荒川弘のレビュー一覧
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ネタバレ最年少の国家錬金術師であるエドワード=エルリックは弟のアルフォンス=エルリックとともに旅をしている。
二人の探し物は伝説のような代物、”賢者の石”。
目的は幼い頃に禁忌の術に手を出してしまったことへの代償として失った自分たちの身体を取り戻すこと。
しかし、様々な困難と試練が二人を待ち受ける…。
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けっこうシビアなマンガ。
読んでいて「痛く」なるところがある。
血も出るしね。
でも、登場人物たちがみんな「なりふりかまわず、必死に生きてる」。
エドがアルを想う気持ち、アルがエドを想う気持ち、二人が周りの人間を守りたいと想う気持ち。
理屈だけの正義ではなく、自分たちの信念を持って旅を -
私の教科書です
鋼の錬金術師は一巻を読んだときに引き込まれて、以降、素晴らしい名言が溢れてて、本当に教科書です。
また読みたくなって、
電子書籍でダウンロードします!
紙の本はかさ張るので。 -
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初読。言いたいことが多いので、感想を抱いた点を掻い摘んで述べる。
大佐に寛容な言葉をかけるイズミさんは、重要な時にも本分を忘れずに優しくしていて素晴らしいなと思った。究めようと進む者には厳しく接し、弱った者には手を当てながらそういうこともあるもんだと諭せるのがいい大人の条件の一つなのかもしれない。その大佐もまた、大切な人物の心配をいの一番にする…このようにして繋がってゆくのだなと思わされる。
プライドは最期の瞬間、両親を思い浮かべていた。母親の愛情に触れるうち、お父様の第一の僕としての自分でいることではなく、両親との時間が大切になっていたのだろう。彼はエドに自らの内に侵入され、その思い出ごと破 -
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初読。マスタング大佐が王と正対し言葉を交わすシーンがあるが、その時の大佐の目がいつもと同じかそれ以上に真っ直ぐだったのが印象的だった。直後の王も、傷ついた左眼にうっすら涙が浮かんでいたように見えて。思い通りにいくことだけが人生ではない。人造ではあれど人間として生きた王は、齢60にしてようやく1つの境地に達したのだった。
フラスコの中の小人は、恰も真理が自分の味方についているかのように振舞っているが、それは思い上がりでは?と思った。自分の欲を満たすために行動している以上、人間や人造人間たちとそう変わるまい。エドたちにやっつけられ、本当の真理に裁かれることを期待する。
そういえば、グリードの完全体 -
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ネタバレ初読。アームストロング姉弟はスロウスと交戦し、苦戦する。それぞれ骨折と脱臼をしているのに動揺するそぶりを微塵も見せないお二方かっこいい。経験がある私からするとすごすぎる。窮地に陥った時にも心のハンドルを手放さず、冷静に状況把握に努め自分の頭で考えて行動することが大切。
大佐とエドが合流する。2人が直接共闘するのはスカー戦以来か。待ち侘びた。そして大佐は親友の敵と対面する。怒りの焔が醜い嫉妬を焼き尽くそうとした刹那、立ちはだかる者たちがいて。
最後には師匠が登場。勿論来るだろうとは思っていたけれど、今まで主人公に関わってきた人物が決戦に向けて再登場する様はいつも熱い。
さりげなく残像を使うシャオ -
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初読。イシュヴァール内乱と、その最中に何が起きたかが明らかになる。私を含め、この物語を囲う読者たちの中で、戦争を現実で経験した者はよもや居るまい。そんな人々にさえ、本書は戦争の悲惨さを現実味を持って訴えかける。戦争の様子、現地の人々の心情、殺される以外に選択肢を持ち合わせていない人々がその選択肢を選ばされる瞬間。極く一部の者の目的のために武力を行使する者の様子も。ならば力を持つものが弱者に配慮し、僅かな犠牲が肯定されないが為に目的を持って行動することは、果たして許させざることだろうか。ノックスさんに言わせれば、これも安全圏からのもの言いでしかない。虐げられて、為すすべもなく一方的に生きる権利を
