土方奈美のレビュー一覧
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ネタバレ期待して読んだが、面白かったが何を学べたのかわからない印象。
【旧版】ティッピング・ポイントの3原則(2000)
1. 少数者の法則(The Law of the Few)
社会的感染を引き起こすのは、ごく少数の「特別な人物」である。
この「キーパーソン」は以下の3タイプに分類される:
Connectors(コネクター):多数の異なる社会圏をつなぐ人
Mavens(メイヴン):知識の豊富な情報通
Salesmen(セールスマン):人を説得する力のある人
2. 粘りの要素(The Stickiness Factor)
情報が拡散するには、「人の記憶に残る」「再生されやすい」特性が必要。
内容の魅力、構成、繰り返しなどによって“粘り”が高まり、行動喚起力が生まれる。
例:セサミストリートの構成要素の微調整で学習効果が大きく変わった。
3. 背景の力(The Power of Context)
人の行動は、個人の内面や性格より**状況(文脈)**によって強く左右される。
小さな環境の変化(例:割れ窓、落書きの除去)が犯罪率の劇的な変化を引き起こす。
新板の3原則
1. Overstories(メタ物語/空気感)
社会やコミュニティを動かす背後にある物語的構造を重視。たとえば「ホロコースト」という言葉が使われるようになった背景には、1978年のテレビ番組の影響があったと分析。
2. Superspreaders(超拡散者)
COVID-19、オピオイド危機などでは、少数の人物が大規模な感染拡大を引き起こす。実際に2人が全体の86%以上のウイルスを拡散した研究などを引用。
3. Social Engineering(社会設計)
社会を動かすティッピングは意図的に“設計・操作”できるという視点。
“Magic Third”(グループにおいて約3分の1の構成が役割アップに寄与する)やハーバード大学の女子ラグビーのケース、住民分布を人為的に調整したカリフォルニアの都市実験などが紹介される
個人的なメモ
私なりにまとめると以下となる。
①少数者の法則・Superspreaders(超拡散者)
ごく一部の人の拡散により社会変化は起きる
②粘りの要素(The Stickiness Factor)・Overstories(メタ物語/空気感)
わかりやすい特徴・シンボリックな行動が拡散する
調整要因(mediator)として、モノカルチャー的な文化が拡散を助長する
③Social Engineering(社会設計)・背景の力(The Power of Context)
社会的影響は操作可能である
1/3, 1/4程度を含ませること
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Posted by ブクログ
「どうすれば未来を予測できるのか?」これは永遠のテーマかもしれない。
しかし、よく考えてみると、その考え方自体あまり意味がないことではないか、と思ってしまう。
「未来予測」というと、当たった、外れた、という話になってしまうのだが、それが本質では
ないことは明らかなはずだ。
映画に出てくるタイムマシンのように、競馬などで一発当てるつもりならよいかもしれないが、結局は金儲けのためだけか。
そこだけ考えると、「他人が知らない情報を、自分だけが先に知る」という優位性を使って、富を築くことに利用するという話になる。
これはこれで、理解はできるのだが、浅はかというか、小さいというか。
このように「他者よりも優位に立ちたい」という、相対的なポジション取りの話になってしまうと、とたんに気持ちが冷めてしまう。
未来予測って、そういうものじゃないだろう。
もっと心が沸き立つような、ワクワクするような、そういう感覚に憧れてしまう自分がいる。
スティーブ・ジョブズは希代の経営者で、金も沢山稼いだかもしれないが、単にポジションを取るためだけに生きていた訳ではないだろうと思う。
「ビジョナリー」と言われてた通り、「予測する」ことよりも、「こんな世界を創りたい」という妄想に憑りつかれた変人だったはずだ。
その変人が、世界を熱狂させる製品を作りだし、文字通り世界を変えたのだ。
誰がこんな未来を予測したというのか。
結局、未来とは予測するものではない。
創造するものなのだ。
