渡邉哲也のレビュー一覧
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ネタバレ大前研一さんの「日本の論点」的な本。キーワードの選び方も論点もバランス良くまとまっていた。渡邉哲也さんのこのシリーズはまた読もう。
本書で深掘りされているキーワードはどれも自分でも追っているはずなのに、渡邉哲也さんの主張が鮮やか過ぎて、いったい自分は何を見てきたんだ?と反省するとともに驚かされる。この渡邉哲也さんとはどんな人なのか?
調べてみると、保守系「チャンネル桜」で活躍されている人らしい。書籍をも多い。なるほど、三橋貴明さん、上念司さん、林千勝さんなどの論客に並ぶ人のようだ。このカテゴリーの人たちは弁護士のような雄弁さと芸人のようなキャッチーさをかけ合わせたタレントと認識してる。立ち位置を明確にして、ブラさず、弁論で立ち回る。保守(反グローバリズムなど)、財政出動(MMTなど)、陰謀論(反ユダヤなど)を期待する人たちにとってのアイドル的存在と言える。でも正直、僕はこういう芸風の方々からは距離を取ることにしてる。ダニング・クルーガー効果が働いて「自分だけが知っている(がみんなはまだ気づいていない)という自己重要感」の中毒性があるからだ。実際はダニング・クルーガー効果が示すように「自己重要感(全能感)」は続かない。物事はもっと複雑なのだ。
だから渡邉哲也さんの主張に目からウロコではあるが、この「世界と日本経済大予測」シリーズくらいに留めておこう。 -
Posted by ブクログ
令和4年になって初めてのレビューとなります。この手の本は、出版されてから日を置かないでアップしておかないと意味が無いので、3連休の最後の日となりましたが急遽書くことになりました。
昨年10月以降はコロナ感染者が順調に減り続けてこのまま終息かと期待していましたが新年早々に裏切られた感があります。今年こそ元に戻る兆しが見られれば良いなと思っております。
以下は気になったポイントです。
・トヨタは2021年9月に世界で約90万台の生産を予定していたが、それを54万台にするとした、新型コロナウィルス感染の再流行が供給に大きな影響を与えるという判断、10月には国内14工場にある27の生産ラインを全て停止するとした、9月には4割減産をした。安価な部品を新興国の東南アジアで生産しているが、モノの生産が止まったから(p17)
・中国は2021年9月からの国定教科書の採用に合わせて全ての改革を進め、これに反する行為を行なったものを粛正する方針(全面的な自由の剥奪)を示した、高級消費財などに関する融資を禁止する命令も春令、西洋の文化や教育価値観「普遍的価値」を否定しており、これが今回の文化大革命の根底にある(p26)家庭教師の禁止、外国教育の禁止、外国教師による教育の禁止、ITを使った学習塾の営利事業の禁止、ゲームなどの検閲強化など(p115)
・中国は三峡ダムを造り大陸の大きな水の流れを変えた、100万人を超える住民を立ち退かせて、全長600キロの貯水池を建設した。その結果、黄海に流れ込む水の量が減ったことで温暖化を招いた、海水面の上昇により、それまで大雨が降らなかった九州山地の西側、瀬戸内海に大雨被害が出ている(p27)台風も中国大陸に向かうものが出てきた(p28)
・効率的な電力利用のために必要なのが「蓄電技術」で、全個体電池が重要となる。現在のリチウム電池に比べて、安全性・耐久性に優れるが、寿命が短い(p32)
・再生可能エネルギーによる発電は、実際のエネルギー効率が悪いが、太陽光や風は火力などと異なって無料で利用できるので帳尻が合っていたが、太陽光パネルの原料であるシリコンが5倍も高騰すると、価格メリットが亡くなり意味がない(p38)
・各宗教における食の禁忌は宗教的な意味以外に、地域の農業生産量で人口分の食糧を自給する機能がある(p43)
・モデルナ、ファイザーによるワクチン開発が進むほど、他の製薬メーカの後退が顕著になる、理由は他の製薬メーカは、それより良い数値が出ないとワクチンが承認されないから(p62)
・バイデン政権の「グリーンニューディール=3.5兆ドル」は、太陽光・自然エネルギーに投資するというエネルギー革命であるが、これは机上の空論に終わるだろう、利上げ(テーパリング)が決まっているから、インフレ率が2%を超える状態で景気刺激策を行ったら過剰景気となる、お金の調達のための国債金利は何%となるのか見通しが立たない(p77)
・2021年を代表する国際情勢トピックは、アフガニスタンのガニ政権の崩壊、タリバンによる全土掌握、そしてタリバンは中国と接近し、和平協定を結んだ(p87)
・現在日本企業が国内で作っているものの多くは、オンリージャパンである、日本でしか作れないものしか国内で作っていない(p104)
・そもそもEVには冬の寒い時期にパフォーマンスが落ちるという致命的な欠陥がある、バッテリー性能が下がっている時に、駆動系に加えてヒーターまでも全て電気で賄わねばならず、想定外に早くバッテリーが消耗し外出先で電欠が起こりやすくなる(p127)
・中国で資源が枯渇したら何を行うか、習近平が2021年になって70回以上発言した「共同富裕」=共産主義への先祖返り、である(p137)
