神永学のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ一風変わった数学者,御子柴岳人が主人公の取り調べ室が舞台のミステリー。文系にありがちな,確率とか,相対性理論といった数学的なうんちく好き人間なので,読む前の期待は大きかった。ベイズ推定,不完全情報ゲーム,事例ベース意思決定論,ゲーム理論等の数学の用語は聞いただけでワクワクしてしまう。実際に読んでみると,そこまで「数学」というほどではなく,さらっとした内容だったのが残念なところ。巻末の参考文献を見てみると,「ブルーバックス」,「図解雑学」,「ちくま新書」などなど。これらの参考文献だと数学的なうんちくにそれほど期待できないのは仕方ないか。冤罪という重いテーマとしているが,主人公が軽いキャラクターな
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Posted by ブクログ
「心理探偵八雲」シリーズでおなじみの神永学先生が描く、けっこうハードめなSF作品の第2巻。津波に襲われ国家崩壊の危機に瀕しながらも復興を果たした未来の日本が舞台です。
教養と武術を身に着け貴公子へと生まれ変わった主人公・コウ。昼はエリート学園の生徒、夜は腐敗した権力者とテロリスト双方を裁く“仮面の男”として暗躍する。一方、コウを庇護したイザナギは米国帰りの実業家として社交界に姿を現した。政府に改竄前のDNAデータ公表を迫るテロ集団の計画を、リベリオンを駆り阻止した彼らは、第三の勢力として革命を宣誓するが…。
場面転換を細かく繰り返しながら進む物語は、目まぐるしく臨場感があって楽しめます。た -
Posted by ブクログ
人間は、思い込みや偏見によってしばしば判断を間違える。
それを回避し、正確で公平なものをつくり出そうと人々は考え、システムを作ろうとする。
そうして作られたのが「特殊取調対策班」。
さあ、強力な助っ人は果たして助っ人たり得るのか?
数学者に対する偏見、イメージはきっと「変人」なのだろう。
本作に登場する御子柴も、まさにそれ。
ことわざ、慣用句の類を知らない。
猫を偏愛する。
飴をずっと口にしている。
なかなか絵に描いたような「変人」だ。
頭も良くてイケメンな変人。
設定としてはありきたりで(著者あとがきによるとモデルはいるそうだ)、すぐにパートナーを「バイアス女」と罵るため、個人的には好き