コニー・ウィリスのレビュー一覧

  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    後半、話のテンポは上がっていく。
    しかし、これにSF的な派手な展開を期待すると全く外れる。
    あくまでSF的な設定ではあっても、中世と現代とで疾病と戦かう物語として割り切って読めば実に緻密な描写で引き込まれるが、通常のSF(タイムワープ物)的な展開を期待すると全く外れる。

    誰も見たことも無い中世の世界を緻密に描きこみ、多彩な人物をリアルに配置し、二つの時代をまたがって物語を展開する手法は見事だし、後半のシビアな展開には驚く。

    しかしそれであっても、(全くストーリーに関係のない)不要な描写は読み疲れて、正直読むのに努力が必要だった。続編はどうしよう・・?

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    2021年05月04日
  • ブラックアウト

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    750ページ二段の、まるで辞書のような
    新⭐︎ハヤカワ・SF・シリーズ『ブラックアウト』!
    永らく積読状態でしたが『オールクリア 1、2』が揃ったところで、意を決してシリーズ年内読破を決意!

    2060年のオックスフォード大史学生3人がタイムトラベル先の1940年第二次大戦時のイギリスで巻き込まれる騒動は、戦っている者ではなく一般市民の生活を描いており、どこかコミカルで、まるで恋愛ドラマにある「すれ違い」。それだけに、ときおり現れるシリアスな場面がより戦争の恐怖を煽り立てる。

    のめり込んで読みすすめると、本を持つ左手が重みに耐えているうちに、750ページが終わる。

    でも物語はまだ終わらない

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    2020年12月06日
  • オール・クリア2

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    ブラックアウト、オールクリア1から続き、とうとう完結編!著者は本書の執筆に8年を費やしたとのことですが、さすがの物量と、それに負けない構成力。最終巻でどんどん伏線が回収され、物語が収れんしていく様子は圧巻でした。

    正直、戦時中のロンドンの状況については全く知識がなかったですが、人々の生活の様子が活き活きと描かれており、タイムトラベル的な要素を横に置いても充分に楽しめる作品でした。そこに未来からやって来た史学生たちの人間ドラマが加わり、最後まで一気に読まずにはいられず、ラストは感動して何度も読み返してしまいました。

    さすがに大作すぎて、ストーリーを追うのに必死で細かい描写をキャッチできていな

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    2020年05月11日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    航時部シリーズ。過去にタイムトラベルして歴史上の出来事を調査などしている。今回はコベントリー大聖堂の主教の鳥株を探すというミッション。今回は(少なくとも上巻では)何かパニックになるのではなく、ビクトリア朝のイギリスに降下して、テムズ川を下って歴史の齟齬をなくすミッションだ。その他光景が、ジェローム・K・ジェロームの著作「ボートの三人男 犬は勘定に入れません」につながる。本書を読むのなら、こちらを先に読んだ方がより楽しめる。クスクス笑いながら読めるだろう。なお、航時部シリーズは浮き足だった感じで物語が進行するのが多い。ただし、本作も基本的にはそうなのだが、「ボートの三人男」のようにゆったりとした

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    2019年08月13日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    ネタバレ

    犬を勘定に入れないなんて酷い!と思いつつタイトル買いしたものだが、シリーズものだと気付いて長いこと積読されていたw

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    2019年06月29日
  • リメイク

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    ネタバレ

    ジーン・ケリーよりフレッド・アステア贔屓でハリソン・フォード好きってな共通点があるからか?日本未公開な古いのは兎も角、うろ覚えでも作中に出てくる殆どの映画は観たことあるかも~で懐かし心は刺激された

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    2019年06月28日
  • ドゥームズデイ・ブック(上)

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    史学部シリーズ。学生が中世の英国にタイムトラベルする。事前にある程度の安全確認をしているので、学生は安全だというが、まあそこは何か起こらないと小説にはならないわけで、もう元の時代に戻れないのではないかと思わせる事態が発生する。一方で学生を送り出した現代(読者から見たら未来)でも謎の感染症で、ダンワージー教授らは隔離を余儀なくされる。

    とにかく上巻は謎だらけ。だらだらした感じを受けるが、それでも舞台の緊張感を醸し出すコニー・ウィリスの筆力には驚く。読んでいて、なんとなく陰謀のようなものを感じ、そいつを疑いながら下巻に進むこととする。

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    2019年04月22日
  • 航路(上)

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    トヨザキ社長オススメ、翻訳・大森ってことで入手。ただ、”航路”って言葉を、自分で勝手に”宇宙航路”と拡大解釈してて、それはSFのイメージに基づくものでもあるんだけど、で、『だとすると、こんな長編を読みきるのはしんどいかも…』って思ってた。でも蓋を開けてみると、舞台は親和性の高い病院で、内容も臨死体験に関したものと、思ってたのと大違い。安心して読み勧めることが出来た次第。SFの中では寧ろ読みやすい部類。上巻だけでかなりのボリューム感だけど、それをあまり感じさせられないくらい、リーダビリティも高い。キャラの魅力とか、秀逸な訳文とか、色んなおかげの賜物だけど。続きも楽しみ。

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    2018年08月09日
  • ドゥームズデイ・ブック(下)

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    多くの登場人物のキャラクターや関係性を理解しようとするのをやめて、どんどん読み進めると後半はストーリーが加速してくる。
    なんと設定した時代からずれたところにタイムトラベルしていたとは。
    最後にギヴリンやダンワージーは助かったのだろうか?