それができる人は、ほんの一握りの人なのかもしれない。
ジョブズほどでなくても、もし少しでも世界を変えることができたなら、何て素敵な人生じゃないかと思う。
この考え方は、今後生きていく上で、鍵となっていく思考法だとも言われている。
最近は「ソート・リーダーシップ」とか言われるようだが、「ソート」(=Thought)考え方が大事だということだ。
妄想だって、一つの考え方。
今の若い人は、単なる金儲け主義には共感しないし、地球規模の課題を何とかしたいと思う人が多い。
我々老年世代よりも、よほど真剣に未来を考えている。
現実的に「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」を掲げない会社は見向きもされない。
会社に優秀な人材を集めるためにも、「未来を創造する」気持ちは大事なのだろうと思う。
しかし一方で、MVVを掲げれば良いってものでもない。
コンサルに言われるがままMVVを掲げても、芯がないというか、薄っぺらいというか、そんな状態になってしまう。
未来を創造したいという妄想に憑りつかれた人なんて、ほんの一握りかもしれないが、形だけ取り繕っても、今の若者にはバレてしまう。
心の底から湧き起こる衝動こそが、今後世界を変えていく。
これからは特に「AI時代」に突入していくから、益々顕著になっていくだろう。
AIに衝動はないが、命令に対してサボらず休まずに延々と作業ができる。
人間の価値が益々問われていくが、普通に今まで暮らしてきた人は、今後人生を真剣に考え直さないといけないだろう。
今までの延長線上で普通に生きることは、ほぼ不可能と言えるからだ。
自分には特別な衝動や妄想なんてない、という人も多いだろうと思う。
そういう人こそ、今後の生き方を真剣に考える必要がある。
最近「モチベーションこそ、人間の源泉」というが、本当にその通りだと思ってしまう。
世の中を変えるような画期的な新製品やサービスが世に出てくる前には、必ずなんらかの兆候があるはずだというが、それを見つけられるのも、モチベーションの有無が大きいはずだ。
本書内では「まずは社会の隅に目を凝らせ。幅広い網を張って情報集めよ」と説いているが、まずこの行動ができるかどうか。
なぜ、あれだけシェアを取っていた携帯電話「BlackBerry」は、スマホ時代の到来を読めなかったのか。
逆になぜジョブズには、それが見えたのか。
本書内では「一過性の流行と、本物のトレンドをどう見分けるか」についても言及している。
「CIPHER」で検証せよ、ということであるが、
★C → Contradiction(矛盾)今までではあり得ない組み合わせ
★I → Inflection(変曲)急激な変化を招く出来事
★P → Practice(慣行)根付いた価値観を壊せ
★H → Hack(工夫)今までと違う方法を試みろ
★E → Extreme(極端)まさに突き抜けてやってみろ
★R → Rarity(希少)一見関係の無いものを探せ
これらは確かに、今までも意識して行動していたような気がする。
それをもっと突き詰めて行えということか。
そして、タイミングを見極め、未来に起こりうるシナリオと戦略を描けと説いている。
未来を予測するよりも、創造せよ。
何となくだが、「世界がこうなってほしい」という妄想は、自分の中に存在している。
それを形にできたら、幸せだと思う。
つまり、迷わず邁進せよということだ。
50代後半の老年ではあるが、諦めずに生きていきたいと思っている。
(2025/4/9水) -
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ネタバレ分子生物学者が書いた真面目な本。長生きのためのサプリを推奨するような内容ではない。
・人間は癌抑制遺伝子p53を2つ持っているが、象は20個持っており、そのおかげで癌にかかりにくい。
・DNA修復遺伝子が強いと長生きになる。ハダカデバネズミのケースは有名だし、長生きの人は並外れて効率的なDNA修復メカニズムを有している。
・カロリー制限が有効であるというエビデンスは人ではほぼ皆無。また、そもそもの話としてカロリー制限はQOLを低下させる。
・メトホルミンについてもかなり調べられているが今日まではっきりしたエビデンスはない。DMの人が飲むのはよいが、健康な成人に投与して効果を期待するのは時期尚早
