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Posted by ブクログ
今回もトトーンと読んでしまった。主人公家族の状況が一変しているので一冊くらい飛ばしてしまったかもしれないが、それも関係なく楽しませてくれます。
人の執念というか煩悩が、まったく関係無いと思われる事件を意外な形で結びついて収束します。毎回唸ってしまうのです。
著者の時代の知識と盛り込み方が、実際にこの時代の耳袋的な資料から拾っておるのではないかというリアリティを持たせるのです。しかも著者特有のちょっと突き放したような筆致が、ドロドロになりそうな事件を軽妙に読ませているのですね。
今回、江戸時代の出版事情に興味有る方はより一層面白く読めるかも知れません。
Posted by ブクログ
目次
・女心と妙の決心
・江戸相撲八百長崩れ殺し一件
・御奉行御手柄の鼻息
・文吉の初恋
・天網恢恢(てんもうかいかい)疎にして漏らさず
・一心斎(いっしんさい)不覚の筆禍
・糞尿ばらまき一件始末
・十四の娘を救ったお化け
二人の息子を養子に出し、娘二人も嫁に行き、残る末娘の行く先を悩む紋蔵。婿を取って跡を継いでもらうか、貧乏同心の跡を継ぐよりそこそこの商家に嫁がせるか。
そこへ、侠客の親分の元へ出て行った、預かり子の文吉と勘太が、親分の死により紋蔵のところへ帰って来る。
ついに観念した文吉は紋蔵の跡を継ぐ決心をし、心を入れ替え学問に打ち込むことにし、妙は心置きなく嫁に行く…ことになるのかな。
紋蔵一家のストーリーとは別に、今回は表題作が白眉であった。
いくつもの古文書を読みくらべて事実を読み解くだけではなく、実際に現地へ足を運び、記述に齟齬はないか確認し、歴史の真実を見てきたように講釈する。
ああ、何とすばらしい仕事だろう。
と思ったのに、彼の本業に仰天してしまう。
「天網恢恢疎にして漏らさず」も、40年前に殺された妹の仇をとるために、家業の傍らずっと犯人を捜し続けた執念。
40年、市井の人として生きてきた犯人が見つかってしまったのは、自分勝手な行いのせいで自業自得。
とはいえ、40年。その長さにめまいがしそうだ。
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