桜坂洋のレビュー一覧
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ネタバレゲーム小説だけどSF集じゃないかも。
最後の短編のケン・リュウは読んだことがなかったけど、ありきたりなテーマなのに見せ方が良くて、単純に小説が上手いなぁと思う。
一番面白かったのはお葬式にいくゲームキッズの話で、プロットの秀逸さを土台に、勧善懲悪と友情要素のバランスがいい小説だった。
「アンダのゲーム」も、有名小説のパロディに収まらない、やや苦い後味と女の子の可愛さがいいコントラスト。
テレビゲームで何かを表現する、またはゲームを表現する短編集だけど、小説の多くがテレビゲームを世界と結びつけているのが興味深い。私はあまりテレビゲームをしたことがないけど、一方的に鑑賞する小説や映画とは違い、コントローラーによってアバターを操作てきるゲームはより空間的に感じられるのかな。そこから発展して、立体感のある人工的な箱庭としてのゲーム空間の魅力、また現実との差や侵食をテーマとしたゲーム小説があったら読んでみたいと思った。この短編集では、女の子がエルフの王妃になっちゃう短編が一番近い? -
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大分前に買って放置していた本。
ゲームというお題のアンソロ集。テキストゲームを選んだ人が多いのがちょっと意外でしたが…文筆家が選ぶんだからそれもそうか、と今思いました。
猫の王権とキャラクター選択が好きでした。
桜坂 洋「リスポーン」
デヴィッド・バー・カートリー「救助よろ」
ホリー・ブラック「1アップ」
チャールズ・ユウ「NPC」
チャーリー・ジェーン・アンダース「猫の王権」
ダニエル・H・ウィルソン「神モード」
ミッキー・ニールソン「リコイル!」
ショーニン・マグワイア「サバイバルホラー」
ヒュー・ハウイー「キャラクター選択」
アンディ・ウィアー「ツウォリア」
コリイ・ドクトロウ「アンダのゲーム」
ケン・リュウ「時計仕掛けの兵隊」 -
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「魔女のライブラリ」の物語の完結編となります。
この巻の出足はすごくよかったのですが。美鎖のアミュレットを手にした嘉穂が、(カエルの着ぐるみパジャマで)いろいろと推理する場面や、「美鎖を殺してしまった」という弓子のことばを聞いた聡史郎が考えをめぐらす場面などは、キャラクターの立場に入り込んで読み進めることができました。
ホアンの思想も、共感できるかどうかはともかくとして、すくなくとも理解はできるようにきちんと設定されています。魔女のライブラリを解放して世界を支配するつもりか、とジギタリスにたずねられた彼は、数百年前ならともかく現在の世界は数えきれないほどの人間がかかわっている巨大なシステムであり、魔女のライブラリの力をもってしても、世界を個人が所有することはできないとこたえます。そして、魔女のライブラリという人類の叡智はすべての人間にオープンであるべきであり、彼自身も所属する秋葉原という街は、魔女の復活のために犠牲となってもかまわないと述べます。極左的な思想犯といったところでしょうか。
それと、まさかの姉原聡史郎のターンが用意されています。ただし、真の魔法使いの血筋に覚醒したとかではありませんでしたが、それに匹敵するんじゃないかと思うくらいのチート臭さです。こよみの採った「たったひとつじゃない冴えたやりかた」にしても、ベタなのはまあよいのですが、展開が駆け足すぎるように感じてしまいます。もうちょっとえがき込まないとご都合主義的な展開に見えてしまってしかたがありません。
いろいろと書いたのですが、好きなシリーズだけにこちらが期待しすぎていたところはあったかもしれません。 -
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第2巻では皆崎達彦が舞台回しを務めていましたが、この巻では小野寺笑(おのでら・えみ)という少女がストーリーを引っ張っていきます。機械の精霊「jini」を操るリングを駆使して、最先端の設備をそなえた六本木の巨大ビルのなかで暮らしている彼女のもとに、ゲーリー・ホアンや美鎖、弓子が、それぞれの思惑をもって近づいてきます。
魔法にかかわるリソースはすべてのひとにアクセス可能でなければならないという、いわば「極左思想」の持ち主のホアンは、魔女のライブラリを解放するためにジギタリスのゴースト・スクリプトを呼び出します。大規模魔法が組まれていることを感じとった弓子は、魔法の悪用を防ぐために火中に飛び込んでいきます。そんな弓子と彼女が持つケリュケイオンの杖を魔女のライブラリから遠ざけるために、美鎖はふたたび弓子と戦う決意をします。
ちょっと残念だったのは、笑がこよみたちと共闘することを決意するに至る心情がよくわからなかったこと。それまでがすごくおもしろかっただけに、理解しがたい展開にはがっかりしてしまいました。
この巻では、弓子やこよみをさりげなくリードしたり、「おっとテレポーター」というハンドル・ネームで笑にアドヴァイスをあたえたりと、嘉穂が大活躍しています。 -
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いわゆるビデオゲームを題材に12のSF短篇が集うアンソロジー。話題のケン・リュウや、「All you need is kill」の桜坂洋、「火星の人」のアンディ・ウィアーなどネームバリューのある作家もちらほら。というより、恥ずかしながらそれ以外は初めて知る作家ばかりで、ある意味新鮮なアンソロジーでした。
個人的には次の作品が面白かったです。