・SIR2遺伝子についても調べられているが、国立老化研究所が行った研究ではレスベラトロールやターメリック抽出物はマウスの寿命に一切影響を与えなかった。線虫やハエの遺伝子を変化させてSIR2タンパク質を過剰生産させても寿命に一切影響はなかった。
・抗酸化サプリに関する68のRCT(被験者総数23万人)で抗酸化サプリは死亡率を低下させなかったし、βカロチン、VitA/Eなどは死亡率をむしろ上昇させた
・もし仮に寿命が100歳以上に延び、健康に過ごせるようになると出生率が低下し、どんどん減っていく若い世代に、増加し続ける高齢の退職者を支え続けることができるのか。働く期間を延ばすなどの対策が必要になる。
・人々が死を免れないという事実に耐えられるように、あらゆる文化は死が一巻の終わりであることを否定する信念と対策を発達させてきた。哲学者のスティーヴン・ケイヴは不死の探求は何世紀にもわたって人類文明の原動力だったと指摘する。ケイヴは人類の対応策を4つに分類する。1つめ、すなわちプランAとは単にできるだけ長く生きようとすること。それが失敗した場合のプランBは死んだ後に物理的に甦ること。プランCはたとえ体が朽ち果て、復活できなくても、私たちの本質は不死の魂として生き続けること。そして最後のプランDは業績、記念碑、あるいは生物学的子孫といったレガシー(遺産)のかたちで生き続けることだ。 すべての人類はプランAを実践してきたが、それ以外の戦略をどれほど重んじるかは文化によって異なる。私の故郷であるインドでは、ヒンドゥー教徒と仏教徒は進んでプランCを受け入れる。それぞれの人には永遠の魂があり、それは死後も新たな体、ときにはまったく違う生き物に宿って生き続けるという考えだ。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教といったアブラハムの宗教はプランBとCの両方を信奉する。永遠の魂を信じる一方、将来のある時点で肉体も復活し、最後の審判を受けると信じる。伝統的にこうした宗教では火葬を禁じ、遺体をそのまま埋葬するのはこのためかもしれない。
・アンチエイジングに熱心なテック長者のほとんどが、非常に若くして大金を手にし、人生を謳歌し、このまま永遠にパーティが終わらないでほしいと願っている中年男性(若い女性と結婚していることもある)だ。若い頃は金持ちになりたくて、金持ちになった今は若くなりたがっている -
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ビジョナリーカンパニーの原点に新しく注釈をつけた作品である。
過去のビジョナリーシリーズを読んでいるとわかりやすいです。
特にリーダーシップの章が良かった。
また、戦略と戦術の違いがよくわかった。
世界1000万部超ベストセラーシリーズ『ビジョナリー・カンパニー』の原点で最新刊!
本書『ビジョナリー・カンパニーZERO』は、『ビジョナリー・カンパニー』シリーズが発行される前の1992年にジム・コリンズが記し、日本語訳されずにいた名著『Beyond Entrepreneurship』の改訂版。まさに、ビジョナリー・カンパニーの原点だ。
◆ネットフリックスCEOなど大絶賛の声が続々!
「本書は誰よりもどの本よりも、私のリーダシップを一変させてくれた。10年以上この本を読み返した。起業家なら、86ページ分を暗記せよ」
――リード・ヘイスティングスNETFLIX共同創業者兼CEO
「自分の白いキャンバスにゼロから絵を描き人生を切り開こうとする人に、パーパス、ミッション、ビジョンなどのコンパスや道標を授け、「幸運は諦めない者に訪れる」ことを再認識させてくれる名著だ」
――田中仁 ジンズホールデイングス代表取締役CEO
「『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの集大成であると同時に、原点でもある本で、シリーズ全体を体系的に学ぶことができる。すべての起業家、経営者、組織のリーダーにお薦めします。人生で何度も読み返したい素晴らしい本」
――小林清剛 起業家
◆スタートアップや中小企業が「偉大な企業」になるために必要なことを解説
偉大で永続的な企業になるために必要ことを1冊に凝縮してまとめた。誰と一緒に仕事をするか、リーダーシップ・スタイル、戦略、戦術をどうつくるか、パーパスやミッションなどをどう決めて実行するか重要になる。「偉大な企業」とそうでない企業との違い、規模が小さいうちから考えておくべきことなど、時代を超えて重要な内容が理解できる。
