奈良千春のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ『蛇淫の血』の続編。前作で身のうちに秘められた極道の血に目覚めた凪斗。愛する角能を得る代わりに堅気の自分を捨てて、父の跡目を継ぐ覚悟を決めた前作に引き続き、角能に支えられ四代目修行に精進する毎日を送る中、凪斗の襲名を快く思わない内外の敵から執拗なまでの襲撃を受ける。ごく普通の二十歳そこそこの美大生の自分と狂おしいまでに忌まわしい極道の血をたぎらせる自分。身のうちに相反する奔流に懊悩する凪斗は、角能さえも自分に求めているのは四代目として蛇性を現す凪斗だけなのかもしれないと苦悩する。大事な祖母や舎弟、愛する人達が自分のせいで次々傷つけられていくことに衝撃を受けた凪斗は、愛する角能にまで危害が及ぶのを恐れて、愛しいもの全てから距離を置いて堅気の自分を封印する。
中盤以降、陵辱、拉致監禁、近親相姦…等々、精神的にも肉体的にも痛々しい描写が多いので、読む側もそれなりに疲弊します。絶え間なく襲いくる試練のせいで、自分という人格から何から粉々に壊されて、蛇が脱皮するかのごとくそこから新しく再生した凪斗。自分の手の内で慈しみたいと思っていた凪斗が、もはや自分の手に負えないほど大きく変貌を遂げたことに戸惑いながらも、必死に食い下がる角能。前作では圧倒的に角能優位だったパワーバランスが今回完全にEVENになった気がする。凪斗が変わったように、角能にも変化が訪れる。生きる気力をすっかり失った凪斗を身を賭して現実世界に呼び戻そうとした角能の壮絶な愛。お互いの身を削り、魂と魂がぶつかり合うような激しい愛の物語でした。
はぁぁ…それにしても痛いな…。読む人を選ぶと思うよ。 -
購入済み
ん?
ホント買わなきゃよかった、と思わせる内容でした…。題名は確かに『不条理』だけれども、許せる範囲の傲慢さではなくバカ過ぎて吐き気がしました。
エッチもないです…
お金返して欲しい! -
Posted by ブクログ
ネタバレ白バイ隊から刑事になった諏訪内真二は、ある事件をきっかけに担当エリート検事・高城幹弥と恋人同士になった。
お互い忙しい身でありがながらも、なんとか時間をやりくりして会う時間を作り、順調に交際を続ける二人。
真二は相変わらず高城に夢中で、高城も直接言葉にはなかなか出してはくれないもののそれに答えてくれていた。
そんなある日、刑事課を尋ねてきた弁護士に敵意に満ちた態度を取られる真二。真二はお人好しが幸いして、今まで誰からもそんな扱いを受けた事がなく、とても驚く。
実はその新米弁護士は、高城の双子の弟・優弥だったことがわかり、驚く真二と刑事課の面々。
優弥は優弥で実は、正月に「男の恋人がいるから見合いはできない」と実家で爆弾発言をかましていた高城の恋人を一目見ようとやってきたのだった。
そんな中、優弥の上司である里見弁護士が弁護を担当する事になった重要参考人が弁護士の接見後、だんまりを決め込むようになり、捜査が一向に進まない。
真二たちは高城の指示に従って、物証を上げることになって……
という話でした。
バカ正直な男が二人、ゆるーくぬるーく事件を解決しながらラブラブしている話。
恋愛面に重点が置かれ過ぎてもなく、事件解決の描写も「あっと驚く様な」とはいかないものの地道な捜査なのでリアリティがあるような……。
しっかりと幸せへと向かって歩いてくれるのはとってもいいことなので、このまま幸せになってくれればいいなあ……と思います。 -
Posted by ブクログ
俳優、小説家、医者等々 × 元ミュージシャンの現リーマン
さえないオッサンである主人公は、とあるアクシデントにより部下とともに「35歳以上男性であること」が入店条件であるバーに行くことになる。
店内にはルックスはもちろんものごしや喋りなど、極上の男性がたくさん。
しかし、主人公は彼らにとりかこまれてしまい、主人公を賛辞する言葉を次々に浴びせかけてくる。
彼らはその手練手管を行使して、主人公を口説きにかかる。
・・・タイトルに偽りなしでした(笑)
欲をいえば、もうちょっとバーのマスター(ロマンスグレー)が絡んできてほしかった!!
おっさんがハーレムな話を切望してる方がもしいるなら、「これ!これですよ!!」と走って追いかけていって、手に握らせたいです。
挿絵もぴったりです、が!
