白川道のレビュー一覧
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購入済み
師匠との出会い
危うく命拾いした主人公、不思議な巡り合わせで博打の、いや人生の師匠に出会い、新たな女性たちとの出会い成長していく
私にはこんな師匠はおらず自力で痛い目を見つつ競輪を覚えたクチですので師匠を持つことを羨ましく感じます
作者も他界しましたが今の競輪をどう思っているのか、聞いてみたい気がします。 -
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中瀬ゆかりの解説が泣ける。
たまたま本屋さんでこの本を見かけるまでずっと 漂えど沈まずで このシリーズは終わったと思ってた。たしかに漂えど沈まず読んだ時に ものすごく中途半端な終わりかたと思ってたけど 実は全然終わりじゃなかったんだね。
もっともっとながーい話になるはずだったんだね。思えば白川通は長い話が好きだったものね。わたしも ずっとずーっと梨田雅之の破天荒な人生に寄り添っていたかった。
こんなこれからって話の途中で 終わってしまうなんて ほんと残念。でもさ 中瀬さんの解説で最期の様子を読むと いかにも白川通にぴったりな かっこよすぎる散り際だ。合掌。 -
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ネタバレ不遇な子ども時代を送った双子が大物実業家に復讐するため、兄竜一は官僚になり表の世界から、弟竜二は裏の世界から攻めてゆくという話。
いつものようにハードボイルドだけど、今回は殺される人の数がいつもより多い。
けれど、殺されるやつはなかなかの狸ばかりなので、自然と竜二に肩入れして読み進んでしまう。
現在だったら、解明されるかもしれない事件も、DNA鑑定とか精密でないし、監視カメラもあちこちについているわけで時代なのですぐに迷宮入りだしね。
ことがとんとん拍子に進みすぎるところは白川道の作品では良くあることだが、この疾走感が私は好き。
時代もきっと好きなんだろうな。バブル前の昭和の -
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病葉・梨田雅之が帰ってきた―。この衝撃的な事実を知った時には全身に衝撃が走りました。ここでは身も震えるような勝負は影を潜め、砂押をはじめとする新しい人物たちとの『出会い』に焦点が置かれています。
病葉・梨田雅之が帰ってきた―。この話を聞いたときには全身に衝撃が走りました。彼は前作のラストで、先物会社社長である辻野一派にわき腹を刺されたところで終わっていたからであります。
すんでのところで一命を取り留めた梨田は長期の入院生活を余儀なくされます。暇をもてあました梨田は病院を抜け出し、ふらりと立ち寄った雀荘で一人の初老の男に出合うことになります。彼の名は砂押学。
幾多の修羅場を潜り抜 -
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『毀れゆく者、なにを祈る―』ギャンブル小説であり、筆者の自伝的小説でもある本作の一応の完結編でございます。身を焦がすようなギャンブルと相場の果てに彼が見たものは一体なんだったのか?強烈な物語です。
ずっと書こう書こうと思って、ついつい延び延びになってしまいました。本書は無頼派作家で知られる白川道先生の自伝的小説の一応の完結編となります。ここの箇所は他と違い、今までのギャンブル小説だけではなく、天文学的な金が瞬時に増えたりなくなったりする相場小説。それももっとも過酷な先物相場の世界の話になってくるのです。
主人公の梨田は大手企業を辞め、麻雀で知り合った辻野の経営する先物会社に入社することに -
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「毀れゆく者、なにを祈る」――。梨田雅之が大阪のメーカーに就職してそこをやめるまでの事が描かれています。やはり、梨田雅之はなるべくして梨田雅之になったのだ。そう思います。
大阪の電機メーカー「S電器」に就職した梨田雅之は新入社員として社会人生活を送ることになる。しかし、東京で放蕩無頼の限りを尽くしてきた彼にとって、「使われる」身分というものはただただ苦痛でしかなかった。そんな時、梨田は就職試験で大阪に行ったときに立ち寄った「ブー麻雀」の雀荘「赤トンボ」に赴き、そこを切り盛りするタッちゃんと一枝の夫婦に再会する。なれない仕事と、ホワイトカラー族に対する違和感。上司や同僚、先輩からもだんだんと疎 -
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自伝的ギャンブル小説『病葉流れて』の第二巻です。放蕩に放蕩を重ねた梨田雅之がその学生生活を終える場面までが描かれてます。ここまでの人生を送った人は他にいないでしょうね。
川崎の競輪場で競輪をやろうとする梨田がまず最初に描かれています。そこで彼は競輪で大当てして、120万円もの大金を稼ぎ出して、姫粉にしている借金を返し終えたのもつかの間、今度は幼馴染の母親たちと囲んで打った麻雀でまたしても100万円負けてしまいます。またしても姫子に梨田はカネを無心するのですが、彼女が出した条件は『大学を休学して1年間自分の店で働くこと』でした。
梨田は大学を離れ、ますます夜の街とギャンブル三昧の放蕩生活に身 -
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この小説は伊集院静の『海峡』三部作とともに僕の中では双璧をなすものです。『流星たちの宴』の梨田雅之の大学~社会人になるはじめまでを描いたものですが、今の学生にこういう人はいないでしょうね。
かつて新葉だったことがある。
かつて新芽だったことがある。
青い色をした仲間たちは、季節がうつろっても、
輝きを失うことはなかった。
仲間たちは、陽の光を、風の香りを、
ごく自然に受け止めていた。
ある日、ふと、疑問が頭をもたげた。
自分の葉脈のなかに流れているものが、
他の仲間たちのそれとは、
どこかちがうのではないか・・・・・。
疑問はふくらみ、やがてはじけた。
樹から落ち、腐 -
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ネタバレそっとしておいてくれれば・・・、彼女を遺棄したことだって、悪意があったわけでも誰に迷惑かけるわけでも無いのに、ただ犯罪だからで表沙汰にしたところに憤りを感じた。そっとしておいたからといって、丸く収まっていたかというと、そうでもないとは思いますけどね・・・
それでも、自殺する必要はなかったはずで・・・
長編小説はほとんど読んだことなかったのですが、
いいですね!
登場人物に強い思い入れができました。
(その分、読み終わった後の虚無感も強かったですけどね)
長編小説は軽く読めないのでちょっと・・・っという人にもぜひ読んでいただきたいです。 -
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この人がギャンブルで失ったお金は競輪だけでも10億近くに上るそうですが、それと引き換えにして得たものはこういう『男の矜持』や哲学なんだと思うと、感慨深いものを感じます。
正直、何回も笑いが止まらなかった。どうも、僕の笑いのツボは、
「カネによって炙り出される『人間の本性』に悲喜こもごも」
というのらしい。
白川道先生は、競輪だけでも10億近くを注ぎんでいるという。古今東西、ギャンブルというのは『命の次に』大事なカネを賭けあうところで西原理恵子師匠に言わせると
「カネの盗みあいに仁義もへったくれもあるか!」
というもので、白川先生は若いころからどっぷりとあらゆるギャンブルに身を浸して