◆ジム・コリンズとビル・ラジアーの教えの例
・偉大な企業という目的地があるわけではない。ひたすら成長と改善を積み重ねていく、長く困難で苦しい道のりだ。高みに上り詰めると、新たな課題、リスク、冒険、さらに高い基準を探す。
・企業が追跡すべきもっとも重要な指標は、売上高や利益、資本収益率やキャッシュフローではない。バスの重要な座席のうち、そこにふさわしい人材で埋まっている割合だ。適切な人材を確保できるかにすべてがかかっている。 -
Posted by ブクログ
倫理と経済は再び同期できるというストーリー。最後に、
1企業はCPOという倫理責任者とともに倫理研究部門を設置し、利益と倫理の同時に達成すべき点を開発せよ
2子どもに参政権を与えよ
3欲望をコントロールせよ
4AIそれ自体はインテリジェンスにはならない
などの提言がある。
特に 子どもに参政権を は深く納得した。倫理セクターは今後少しずつ導入されると思うが、哲学が実学として教育されてから時が経てばと思わなくもないので5〜10年ほど変わるだろう。
フィロソフィーマーケティングなどとマーケティングオリエンティッドの安い理論に陥らないことを願う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミリオネアとは金銭的目標だけでなく心も持ち方を指す。=雨が降らなければ虹もかからない。投資にはリスクが伴う。投資しないリスクはそれより大きい。
儲かる株を探すのに労力や時間をかけるほど儲からなくなってくる。
シンプルさと時間を味方にする。
市場は時折暴落する。私たちにできることは何もない。
レアな真珠の神話。
未来を読めるとしても、投資の実績はよくならない。自動車の復興を予測して20世紀はじめに自動車メーカーの株を買ったとしても、3000社の自動車メーカーのうち生き残った自動車メーカーは3社だけ。未来を読んで投資をすることは不可能に近い。
将来を見てきた人間が、ドミノピザが上場したときに買うことを勧めても、誰も買わない。人はハイテクの話にしか興味がない。
市場を超えてパフォーママンスを上げ続ける人はいない。
sp500は、業績が悪くなると構成銘柄から外れる。ハーレーダビットソンのように。
デイトレードはカジノよりリスクが高い。
債券は残存期間が短いモノの方が価格が安定している。
IPO銘柄は、全体で見ればプラスにならない。
50才で人生が終わるわけではない。
複利の効果、時間を味方に付ける。
投資を面白いと思うなら、そのやり方は間違っている。
経済ニュースは面白いが、それで投資はできない。
直感に従うのは間違い。
ライオンが襲ってきたら逃げないほうがいい。逃げなければライオンは襲ってこない。しかし、本能に従えば逃げてしまう。
生き残るのは脅威と戦うのではなく、本能と戦うこと。 -
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「哲学界のロックスター」と言われ、来日講演したりEテレの番組にも出演したりしたことのある新進気鋭の天才哲学者である著者が、初の日本書き下ろしを出版したということで2024年の夏休み図書として購入。
本書は3部構成となっており、第1部ではまず、「倫理」「資本主義」「社会」について、あえて経済的側面から定義するところから論考が展開される。そしてそれらの定義や概念に基づき、資本主義のインフラを使って道徳的に正しい行動から経済的利益を生み出し、社会を大きく改善することができる、またはそうすべきだと冒頭で筆者は述べている。
かつてミルトン・フリードマンが主張した「企業の目的は利益追求である」から、「企業の目的は善行(DOING GOOD)である」に今こそギアチェンジしすべきだというのが本書を貫く思想である。
とかく近年では、地球環境破壊とはじめとする諸々の社会問題の元凶として”行き過ぎた資本主義”が槍玉に挙げられるが、そもそも「資本主義」とは複雑化する現代社会の一側面にすぎず、「資本主義社会」などという単一の社会システムは存在しないと筆者は強調する。
つまり、行き過ぎた資本主義が原因とされる社会問題は、資本主義の運用の仕方が誤っているのであって、資本主義(生産手段の私有、自由契約、自由市場)そのものではないとする。