・・・やりすぎだろう、これ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ諏訪内真二は、バイク好きが高じて白バイ隊に入りたくて警察官になった25歳。
ところが、任務中に何度か犯人逮捕に貢献してしまったがために、警視庁捜査課に配属されてしまう。
自分の本来の目的とは違う捜査課に配属された真二は戸惑うけれど、持ち前の人の良さであっさりと捜査課に溶け込んでしまう。
けれど、そこに現れたのは担当検事である高城幹弥。
その美しさと間違いを許さない姿勢に惹かれていく真二。
そんな真二は、捜査課に来て最初の事件に、以前知り合ったバイク青年が関係者の1人として上がっていることを知る。
その関係者が行方不明と聞き、無事であることを確かめたくて、個人的に捜査をすることを決めた真二に、付き合ってくれた幹弥との距離を徐々に詰めていくことを知る。
ところが、幹弥の異動が実は、上司との恋愛トラブルが原因だと聞いた真二は……
という話でした。
ちょっとヘタレで天然な攻めの真二と、怒ると大阪弁になるギャップの塊の幹弥。
ヘタレである真二と幹弥との距離が近くなっていく感じが絶妙で、さらさらっと読めました。
こんなに水みたいに読みやすい小説は久しぶりでした。
読みやすくて、もっと読みたい! と思うくらいでした。
さらっとかわいいハッピーエンドな恋愛話を読みたい人にはオススメします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ心療内科医の国友は、16歳の時に「あんたの子だから」と言われて、息子を預けられた。
それは、二つ年上の女の人と関係を持ち「生がいい」と言われてできた結果の子供だった。
その子供・悟ももう二十歳。
大学生とモデルという二足のわらじを履き、順風満帆な人生を歩んでいるように思えていた。
ところが、国友が酔っぱらってしまった同僚を自宅に連れ、玄関先で押し倒されそうになっているのを見てから、悟の様子がおかしくなってしまう。
以前より、周囲を射殺すような鋭い視線を向ける事はあったし、年齢相応に日に日に口数も減っていて、あまり喋ってくれなくなったりもしていたけれど、その日は違っていた。
「自分以外の匂いを付けて帰ってくるな」
と激昂した悟に、国友はそのまま押し倒されて犯されてしまう。
今まで順調に、悟とは「親子」の関係を築けていたのだと思っていた国友は悟の行動にショックを受けるけれど、ある出来事によってますます悟は国友に執着を見せるようになる。
「父親」に対する乱暴な執着は薄れる事なく、日に日に国友は追い詰められていった。
「同性である」ということと「親子である」ということの二重の禁忌が国友を悩ませる。
そしてある事件が起こり、悟の執着をきちんと聞いた国友は覚悟を決める……
という話でした。
いやー、個人的にはBLに「近親相姦」って禁忌はあんまり感じないんですよね。
「子供できなきゃいいんじゃね?」ってくらいの適当な倫理観の持ち合わせしかないので。
BLじゃあよっぽどぶっ飛んだ話じゃない限り、今のところ「男が妊娠する」という設定は存在しないしね……少なくとも商業では。
大体「近親相姦禁止」って法律ができたのも、血が濃くなりすぎるとよろしくないことが起こるっていう割と医学的な根拠に基づいた物が基本だと思っているので、そうじゃなければ別に充分男同士ってだけで禁忌なんだからいいんじゃね? という程度の倫理観しか持ち合わせがないので、ただひたすら国友に執着する悟がかわいかった……という感想しか抱けない、という。
でも、あとがきを読んだら作者さんにはかなり抵抗感があったみたいですね。
だから、最後の最後ですごいどんでん返しが入ってたんですけど、まあそれは読んでからのお楽しみってことで。
近親相姦ネタが駄目な人は駄目だと思います。
結構濃いいシーンの割に、ずっとそこが国友に取ってのネックになってて、国友と同じように気になってしょうがない人は気になってる様子が文章になってるので、気になってしょうがなくなると思います。その割にやってること……なので余計に。 -
Posted by ブクログ
表紙買い。奈良千春絵師のカラフルなイラストに目を奪われてしまいました。そして、実際に読み進めると、表紙イラストが的確に内容を表現していることに気付きました。
R&Bグループで活躍するミュージシャン×お絵かき教室の先生。
ドラマーでボーカルも担当する慎吾は、色彩を判別することができないせいでずっとモノクロの世界で生きてきたのですが、ある日カラフルな色彩を伴った街頭ポスターと運命の出会いをして。
ミュージシャンという憧れの世界と、望めば晴れがましい立場に身を置くことができるはずの才能豊かな画家のひっそりとした日常世界。
慎吾も武も、その中で不安を抱え続けたまま生きています。
そんな閉塞感に満ちた状態だった二人が運命的な出会いをすることによって、希望ある未来へと歩を踏み出していく様を描いたストーリーです。
二人の関係がどうなっていくのか興味津々になりながらも、あまり深刻になりすぎず、ハッピーな気持ちを維持したまま読むことができます。
二人の背負っているものはけっこうシビアなんですけどね…
でも、希望が見えるこんなポジティブな展開ってすてきです。
すんなり受け入れられたのは、多分ファンタジーな味付けが充分に利いていたからでしょうね。こんな奇跡があればと、思わず信じたくなってしまうほどでした。
エロ的ラブ的には、あまり萌えどころはないのですが、二人の関係がどこまで感化し合い、発展していくのか?という点では期待させられ、かなり引き込まれました。慎吾がとても好感が持てる、かわいい攻なんです。あちこちでキュンとさせられます。武も押し倒されそうになると隠していた関西弁がw
二人にもう少し色気があると、もっとよかったかも。
ミュージシャン、画家、フォトグラファー、などなどアートに関わる人物がてんこ盛りで登場するので、アーティスト好きにはたまらないでしょうね。
★の数は、エロ的に。ストーリーからいえば4つで。