・桜井洋「リスボーン」:リスボーンというゲーム特有用語を用いた小説。オチはちょっと弱い気がしましたが、ゲームSF小説らしさを感じる小説でした。
・チャーリー・ジェーン・アンダース「猫の王権」:健忘症のパートナーの治療を目的にとあるゲームを勧めたところ…ゲームは単なる娯楽に留まらず、様々な用途に用いられることもある。そんなゲームの多様性を感じる小説でした。でもなんか最後は哀しい。
・ケン・リュウの「時計仕掛けの兵士」:本書でのベスト。女バウンティ・ハンターは依頼どおりターゲットを確保するが、帰還の宇宙船で暇つぶしにターゲットが作成したテキスト・ゲームをはじめてみたところ…巧みなストーリーテリングは流石。 -
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かつて美鎖が作った「クリスマスショッパー」の魔法によって、「ゴーストスクリプト」と呼ばれる情報の残滓が生まれてしまいます。美鎖は「クリスマスショッパー」を解析するために、6年前のクリスマスの日の記憶へとこよみを送り込みますが、そこでも「クリスマスショッパー」の影響で、かつて姉原研十郎、クリストバルドという二人の魔法使いに戦いを挑んだジャンジャック・ギバルデスのゴーストスクリプトが生まれ、こよみたちと対峙することになります。
魔法という「力」と、クリストバルドの血筋という「運命」に向きあおうとする弓子と、そんな彼女の成長を見守ろうとするこよみの姿を軸に、6年前の世界を舞台にした、こよみ、美鎖、弓子とギバルデスとの戦いを中心とするストーリーが展開されます。
ストーリー自体ももちろん楽しめましたが、冒頭のパンツ論議や、ネコの「かたまり」の一人語りなど、細部も工夫が凝らされていて、まったく飽きることなく読むことができました。 -
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>はじめに神は画面を創造された。
>画面は混沌であって、闇がすべてを覆いつくし、なにもなかった。
>神は言われた。「ドットあれ」こうして、ドットがあった。ドットは光であり、画面は闇であった。神は言われた。「パドルあれ」こうして、パドルが産まれた。
ゲームをモチーフにしたSFのアンソロジー。
桜坂洋・アンディウィアー・ケンリュウと顔ぶれが豪華で、テーマも斬新、タイトルで面白そう!と思って手に取ったけど面白かった。原書は26篇500ページ超だということで、未訳になったのも読みたい!なんで減らしたのさ!500ページじゃ売れそうにないからか!?・・・売れなさそう・・・。
特に面白かったのは、桜坂洋「リスポーン」
カートリー「救助よろ」ブラック「1アップ」マグワイア「サバイバルホラー」ハウイー「キャラクター選択」ウィアー「ツウォリア」・・・挙げてくと全部挙げる羽目になりそう。
「1アップ」が一番良かったかな。
ネットゲーム友達が死んだというので家を訪ねると、故人の遺作自作ゲームが残されていて、そのゲーム内指令を現実でクリアしていく。最後に辿り着いた結論が・・・!というお話。緊迫感があって良かった。
「サバイバルホラー」とか「救助よろ」のゲームが現実に侵食してくる感じもすごい好き。
たった8ページの「ツウォリア」も好きだなー。『ふわふわの泉』『不全世界の創造手』とかみたいな、世界を良くしてくれるわくわくが素敵。いやさすがウィアー、この人は外れないわ。
ケンリュウは、なんかSFとしてすげーって感じあるんだけど、今んところあんま好きになる短編に出会わないなー。なんか読みづらい。売れてる作家が自分に合わないのだとすると惜しいというか悔しいというか残念。
ちょいちょいネットスラングが使われてて、原文のイメージを生かそうとしているんだろうけど、こういうスラングってすぐに風化するから今読むとちょっと恥ずかしいのが難点。と言ってもきっと原文のスラングも同じ恥ずかしさを抱えていそう。 -
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桜坂洋「リスポーン」
デヴィッド・バー・カートリー「救助よろ」
ホリー・ブラック「1アップ」
チャールズ・ユウ「NPC」
チャーリー・ジェーン・アンダース「猫の王権」
ダニエル・H・ウィルソン「神モード」
ミッキー・ニールソン「リコイル!」
ショーナン・マグワイア「サバイバルホラー」
ヒュー・ハウイー「キャラクター選択」
アンディ・ウィアー「ツウォリア」
コリイ・ドクトロウ「アンダのゲーム」
ケン・リュウ「時計仕掛けの兵隊」
桜坂洋の「リスポーン」目的で読んだ。最後が微妙なことも多いけど、やっぱり桜坂さんの設定好きだなあ。
あとは海外作家ばかりだったので、せいぜいケン・リュウをかろうじて読んだことがあったくらいだったのだけど、なかなか面白く読めた。「1アップ」「キャラクター選択」が特に好き。 -
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初めての戦場で会った、戦場の牝犬。
敵を殺して自分も死んだ…はずだった。
目が覚めたら、2日前に戻り。
主人公でなくとも、何が起こったのかと思います。
そして繰り返される日々に、そりゃ手際もよくなり
経験値も1人で稼げるものです。
とはいえ、明日を考えねばならず、そこから抜け出して
次を見なければなりません。
そんな状態を打破する方法を知っていたのが彼女ですが
彼女もここまで行き当たるのに、どれだけの回数と
どれだけの方法を繰り広げていったのか。
これはこれですごいものがあります。
クライマックスに関しては、まさかの展開というか
あちらだけの特性ではなかったのか!? という驚きが。
実行に移すには、かなりの覚悟と決意がいる最後。
貰っても、それは空しい以外何物でもないものかと。