本書の核である第2部では、著者が提唱する倫理と資本主義を”リカップリング”した「倫理資本主義(Ethical Capitalism)」について解説される。そこでのキーワードは「道徳的事実」である。これは主観的意見や文化、社会的アイデンティティに左右されない普遍的な事実を指す。この道徳的事実を発見したり拡張したり拡大させたりすることなどを「道徳的進化」と呼び、これからの時代は資本主義のインフラを道徳的進化のエンジンとして活用することで、誰もが道徳的に正しいと認めることを推進させながら利益を得ていくことが肝要であると著者は説いている。
第3部では、倫理資本主義を包含する倫理的・政治的価値の枠組みとして著者が提唱している「エコ・ソーシャル・リベラリズム」について、それを実現するためのいくつかの思考実験に基づいた具体的提案(企業への倫理部門と最高哲学責任者(CPO)の設置の義務付けと、子どもへの選挙権付与)が述べられる。
最後に次世代のAI倫理について言及されているが、筆者はAIに対して経済を一段と加速させることによって未来を形づくる、真に未来志向の技術だと楽観的立場を取っている。そのためには、AIはそれ自体いかなる意味においてもインテリジェントではないという「ソシオテクノロジー(社会的技術)」であるということを前提に利用すべきであると主張する。つまり、AIはあくまでも人間(社会)が使ってこそインテリジェントになるとする。
AIが普及した未来社会については、AIによって多くの仕事が失われるといったようなネガティブな予想が多い中で、著者のような国際的に影響力のある哲学者がポジティブな思想を有しているのは、AI社会に対するひとつの希望であると感じる。
本書全体を通じて、著者が単に専門分野の哲学・倫理学的見地ではなく、経済学、生物学、IT(AI・SNS等)などの多様な観点から新たな主義・主張を述べており、広い視野と深い洞察力に感嘆を禁じ得ない。
第2部でも述べられているように、著者が提唱する「エコ・ソーシャル・リベラリズム」の枠組みで近年すっかりブームとなったSDGsを再考すると、この開発目標も単に「地球を守れ」とか「自然を保護せよ」といった中身のないメッセージではなく、あらゆる生物の中で唯一自由意志を持った人類の社会経済的生活形態にかかわるものであることが理解できる。そうして考えてみると、持続可能性(Sustainable)という言葉の深みと重みを再認識する。
本書は未来予測本というより啓蒙書に近い内容であるが、新書ではあるものの280ページほどのボリュームであり、これまでの著者の集大成ともいえる熱量を感じた。と同時に、金融・株主資本主義が根付いた現代社会に倫理資本主義を浸透させることの困難さも感じた次第である。
また個人的には、倫理資本主義のネガティブな側面の片鱗が、岡田斗司夫氏が提唱する「ホワイト社会」という形でもう世の中に立ち現れてきているのではないかとも感じた。ホワイト社会は善行を積み重ねた道徳的進化を志向した社会ではなく、行動や発言が清く美しく、汚れなき漂白された「見た目がきれいな社会」を指すが、この社会を目指すことが道徳的事実とされ、倫理資本主義が曲解されてしまうのではないかと危惧してしまう自分に気付いた。これが杞憂に終わってほしいと願うばかりである。
いずれにせよ、価値観の多様化は止められない社会で、どのようにブレない倫理観を持って生きていくのかが今後の最大の課題のひとつであると考えさせられる一冊であった。
日本を含めて先進国のトップが代わっていった何年後かに、また本書を読み直してみることで、その時の社会で倫理資本主義がどのように受け入れられているかを考えてみたい。
ちなみに、哲学者独特の言い回しが少々読みにくいということもあり、評価は星3とした。 -
Posted by ブクログ
Netflixの会社が自由すぎるということは、以前SNSで見ていてどんな風に自由なのか詳しく知りたくてこの本を読んでみた。実際に社会人としてまだ働いたことのない自分にとったら理解するのが難しい所も多々あったが、自分の個性を会社のルールで潰されるような所で働くのではなく、自分の持っている能力を活かせる会社で働きたいと思えた。その分リスクも発生すると思うが、それを乗り越えた先にやりがいを感じることが出来ると思うので、この本で学んだことを大切にしながら就職活動に励んでいきたいと思えた。また、日本と海外の言葉の伝え方の文化の違いも学校で学んでいることをさらに深く学ぶことが出来たので、それも学びに繋がった。