が居る拝郷家の婿養子として育てられ,勘定方に登用されたが,妙な仕法書を読まされ,それが大阪で行われている違法な無尽講であると解読したら,お役を御免となった。家付き娘は女児を生んで他界し,解読を依頼した三枝能登守は私設の大番所の元締めの職を紹介してくれたが,家は津田織部という無役の旗本の屋敷の一画に安普請で構えている。娘は寺子屋の助教を行っており,鏡三郎の縁談が持ち上がると潰しに掛かる。自分自身は元船宿女主人のおりんが気に掛かる。三枝は長崎奉行書の仕法書の解読を依頼してきた〜なるほど,詰め腹を切らされて,年給50
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「佐藤雅美」の連作時代小説『命みょうが 半次捕物控』を読みました。
ここのところ時代小説が続いていますね。
-----story-------------
薬師様の門前で、町娘の尻をさわったとして番屋に連れ込まれた田舎侍。
身元を明かさず、10日間だんまりを続ける男の身柄を「半次」が預かり、調べをはじめる。
「蟋蟀小三郎」と名乗る、このめっぽう腕の立つ不遜な男は疫病神なのか。
町娘の事件解決後も、「小三郎」の謎に迫る「半次」の身に、厄介事が次々と降りかかる。
江戸の名物男、疫病神「蟋蟀小三郎」が登場シリーズ待望の第三弾。
疫病神の「蟋蟀小三郎」が初登場。
圧倒的な剣の使い手にして、遠慮しら -
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まずまずでしたね。この時代、特に道三・信長・秀吉といえば司馬遼太郎さんの独壇場。読者(私)にはしっかり司馬ワールドが刷り込まれてしまっていて、そこから外れると違和感を覚えてしまうのが普通。でも、それとは違う信長・秀吉観でも、無理なく読めるのはストーリーの運びがうまいのでしょう。
しかし・・・。逆に小六像は希薄に感じましたね。文中にも裏表紙にも”調略・外交をことごとく成功させ”とか”まっすぐな生き方を全うした”とかあるのですが、そういった活躍の場面や、行動について十分に書き込まれているとは思えません。説明が無くても、そういうことが伝わって来るようなら、物語として面白いのでしょうが
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あれあれ。
このシリーズの最大の魅力は主人公のキャラです。「居眠り」という奇病を持つために「例繰り方」という日陰に追いやられた主人公。しかし、そうした境遇にもかかわらず毅然として問題を解決する。ただ、その裏にはやはりどこか日陰者の雰囲気がただよって。。。
でも、今回の作品では主人公が妙に自信たっぷりというか、何か日陰者の感じがしないのです。もちろん居眠りという奇病を周りの人間がからかったりするのですが、にもかかわらず、堂々と表に出て勝負してる。
話そのものは十分面白いのですが、他の捕り物帳との差が無くなって来た。そんなところが少し残念です。
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悪くは無いです。でも・・・・。
こうした飄々とした主人公が藩を立て直すというストーリーはチョクチョク見かけますね。山本周五郎にも有ったと思います。しかし、何かが足らない。
何となく主人公の造形が弱く、ただ回りに流されているだけと言う感じがするところが弱みですかね。
普通は飄々としていても、何か琴線に触るところがあると、覚悟を決めて・・・・。という話になるのですが、この主人公の心に引っかかっているのは、大阪商人に約束させられた「藩の旧借金の返済」です。これが手習い子の受けた悲劇あたりをきっかけにすると、もう少し話がうまくすすんだように思います。
ちょっと残念でした。
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この小説は主人公のキャラクターでしょうね。
主人公・岡引の半次。いわゆる悪徳の岡引ではないのですが、自分に降りかかる火の粉を消すために、島抜けをかくまったり、捉えきれない悪人を”こっそり消しましょうか”などと言ったり。
助演とも言うべき浪人は、やたらと腕は立つが、身勝手で倣岸で金にだらしなく。。。
ですから、何となく読後感は良くないですね。面白くないかと言えば、そうも無いのですけど。
正統派でもなく、ピカレスクでもない。何となく中途半端。確か第一集はそんな感じもしなかったのですが、どこかで主人公のキャラクターが変わって来ている気がします。