七月隆文のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公の由花が、モヤモヤした想いや不安に押しつぶされそうになりながらも、自分と向き合って、少しずつ成長していこうとする物語。
由花の空想上の友達「サラ」のように、この人は自分の味方だ!とかこの人が居てくれたら大丈夫だ!って思える友達が居るって本当に心強いし、幸せなことだと思います。
でも、大人になると、いつしか現実的になってしまうし、子ども心も捨てようとしてしまいますが、無くしかけていた純真な心を思い出させてくれるようなお話でした。
おばあちゃんの存在はもちろんのこと、ハーブショップがとてもあったかくて、幸せな空間で、思わず行ってみたくなります。 -
Posted by ブクログ
神話の話のような物語だった。
読む前・最初のほうはベタな恋愛小説かなと思っていたが、
想像の斜め上を行くユニークな話で、よかった。
スケールがでかくでも物語に入りやすかった。
呪いや神など、神秘的な面もありより物語華やかになっていると思います。
心に残った言葉ー世界から神秘が消えたのは
人の意識が変わっていったからなのよー
です。
小説の読んでるとよく思うのですが、どの物語にも神秘的を求めがちだなと思って、小説に限った話ではなく、漫画・アニメ・映画など。現実味がある物語をわざわざ娯楽で楽しもうと思わないじゃないですか。人間はどこかで神秘的なものを本質で求めてるんじゃないかとこの -
Posted by ブクログ
短い文章と会話で、テンポよく進んでいく。
ずっとやさしいBGMが流れているような、心地よい読中・読後感。
大人になりたくない由花の気持ち、ちょっとわかる。
知らないうちにどんどん環境が変わっていって、それまでの当たり前が当たり前でなくなっていく。そんな変化に上手く適応できなくて、苦しくなる。
自分だけの儀式があったり、でもいつのまにかその儀式は忘れてしまっていて必要もなくなったり。
あぁ、こうやって大人になっていくのか。と、ちょっと懐かしくなったり、「がんばれ」と由花を応援したくなったり。
なにより、おばあちゃんやお母さん、由花の周りの人たちがあたたかいことにホッとする。