穂波ゆきねのレビュー一覧
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ネタバレ森本要は、恋に一途な大学生。
そんな要は、失恋の寂しさのあまり大学のサークル顧問の津山聡史と関係を持ってしまう。
津山は、完璧な美貌と学歴を持ち、異例の若さで准教授の地位を得た男で、学生の評判も上場。
ところが本当の彼は、恋愛を「面倒」だと言い切り、人と必要以上の関わりを持とうとはしない不遜な性格。
おまけに要に向かって、「身体の相性がよかったから付き合おう」と言うのである。
恋愛至上主義な要は、そんな津山の態度に腹を立て、津山に「本気の恋を教える」という名目で付き合うことを了承する。期限は1ヶ月。要の誕生日まで。
その要の誕生日デートが、恋愛音痴な津山の卒業試験となるのだった――。
ところが、付き合ってみた津山は思いのほか紳士で、大体の要の要望は受け入れてくれる。
おまけに、要の元恋人が家に訪ねてくると、それを一喝し撃退してくれる。
大好きなスイーツを食べるために、女の子だらけの店に入っても嫌な顔はするけれど、決して断ったりはしなかったり――
意外な一面を知るたびに、自分がどんどん津山に惹かれていっていることに気づいた要だったが――
というような話でした。
個人的には、今までこの作者さんが書く話に苦手意識しかなかったんですが。
元々、漫画家さんであることもあると思うんですが、とにかく文章が小説っぽくなくて軽くて。
挙句、途中で「☆」とかが出てきて、正直、げんなりすることの方が多くて。
まったく好きじゃなかったんですが、今回ばっかりはびっくりするくらい普通の文章で、正直とても驚きました。
それどころか、むしろ、面白くて更にびっくり。
今までの苦手意識を吹き飛ばすくらい面白かったです。
要の津山に対する気持ちのいじらしさと、それなのに素直になれないところとか、すっごくかわいいと思います。
津山も津山で、どうやって自分の気持ちを相手に伝えたらいいのかわからなくて右往左往してるのがかわいいし。
結局一度は振られるんですが、それが原因で、ひどく落ち込んでしまっていつものペースさえも崩してしまうところが更にかわいくて好きです。
実はかなり似た者カップルかなー……と思うんですが、それがまたいい味出してました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ老舗骨董店の若旦那と、男花魁のミステリー風味な遊郭シリーズ。
骨董品にミステリーに花魁とか、どんだけ盛り込んでんだと思うんですが、これがよく出来ています。
ありがちな遊郭ものとはちょっと一線を画してます。
わざわざ『男花魁』というくらいなので、女の格好させただけのお人形さんBLじゃない。
自分はあくまで『男花魁』という仕事に真剣に向き合っている、という姿勢があって、プライドもあって、決して自分を悲劇の主人公にしない。
なので、安易に身請けで終了どころか、身請けされる気さらさらなし。
そんな矜持の高い受が、老舗骨董店の若様な攻に惚れて、やきもきする感じです。
煮え切らない態度や言動や行動に、花魁としての立場から葛藤し、駆け引きしてみたりなんやらと、まぁとにかく一途で健気。
なのに凛として気っ風がよく格好いい。
思わず次の巻に手が出ました。
遊郭ものなのに、桃色シーンが少ないのがまたいい。 -
Posted by ブクログ
義兄弟の誤解しちゃった家庭内三角関係。
描きようによってはドロドロする話が、ドキドキ胸キュンに仕上げられていてとってもかわいい印象です。イラストが穂波ゆきねセンセなのでなおさら。表紙も口絵もかわいくて、キュンキュンさせられます。忍がカッコいい。そして、ラブシーンのイラストも萌えます…
終始高校生の篤史視点でストーリーが進行するので、他の登場人物も彼の目を通してしか描かれていないのがクセモノでした。登場人物みんなの本心がなんとなく読者には透けて見えているのに、篤史の思い込みでどんどん話が逆方向へと進んでいくのです。
篤史は無意識のうちに、渡会家に引き取られた子供であることに引け目を感じているのか、いつもいい子で優等生であろうとしています。家事も率先して引き受けるし、久代や忍に甘えてはいけないと自制して生きてる健気な子。愛が欲しいくせに遠慮しちゃってるいじらしさなんです。
小さい時から遠慮して素直に甘えなかったせいで、家族愛と性愛の区別がついていない篤史です。それが自ら3人の関係をややこしくしてしまっているわけなんですが。
そんな篤史視点での忍は、カッコよくてモテて身だしなみもきちんとしていて篤史を好きじゃない男として映っているわけで、相当誤解があることに気付かされると、もう苦笑するしかないですね。
篤史って、忍に嫌われてるとか自分のせいで久代が苦労しているとか久代が好きなのは福山だとかすっかり思い込んでいて、真に受けると可哀そうってなるんですが、実はかなり大ボケ。ズレててかわいいです。
そして、一番よかったのは忍!篤史視点だと軽くてカッコよすぎるし、何考えてるかわからん奴というキャラにされていますが、どんだけ無理していたの?と思わせるくらいのへタレた実態でした。
やせ我慢していたのは、篤史より忍だったというオチにツボりました。
久代は引きこもって絵に没頭していて、ちょっと存在感が薄かったように感じます。父性をもっと見せて欲しかったかな…ファミリーものっぽく。血の繋がりがないので、禁忌が皆無!いつもならもの足りなくあるけど、この話の場合は健全でぴったり。安心して読めます。