・羽田空港に第三ターミナルが駅、ANAの第二ターミナルの国際化が進み欧米便への長距離便も飛ばしているので、地方空港から韓国を経由するメリットがなくなりつつある、以前は、日本のローカル空港から羽田、そして電車で成田に移動してアメリカに行くのと、地方空港から仁川でトランジットしてアメリカに行くのでは後者が有利であった(p149)
・新型コロナウィルス禍によって、EUに国境が再び引かれた、EUは解体状態にある(p157)中国企業傘下にあるラオックスが真っ先に逃げ出した(21年8月に13店舗中、7店舗を閉店)ことには注目に値する、この先、中国からのインバウンドに未来はないと知る「上からの指示」に違いない(p161)
・アストラゼネカでさえも赤字になるかもしれない、儲かるのはファイザーやモデルナ、アストラゼネカはメッセンジャーRNAでなく、従来型ワクチンなので、不利だった(p165)
・創薬ができる国は日本を含む先進10カ国程度に限定される、製薬は他者からのノウハウの移植でも可能である(p167)2017年から装薬を保険の一部とする考え方に変わってきた
・一日あたりの売上高が15万円以下なら1日あたりの協力金額は6万円となる、15万円の売り上げのお店が6万円の純利益を出すのは極めて難しい、せいぜい10%程度であ流ので、60万円の売り上げが必要になる。従ってコロナで苦しんだ飲食店は中小ではなく、セーフティネットから漏れている一定規模の外食産業である(p183)本格的な淘汰はコロナ収束後に訪れる、協力金も雇用調整助成金もなくなれば本来の需要に合わせたマーケット規模にリセットされる(p184)
2022年1月10日作成 -
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2022年以降の日本経済や中国、アメリカなどの情勢について。
着々と海外への覇権を広める中国にも、日本とは比較にならない少子高齢化の波や、人権問題に対する先進国からの締め付けなど、問題が多く必ずしも思い通りにならない。
アフガニスタンへの進出も入れ込み具合によっては、泥沼になる恐れもとのこと。
中国の二酸化炭素排出で、実はやる気がなくアメリカへのポーズという考え方も面白いなと思いました。
一方のアメリカもバイデン政権になり、中国へのあたりの弱さやコロナ政策の失敗など山積み。
日本もコロナで少子高齢化に加速がかかり、外国からの観光客の減少や労働人口の減少なんかの話もありますが、リモートワークにより、地方への重要性の比重が高まるなど、コロナによって良い面に変わっていく場面も。
この先の世界の情勢がどうなって行くか不安な部分もありますが、本書の最後にあるような新たなリーダの登場に期待したいです。 -
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GAFAを深堀するために、この本を手にとった。
題目がGAFAというだけで内容的には、中国の脅威や欧州と中東の危機が日本の今後といった国際情勢よりの話であった。目的のGAFA深堀ではなかったが、これはこれで学ぶことの多い著書となった。
以下、学び
・中国はやはり国家全体で自動運転とかに取り組んでいるので日本などは全然太刀打ちできず、GAFAも米国が全面バックアップしてないので旗色が悪い
・イスラムでも85%のスンニ派(サウジ、シリア、トルコ)、少数のシーア派(イラン、イラク)がある。多数をスンニ派が占めてるシリアだが、少数のシーア派のアサド政権が権力を握っているために内乱が絶えない
・イランに中国、ロシア加担、サウジにアメリカ加担の構図となっている
・トルコはスンニ派のためもともとシリアに対し反アサド、反シーアだったが、国内のクルド武装勢力に米国が加担したため、反米になった
・ドイツなどは中東の難民を受け入れているため、文化衝突を防ぐための国境が機能しなくなり、テロリストの温床等となり国力を低下させた
中国排他、トランプ支持の立場の著者であるが、今後の世界動向を知るためには、そういった視点から世界を眺めてみるのも良いのではないか。 -
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現在の米中関係に至った経緯がまとまっていて非常に参考になる。全体を通して読むと少々収まりの悪い構成になっているが、元々トランプ大統領再選を前提に大統領選挙後に発行する予定で書いていたものをバイデン当選で大幅に書き直したそうなので、ちぐはぐなところは仕方のないところかもしれない。むしろ状況を再分析したという点が信用できる。さて、国内政治については、これまでの著作でもかなり厳しい意見を述べているのだが、菅内閣に至っては見放したともとれる評価となっている。まあこれは仕方がないだろう。安倍内閣の遺産でかろうじて運営できているだけで何もしていないのだから。むしろ中途半端な対応で混乱を招いている現状を見ていると、本当に何もしなかった民主党政権のほうが良かったという評価になってしまうかもしれない。
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ここ1年の国際情勢の整理に
米中関係と日本への影響を軸にここ一年の国際情勢が非常に良くまとまっている。新聞やテレビのニュースのより深い理解の一助になるのはもちろんのこと、表面上の意味の裏にある駆け引きも解説されていて興味深い。対談形式のためあまり堅くなりすぎず読み易い一方で、データの提示や意見表明は硬派というバランスも良い。