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初読。しかし本当にそっくりだ。そっくりだからには100%関係があるのだろう。
リンが自分の覚悟をグリードにぶつけるシーンは、その熱量に鳥肌が立った。ランファンの腕は無駄に失われたわけではなかったどころか、若や物事を大きく進めるキーになったと言えよう。そのランファンは早くも次に目を向けている。個人的に、本作に登場する女子の中で安定して幸せになってほしい方々のうちの今のところ筆頭。
ウィンリィとエドの電話のシーンは胸キュンだった。ウィンリィが自覚して以降初のやりとりで、気持ちを素直に伝えられて良かったねぇ…とこちらまでほっこりした。
将を射っちまえの下りは面白かった。それはそうなんだけれど。手に届 -
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初読。作る者と壊す者の狭間、愛する両親を殺された者の怒りが揺れる。
「おまえの手は人を殺す手じゃない 人を生かす手だ」のセリフはエドからのウィンリィに向けられた、最大の理解を含む慰めと励ましの言葉だと思う。結果的に敵を許すウィンリィ。零れ落ちたのは涙だけではなく…。
憎しみを始めとするマイナスの感情は、それはそれで使いようによっては大きな力となる。しかし自分を支え時には引っ張ってくれる人がいることや、自分のことを待っててくれる人間がいることも、それ以上に人を踏み止まらせたり一歩を踏み出させる力になるのだなと感じた。エドワードはウィンリィさんに真っ直ぐ言っちゃったからには、是非とも実現させちゃっ -
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ネタバレ初読。ホーエンハイムは目的の為だけに生きる男なのだろうか。なんだか人格に掴み所がないなという印象を受けた。だがそんな男でも流石主人公たちの父親である。意味のないことをひとりごちる一方で、ストレートかつ的確な言葉で以てエドを前進させてみせた。エドの前進は、アルの全身とエドの手足を取り戻せるという希望である。残酷でどうしようもなく正しい真理を我が物とし、身体を元に戻せる日は来るのだろうか。
ハボックとマスタングのやり取りも、2人の心が見える良いシーンだった。
ヨキを介し、メイとスカーが出会う。スカーのおまけからキャラクターを逆輸入した瞬間が、本巻のコミカルシーンのハイライト。もとから動物が好きだっ -
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ネタバレ初読。兄弟と師匠の過去編、鋼の錬金術師が誕生する瞬間を見られる。兄弟は、一は全、全は一とはどういうことかを大まかに知る。錬金術とは何か、また錬金術師とは。理論だけでなく、タブーを介して触れることができるものがある。理論は現象の説明であり、タブーの中に真理への道がある?自分を指して「世界」や「真理」、また「おまえ」と呼んだあの存在を乗り越えられる時はエドに来るのだろうか?
マスタング大佐以下5名が中央に移動。ハボック少尉かわいそう。最後に強そうな人が初登場。
精神を鍛えるにはまず肉体からという考え、良いな。これからは私もそれをモットーの一つにして生活していきたい。
荒川弘先生、マンガばっかり読ん -
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初読。銀の匙silver spoonで荒川弘を知り、著名な他作品を読みたかったので、純粋に読めることが嬉しい。本作は近代ヨーロッパを舞台に、錬金術師であるエルリック兄弟を主役に据えたダークファンタジー作品である。兄弟が操るのは等価交換が鉄則である錬金術。2人は自分たちの身体を元に戻すために賢者の石を探す旅に出ている。その中途、様々な出来事に巻き込まれてはそれらを解決してゆく…という物語だ。場のギャグ濃度が一定に保たれている一方で、〆るところは〆ているため読後感がよい。エドが時々漏らす自分の哲学は、物語を引き締めると同時に、自分もこういう考えを持って生きたい、生きようという気分にさせられる。また
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