    ところで「鳴鐘者」って鐘を鳴らす人だと思われるが、教会の鐘を鳴らす人なのだろうか?どうもハンドベル奏者のイメージがつきまとい、物語がうまく想像できないのだが。

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    2018年05月31日
  • 航路(上)

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    いつも通り最高に楽しめるんだけど、展開のエンジンがかかるまでの日常の積み重ねがけっこう辛かったりする。あと何回ミスター・マンドレイクに会えばいいのか、とか。毎回行っちゃだめと引き留めるメイジーとか。その分、それまでの経験が、マジかそうなるのかっていう具合にスパークして、楽しいです。

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    2018年03月04日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    時間旅行ユーモア小説!
    本来は過去から何かを持ち帰ることは不可能なはず…
    しかしある学生が川に溺れた猫を助けて連れ帰ってしまった。
    この猫が原因で歴史に齟齬が生じたら?
    齟齬を生じさせないから連れ帰れたのか?
    とにかく猫を元のところに戻すために過去に送られたネッドだがそこでもまた歴史と異なる出来事が起こってしまう。
    どうなる歴史!? いやぁ〜後半に進むにつれてどんどん面白くなっていって一気読みしました

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    2017年12月31日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    2057年イギリスのオックスフォード大学が舞台。
    過去へのタイムトラベルが可能になり、歴史を学ぶ学生は過去に潜入して研究していた。

    最初は読みにくかったけど後半になるに連れてどんどん引き込まれる展開に。
    過去の時代の風習に戸惑ったり、強烈な個性の人に振り回されたり読みながら笑える場面が多いです。

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    2017年12月31日
  • 犬は勘定に入れません(下) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    ドゥームズデイ・ブックと比べると感動がない
    表紙   6点松尾 たいこ   大森 望訳
    展開   6点1998年著作
    文章   7点
    内容 700点
    合計 719点

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    2017年11月29日
  • 犬は勘定に入れません(上) あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

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    ドゥームズデイ・ブックと比べると感動がない
    表紙   6点松尾 たいこ   大森 望訳
    展開   6点1998年著作
    文章   7点
    内容 700点
    合計 719点

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    2017年11月29日
  • 航路(上)

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    臨死体験がテーマのSF。認知心理学者のジョアンナは、神経内科医のリチャードに誘われて臨死体験の研究プロジェクトに着手する。人工的に臨死体験をひきおこし、その謎を科学的に証明しようとするが、被験者不足でジョアンナは自らプロジェクトの被験者となり、ほかの人の臨死体験や自らの体験から、すこしずつ臨死体験の謎を解明していく。

    上下巻でそれぞれ650ページずつくらいの大長編。上巻の前半くらいまでは、なかなか話もすすまず医学研究の小難しい話が多かったり、話をやめない登場人物ばかりでほんとうにこの物語自体が「引き延ばしの天才」。でも、ジョアンナが「潜り」はじめてからは、一歩一歩着実に真相に近づいていき、ど

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    2017年08月18日
  • 航路(下)

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    臨死体験がテーマのSF。認知心理学者ジョアンナは自ら臨死体験の研究プロジェクトの被験者となり、すこしずつ臨死体験の謎を解明していく。

    上下巻でそれぞれ650ページずつくらいの大長編だけど、ジョアンナが「潜り」はじめてからは、一歩一歩着実に真相に近づいていき、どんどん先が気になってくる。臨死体験の謎が、予想もしてないようなことにつながっていき、展開がよめない。真相にたどりつきそうでなかなかたどりつかない様子が、舞台の病院が改装工事や通行止めばかりだったり、登場人物たちが留守電やポケベルの行き違いなどでなかなか連絡がとれなかったりする描写と重なり、いろんな意味でこちらももどかしい。

    第2部の終

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    2017年08月18日
  • リメイク

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    新作映画をつくらなくなった21世紀のハリウッドが舞台です。映画ツウ度を試される「細かすぎて伝わらない」小ネタがてんこ盛りになっています。ロマンチックなボーイ・ミーツ・ガール風の近未来SFですね。

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    2017年01月30日
  • 航路(下)

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    ネタバレ

    無意識下って不思議。
    いつ誰が何に対して何を思って、それが様々なメタファーになってあらわれるか
    本人にもわからない。
    人それぞれにNDEのビジョンがあるなら楽しいな。

    登場人物、物語に流れる空気感が心地よかった。
    病院で職務に従事する人たち、すごく素敵でした。
    あとやっぱり、ドクター・ライトがチャーミング。すき。

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    2017年01月29日
  • 航路(下)

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    ネタバレ

    ジョアンナは薄皮を1枚1枚剥がすみたいに臨死体験の真相に近付いていく。迷路のような病院の構造に伝言ゲームみたいな留守電とポケベルでのやり取りが、あと少しで真相に手が届きそうで届かない状態と相まって読んでいるこちらも非常にもどかしい。そして、二部の終わりでの驚きの出来事の後は、結末が気になり読書をやめることができなくなりました。海外の作品は苦手という人も多いし、上下巻合わせると1300ページという長編なので誰にでもお勧めという訳には行きませんが、どちらも平気という方には是非読んでみて!と勧めたい作品です。

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    2016年12月06日
  • オール・クリア2

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    「ブラックアウト」から「オールクリア1」と同2まででひとつの物語。とにかく長かった。面白かった。終盤に行くまでは少しダラダラとした感じはあるが、それらはすべてラストに向けた伏線である。最後にどんどん伏線が回収されていくのは見事。作者も苦労したと後書きにあるのだけど、特殊な時間の流れかたをする本作品においては、辻褄を合わせるだけでも大変な作業になるのは簡単に想像できる。これで意外というか、ある意味ロマンチックな結末まで用意するのだから、コニー・ウィリスはどんだけすごいんだと思わざるをえない。長くて読むのは大変だけど、読み終えた時の満足度は高い。読む価値はあった。

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    2016年06月04日