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筆者は、コロナパンデミックがグローバリズム終焉、中国経済の瓦解をもたらすと主張している。特に、米議会の動向を詳細に分析したところが秀逸である。米議会は、アメリカに対する投資を厳格に審査したり、アメリカから外国(中国を念頭)への投資を規制する法律を制定している。そこへ今回のパンデミックが重なり、世界的なサプライチェーンの組み換え、そして中国外しが進むというのである。中国は曲がりなりにも独裁体制下で経済発展を成し遂げた実績があり、そう簡単には経済崩壊しないだろうと考えていたが、本書の分析を読み、その可能性も否定できないと考え直すきっかけになった。2020年3月までのパンデミック初期の世界経済を俯瞰したい人におすすめです。
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購入済み
日韓問題の分かりやすいまとめ
2019年末に購入したものの積読状態になっていて、2020年6月になって拝読。執筆時点から韓国の大統領選挙が行われていること、新型コロナウィルスの発生などの事態の進展はあるものの、現時点でも問題が続いている徴用工問題や輸出管理問題などについての背景や分析解説は半年のタイミングの遅れを気にさせないクオリティの高さ。対談形式だと本によっては読みづらいこともあるが、本書については著者二人の掛け合いも無理がなく議論を広げたり深掘りしたりが自然で読みやすい。韓国の内政事情を優先した内向きな判断方針や韓国・日本両国のメディアの偏向などが現在の問題の核であり、日本としては戦略的に距離を置くべきという主張がされている。本書一冊で主張すべてを鵜呑みにするのではなく他の書籍などでの継続的な確認は必要だが、少なくとも説得力のある説明が本書ではされており、日本のこれまでの外交姿勢は通用しないというのもある程度の真理を含むものと思う。
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少々古い本ですが、世界情勢について疎いので、非常に参考になりました。
過度なグローバル経済を続けると、国がどのようなことになるのか、アメリカ、ヨーロッパ、中国の状態からよくわかりました。
特にそれぞれの国内の国民の極端な格差社会が恐ろしかったです。
EU諸国にシリアからの難民が押し寄せて大変なことになっているのは、国のイデオロギーの崩壊に繋がっていくのがよくわかりました。
三橋氏の「日本は地震大国だから国民同士の助け合いが大事」という意見に共感します。
今の日本は他所から学んで真似していいことと、反面教師にすべきことを履き違えています。 -
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積んでいるうちに内容が古くなってしまった。今一番ホットで、最も動きの激しい話題なので仕方がない。抑えておくべきは2019年末から2月にかけての中国、WHOの動きだろう。新型コロナウイルスが世界中に広がってしまったのは初動のミスであり、なぜそのようになったのかがまとまっている。日本の対応の遅れも元をたどればWHOの発表にあるわけで、中国とWHOの関係を踏まえた上で、WHOひいては国連との関係をどうするかの決断を迫られることになる。実際、既にそれをにおわす発言も出ており、本書の予測通り世界の再構成が始まるのは間違いない。また、国内においてもポスト安倍と称される人たちの危機管理能力のなさが露呈し、さらに野党はまるで役に立たない状況が続いている。これに関して、まだ予測を立てられるほど、あるいは予測を公表できるほど大勢が定まっていないのか現状分析にとどまっているが、報道では決して出てこない内容であり、著者の取材力の高さを端的に示している。
現在進行形の話題なので、確定的なことはないが、世界と中国との間に壁が立てられるのは間違いないだろう。間違ってもその壁の中に取り残されないようにしなければならない。 -
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2019年9月の対談を元に出版された本。
さすがにGSOMIA破棄を数時間前に撤回することまでは予期できていないが、ああ、こうして韓国はレッドチーム入りしていくのだな、という現在進みつつある「歴史」について、二人が事実を淡々と積み上げ確認していく。
日経BPやデイリー新潮での鈴置高史さんの連載などを追っているような人間にとっては、新しい情報はあまりないかもしれない。
また、この本の主旨にも沿うが、韓国自体がどうなるかということは日本にとってはあまり重要ではないので、細かいところまで知っておく必要はなく、その意味でも韓国の今後については全体感を押さえるためにこの本を流し読みする程度で良い。
日本人・日本企業としては、中国・韓国がいなくなったサプライチェーンのなかでどう生きるかという判断が必要で、少なくとも米中貿易戦争が早く終わらないかな、とか、次の米大統領選では民主党の候補者が通ればいいな、とかいう願望とともに対中・対韓ビジネスを継続するようなことであってはならないのだろう。
自分のような投資家も、そこは肝に銘じてアロケーションをしなくては。