桜坂洋のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ゲームをテーマにしたSF短篇アンソロジー。
ゲームを扱った作品と言っても様々なパターンがあり、ゲームをやることがストーリーの基軸となるもの、ゲームの中の世界が書かれたもの、ゲームのような展開があるもの、などなど。それぞれゲームに対するアプローチが違っており、こんな風に扱うこともできるのかと驚かされるアンソロジーでした。
死んだ時に近くの人間に乗り移ってしまう男、友が残したゲームには友の死の真相が隠されている、脳の障害による病気の治療に効果があるというシミュレーションゲーム、命を懸けたパズルゲームの行方、FPSゲームの私ならではのプレイ法、MMORPG内のミッションでリアルマネーが手に入る理由とは。
どれもゲームの魅力と小説の魅力が融合し、思いもがけない展開に目を見張ります。
ゲームは元々大好きでずっとやっていたのですが、ここ15年くらいはご無沙汰しているんです。その間に様々な新しいゲームが現れ、新しい世界が広がり、新しい遊び方が増えてきました。
このアンソロジーに出てくるゲームにも驚かされることしきり。そうか今はこんな楽しみ方もあるのかと、ゲーム熱も再熱させられそうでした。
実に贅沢で満足度の高いアンソロジーです。 -
Posted by ブクログ
「スタートボタンを押してください(ゲームSF傑作選)」
全作が書籍初収録。
「紙の動物園」のケン・リュウ、「All You Need Is Kill」の桜坂洋、「火星の人」のアンディ・ウィアーら、現代SFを牽引する豪華執筆陣が集結。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞受賞作家たちが、ビデオゲームと小説の新たな可能性に挑む。本邦初訳10編を含む全12編を厳選した、傑作オリジナルSFアンソロジー。
という触れ込み。桜坂洋しか知らなかったのですが、どれも面白い。ゲームSFと言うジャンルすら初耳なんですが、こんな小説の世界観があったとは知らなんだ、、、
まず1発目の「リスボーン」が強烈なインパクトを放つ。未知なジャンルの場合、しかも傑作編、短編集等の纏め版だと、一番最初に読むモノの力が弱いと読者は離れる可能性大かと思いますが、それをさせないパワーがある。ゲーム(RPG等)の“何度でも生き返るという特性”を活かすだけでなく、こんな形で適応させるとは。All You Need Is Youに通ずるものがありますね。とりあえず、読み出して途中でGIVE UPすることは無いと思います。
続いて「救助よろ。」。ゲームばかりして遂には大学を退学してしまう彼氏に愛想をつかしたガールフレンドの下に、彼氏からSOSが届き、毛嫌いしていたゲームにログインする話。現実と仮想世界の違いに触れるワードが頻繁に出てくるが、ポイントなのが「何が現実世界なのか」ということ。読んだらすぐ違和感が出ると思いますが、その時点で既に創造者(彼氏)の企みは成功していたということ。ゲームらしい世界観が良く出ている作品でした。
翻って「1アップ」は、ミステリーに近い。ネットゲーム仲間が死に、彼の葬式で初めて出会う友人達の物語であり、彼は誰かに殺されたのではないか?という疑惑が、彼が残したゲームにより確信に近づいていく。思春期らしい描写が多く、青春モノのような雰囲気を漂わせます。ゲームといえば、シューティングや格闘技といったイメージを思い浮かべる人が多いと思いますが、この短編で使われるのは古くから愛されるロジックのRPG。このゲームをフックに、真相に迫ります。
どれもお勧めで、外れはない印象でした。其々の著者による作品も手に取って見たいものです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあぁ。どうしようもなく不条理だ。
確かに、この不条理で余りにも悲しい結末が私の心を激しく揺さぶったんですよねぇ。原作を読み終わった瞬間に。
そもそも、不幸な事故に巻き込まれた事が始まり。理不尽をねじ伏せ、不条理から抜け出すために足掻いて足掻いて…。
多分。「二人が同じ世界では生きられない」だけで、別のループでは、具体的には158回のループでは違う結末があったのだろうけれど。
さて。
ついにケイジとリタが邂逅。キリングマシーンと戦女神が巻き起こす戦場の嵐はまさにクライマックスにふさわしい迫力です。
これまで人類を蹂躙してきたギタイが塵芥のごとく粉砕され、吹き飛ばされる情景は胸のすく爽快感すら。
またそのアクションが構図・エフェクトともに躍動感に溢れ、ありとあらゆる角度からグルグルと目まぐるしく動き回って見せ付けるので、ホントに楽しい。
地味に出撃シーンの描写もかっこよくていい。
とはいえ。
何よりリタの魅力が炸裂しまくってて困る。
正直な所、非情な「戦場の雌犬」としての描写が弱いので(この可愛さではねぇw)、普通の少女のような一面とのギャップはそこまでないのですが、単純に泣きじゃくる彼女は可愛い。そしてそこまでの見せ方がまた上手い。「 」の頃の素朴な笑顔も。
だからこそ。結末が切ないのですけれど。
この無情感。そして果てしない孤独感が、ひどく胸に染みる。 -
Posted by ブクログ
この本はアメリカでは「Edge of Tomorrow」、日本では「All You Need Is Kill」として映画化された作品の原作です。僕は先に映画を観て面白いと思ったので原作も読んでみることにしました。
訓練校を出たばかりの初年兵・キリヤ=ケイジがジャケット兵として”ギタイ”と呼ばれる生物達と戦う。彼は戦死した。しかし、また前の日に戻っていた。そして、死を繰り返しながら戦争に勝つ方法を探していく、というストーリーです。
テンポが良く展開が速かったためあっという間に読み終わってしまいました。
これを読んでみていいと思った人は少し内容は違いますが映画の方も観てみるといいと思います。