あらすじ
七月隆文さんが贈る、ハーブの香りただよう癒やしの物語が、待望の文庫化! 13歳の春休み。家でも学校でも居心地の悪さを感じていた由花は、家族のもとを離れ、田舎で薬草店を営むおばあちゃんと暮らす決心をする――誰にも言えない友達・サラとの永遠の友情を守るために。森の中に佇む古いが落ち着いたお洒落なお店、自分のために作られた手作りの部屋、魔法の本みたいな日記帳、そして、由花のための特別なハーブティー……。おばあちゃんとサラと一緒の田舎暮らしは、由花の心をふんわりと満たしていく。それは、春を迎える再生のはじまりだった。『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』や『100万回生きたきみ』など、細やかな心の機微を瑞々しく描く名手・七月隆文さんが綴る、少女達の物語がはじまります。
※本書は2020年10月刊行の単行本『サラと魔女とハーブの庭』を文庫化したものです。
感情タグBEST3
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『サラと魔女とハーブの庭』はまさに魔法のような物語だと感じられましたし、おまけに表紙の色遣いも綺麗で優しかったです。由花の祖母が由花の手や腕をハーブオイルでマッサージするシーンには何だかとても癒やしを感じましたし、由花の祖母の経営するハーブショップにも行ってみたくなりました。
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すごく優しい気持ちになれました。読んでる時、優しい何かに包まれているような気がしました。純粋で綺麗な物語。難しくなくスーっと頭の中に馴染んでいく文章なのでとても読みやすかったです(^-^)
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優しい癒しの本。
かつて、自分が中学生位で感じていた
なんとも言えない、言葉にできない気持ち。
自分の気持ちと身体と今までの自分とに対する違和感、まわりと比べての焦燥感。
思わずハーブティーをいれて飲みました。
ハーブの世界、優しいなぁ。
Posted by ブクログ
最初本を開いて少し読み進めたら惹き込まれるみたいにすんなり入ってくるストーリーでハーブ好き不思議空間が好きな私にはかなり好きな感じでした。
最後までサラはなんなのか…謎は明かされる事はなく読み手の妄想とこうだといいな~ってのが詰まってる作品。
物語に出てくるおばあちゃんの生き方羨ましいかぎりで孫への接し方すごいし、ハーブティーやでてくる食べ物は美味しそう~って思いながら、ゆかちゃんの心情と心の動き、子供から大人になる複雑な感じと同級生とのコミニュケーション、その人間模様がなんともじんとしました。
ゆかちゃんが素敵な大人になってくれたら嬉しいな。
Posted by ブクログ
梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』が好きで、似た設定が気になったため購入。
おばあちゃん(魔女)は人生の教訓なんかを直接教えたりはせず、ただ由香が安らげる居場所をくれて、そっと見守ってくれる。
由佳はサラに頼りながら、大人ではないけれど子供とも言い切れない今の自分を受け入れようと試行錯誤していく。
やさしい文章で、すらすら読めるので久しぶりに一晩で読み切りました。
ほっと心があたたかくなるとともに、もう子供に戻ることはできないというかなしさも感じました。
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主人公の不安定な心の描写が自分の過去と重なり、子供から大人になる過程で抱いた感情を思い出しました。
おばあちゃんの温かくて全てを包み込むような優しさに感動しました。
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『西の魔女が死んだ』と似たような雰囲気と設定
学校に馴染めなかった子が、
田舎の祖母のハーブ屋を手伝う話
沢山のハーブが出てくる
サラは架空の友達
200頁と少しで、さくっと読めて、
物語は一見、浅い水面のように見えるけど、
少女の多感な機微を深く捉えてた
『スーッコ』な話
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学校に馴染めなくなった少女が訪れる、ハーブ屋さんのおばあちゃんと少女だけの友達サラとの物語。
現実から離れ、ハーブに囲まれた魔法のように輝く毎日と、サラの秘密が少女の短いお休みを彩っていた。
中学生になった途端に大人に近づく周囲にどうしても馴染めなくなってしまった主人公の少女由花。
子どもと大人の境目に立つと戸惑ってしまうことはあるだろう。
その戸惑いから守るかのように、子供らしさが溢れるサラがいた。
大人になりきれない由花の心情は、所狭しと見てとれた。
愛らしいニオイスミレをぶちっと摘むおばあちゃんに驚くこと。
不思議なことは合理的な理由を突き詰めず、不思議なままで受け入れること。
反対に、大人へと近づく描写もある。
オリジナルの言葉にほんの少し恥ずかしさを覚えること。
一目惚れした少年に、大切なお守りを渡すこと。
だんだんと大人に近づくにつれ、別れなければいけないものも多いが、子どもの時に手に入れられなかった心と出会うこともできる。
由花の成長が切なくとも希望に満ちていた。
Posted by ブクログ
主人公の由花が、モヤモヤした想いや不安に押しつぶされそうになりながらも、自分と向き合って、少しずつ成長していこうとする物語。
由花の空想上の友達「サラ」のように、この人は自分の味方だ!とかこの人が居てくれたら大丈夫だ!って思える友達が居るって本当に心強いし、幸せなことだと思います。
でも、大人になると、いつしか現実的になってしまうし、子ども心も捨てようとしてしまいますが、無くしかけていた純真な心を思い出させてくれるようなお話でした。
おばあちゃんの存在はもちろんのこと、ハーブショップがとてもあったかくて、幸せな空間で、思わず行ってみたくなります。
Posted by ブクログ
雰囲気がお洒落な小説。
大人になるってこんなことだな、と改めて考えさせられた。
落ち着いた作品で、悪く言えばつまらなく感じる人もいるかもしれないが、落ち着いた雰囲気を味わいたい人にはおすすめ。
2週目はカフェで紅茶を飲みながら読みたいです。
Posted by ブクログ
学校に馴染めなくなった女の子。祖先が魔女のおばあちゃん。丁寧な暮らし。少しだけ''西の魔女が死んだ''に似ていると思う。小さい頃はすごく大きくて楽しい場所に感じたのに大きくなってから行くと全然違く感じてしまう。子供から大人へなりかけている子供の悩みの描写がとても良かったです!
Posted by ブクログ
短い文章と会話で、テンポよく進んでいく。
ずっとやさしいBGMが流れているような、心地よい読中・読後感。
大人になりたくない由花の気持ち、ちょっとわかる。
知らないうちにどんどん環境が変わっていって、それまでの当たり前が当たり前でなくなっていく。そんな変化に上手く適応できなくて、苦しくなる。
自分だけの儀式があったり、でもいつのまにかその儀式は忘れてしまっていて必要もなくなったり。
あぁ、こうやって大人になっていくのか。と、ちょっと懐かしくなったり、「がんばれ」と由花を応援したくなったり。
なにより、おばあちゃんやお母さん、由花の周りの人たちがあたたかいことにホッとする。
Posted by ブクログ
☆3.8
表紙の可愛さに惹かれて購入した作品。
読んでいて、梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」を思い出しました。
思わず香りが漂ってくるようなハーブティーやハーブを使った美味しそうなお料理の数々に癒されました❁⃘*.゚
そして優しい理解者である由花のおばあちゃんがとっても素敵でした!
Posted by ブクログ
思春期のなんともいえない感情、子どもでもなく大人でもない。
心と体がちぐはぐなあの不思議な時間。
サラが心の支えだったのに自分はもう大丈夫だと自覚してお別れすることは勇気がいることだが、由花が大人として一歩を踏み出そうとしている姿に応援したくなった。